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強く儚い者達4《修正版》

鼻を擽る甘い花の香りと素肌へ直に感じる自分以外の温もりに目が覚めた。
まだ、陽は昇ってはいない。
腕の中には幼馴染であり、初恋の…それも今尚、愛しいと想うキョーコがいて、昨日の事が夢ではないと告げている。
俺は彼女と結ばれたのだ。
心も身体も互いに確かめ合った。
もう、離れたくはない。
このままずっと彼女を見つめていたい。
彼女の髪に肌にずっと触れていたい。
幼い頃から彼女が好きだった。
好きで好きで仕方なくて周りの大人たちに咎められても…会いに行った。
それなのに……。
大切な存在だったのに俺はどうして彼女を忘れていたんだろう。
どうして今になって彼女を思い出したんだろう。

どうして彼女はこの島にいるのだろう。
どうして彼女は最初から言ってはくれなかったんだろう。
どうして………。
解らない事だらけだ。

『なぜ魔女の島に行かなければならないのか?』

危険な旅へでる祖父と父に同じ問いをかけた。
返ってきた言葉は一つだった。

『お前にもわかる時がくる。』

二人ともそう言ったのだ。
祖父と父は何を目的にこの島を目指したのだ?

「…………。」

分からない事がたくさんあるけれど、一つだけ確かな物がある。
俺と彼女は運命の糸で結ばれているのだという事。



徐々に明るみをおびてくる室内。

「……んっ……。」

彼女の長い睫毛が微かに揺れた。
ゆっくりと瞼が開いて……俺を見る。
色素の薄い茶色の瞳。
俺を捕らえて離さない、離したくもない君の瞳。
俺を見て。
俺だけを見て。

「キョーコ。」
「…………。」
「キョーコ?」
「…………。」
「どうしたの?」

ピキリと固まったままの彼女にどうしたらいいか考え倦ねていたところへ、歌うたいの声量さえ凌ぐかのような声量の悲鳴が部屋中に響いた。



キーンと耳鳴りがする。
それ程の衝撃だった。
彼女の反応にもかなりのショックを受けている。
彼女は……俺を受け入れてくれたのでなかったのか?
彼女はと言えば俺の腕から抜け出して、シーツを被って丸くなったままだ。

「キョーコ?」
「ふぇ?」
「大丈夫?」

拒絶されているかの様でものすごくショックだけど、それよりも彼女の事が心配で。
何しろ彼女は初めてだった。
彼女は島の住人達から神聖視されていた存在なのだから当たり前なのかもしれないけれど、それを気にする余裕もなくて。
途中で気づいたけれど、既に後戻り出来ないところまできていて……そのまま……。

「大丈夫?」
「大丈夫に見えるんですかーっ!」

一瞬だけ、顔を出した彼女は大きな瞳に涙を浮かべていた。

そんなに嫌だったのかな。
自らに問いて…凹む。
急いては事をし損じるというが、まさにその通りだ。
俺の中ではもう彼女以外考えられなかったのだけど、もう少し彼女との距離をはかるべきだったのだ。
今更だけど。
どうしよう。
俺には彼女しかいないのに。
どうしたら、彼女は俺を許してくれるだろうか。
とにかく謝るしかない。
謝って、許してくれるまで謝ろう。
彼女が俺を見てくれるように。
彼女が俺を心から愛してくれるように。
だからまずは……。

「キョーコ。ごめ……。」
「いやぁあ!恥ずかしい!クオン様に裸を見られるなんてーーっ!」
「キョ…キョーコ?」
「胸は小さいし、痩せっぽちだし……。いやぁ!」
「ちょっ…キョーコ!?」
「体形も魔法で何とかなるなら良かったのにぃーーっ!」
「…………。」
「神様の意地悪ーーっ!」

えっとぉ……君が気にしてるのって、そこなの?
俺はそのままの君でいいんだけど。

「キョーコ、落ち着いて。」
「もうダメです~っ。せっかくクオン様にお会い出来たのに……。」

それから彼女はまたぶつぶつと何か言い出した。

「…ェリー様なんて、あのお歳であの若さを保っていらしたのよ。……様だって妖精のように美しくてスタイルも素晴らしかったのに……なのに、私はこんなに痩せっぽちで地味で色気なんてかけらもなくて……。」

そのまま、泣き伏せってしまった。
キョーコ……少し、俺の話しも聞こうね。
自分の思考の渦に陥りやすいのは相変わらずだ。
そんなところさえ、好きだったのだけど。

「キョーコ、シーツに包まってないで、出てきて。でないと俺、寂しいよ。」
「………。」
「せっかく君と再会できたのに。」
「クオン様。」

俺は彼女に近付いて、シーツから顔だけだした彼女を抱きしめた。

良かった。
嫌われたわけじゃなくて。

本当に彼女と結ばれたんだ。

俺と彼女の出会いは、俺が7歳で、彼女が、6歳の時。
俺が彼女に想いを告げ、あの石を手渡したのは俺が13歳の時。
そして彼女はそれを受け取ってくれた。
まだ幼いと言える未熟な恋。
他人が聞けば、笑い飛ばすかもしれない。
だけど、本当に好きだった。
少なくとも俺にとっては本物の恋だった。

その想いは数年の時を超えて一気に湧き上がり、俺の心を占拠する。

抑えきれないほどの想いは…、彼女の全てを欲してその身を掻き抱いたのは…、本能が溜め込んできた彼女への愛しさが、一気に湧き出したが故だろう。

好きで、好きで。
愛しくて、愛しくて……たまらない。

強い眼差しで彼女を見つめる。

もう離さないよ。
もう二度と君を忘れたりするものか!
たとえ魔女に、いや、神に逆らう行為だとしても、俺は君を手離したりしない。

「…………。」
「クオン様?」

ただ見つめるだけの俺を不思議そうな目で覗き込む彼女。
そんな彼女からシーツを奪い、白いく滑らかな肌を外気に晒す。
首筋や胸元に散る朱い花。
夕べ俺が付けたもの。

「キョーコ、愛しているよ。」

それは確かな思い。
誰が何と言おうとそれだけは変わらない。

薄闇に白く浮かぶ彼女の肢体を抱き込んだ。



◆◇◆◇◆



鳥の囀りが聞こえる中、彼女が小さな声で言った。

「起き上がれません。」

………。
流石にやり過ぎた。
だけど、この場合どうしようもないと思うんだよね。
好きな子を……幼い頃とはいえ、将来を誓った女性を抱いて、……後はもう止めようがないじゃないか。

でも、彼女に負担をかけたのも確かで。

「キョーコ、怒ってる?」

ふいっと顔を背ける彼女。

「ごめん。許して。」
「………。」
「キョーコ?」
「朝ごはんが作れません。」

は?

「夕べだって、お食事されてませんし。」

えっとぉ……、君が怒っているのは、そこなの?
さっきもだけど……本当に君は……変わらないね。
いつも俺の事ばかり心配してる。
俺は大丈夫なのに。

「いいよ。特に空腹っていう事もないし。」

その時だ。
彼女を取り巻く空気が変わったのは。

「クオン様!」

起き上がれないと言っていたのに、勢いで身を起こし、凄い迫力で、俺を見る。
彼女には悪いけど、鬼の形相というか、なんというか。
背後にも何か渦巻いて見えるような。
そんなもので彼女への思いが冷めるわけはないけど、正直驚いている。

「………。」
「クオン様。」
「はい。」
「お国でも、いえ、旅の間もお食事されたり、されなかったりしたんですか?」

何を聞かれるのかと思えばそんな事か。

「そうだね。でも平気だったよ。旅の間は……船が揺れて……慣れないせいもあったから食欲もなく…」
「クオン様!!」

キョーコ……顔がさっきより怖くなってるんだけど。

「お食事は生きる為には必要な事なのですよ!分かっておいでなのですか?特に貴方様は国を背負って立つ王となる身。ご自分のお身体の管理もろくに出来ずに国を守れるとお思いですかっ!!………解りました。魔女が貴方にお会いする時期を告げてこられない意味が解りました!!」
「えっ!?」

ちょっと待て、それって俺には魔女に会う資格がないって事?
このままでは俺は役目を果たせずに帰る事になるのか?
それはまずい。
俺個人としては君に再会出来た事がこの旅で一番の収穫であるけれど、王太子としてはまだ何もしてない。
よく考えたら、魔女に会わなければ彼女をこの島から連れ帰る事も出来ないのでは?
……まずい。
それは非常にまずい。

「えと……どうしたら、いいんだろう。キョーコ?」

キッと俺を鋭く睨む彼女。
それすら愛しいと思う俺はなんなんだろうか。

「クオン様。私を台所まで連れて行って下さいませ。」
「えっ!?料理するの?いや無理しなくても…」
「クオン様っ!連れていって下さい!!」

無理させた俺が言うのもなんだけど……君の事も心配なんだけどね。
だけど彼女の意志は固そうで、彼女に従うしか俺に残された道はないらしい。

「………じゃあ、服を着てくれる。流石にそのままじゃね。」

朝日が登りきり、差し込む光りの中、美しく輝く滑らかな白い肢体が惜し気もなく晒されている。
勢い込んで起き上がった為、シーツがずり落ちた結果だ。
目の保養にはなるけど……それ以上に違う欲求が……。

次の瞬間だった。
ムクムクと沸き上がりそうになる俺の邪な欲求を吹き飛ばす勢いで、彼女の叫びが響き渡ったのは。




まだ何も分からないけれど、全ての謎を解く鍵は彼女自身である事に変わりはなさそうだ。
そしてそれが分からない限り、この島から出る事はかなわないのだろう。











すいません。
またコメディー化してるよ。

少しは真面目に書けないのかしら?


ごめんなさい。



月華




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