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秘境にいってみよーっ!

とあるテレビ局で囁かれている噂。

嘘か誠か現実か。
夢か希望か幻か。
本日の議題はまさにそれ。

「本当に来てくれますかね?」
「確証は無いが、確率はゼロではない。」
「やる価値はありますよね。」
「この企画は他に比べると弱い。この辺でドカンとデカく出ないと次がない!」
「では、さっそくオファーを!」
「確実にとって来てくれっ!」

……某テレビ局の一室でそんな会話が交わされていたなんて、私は知らない。
その噂がなんなのかも。



◆◇◆◇◆



椹さんに呼び出され、事務所にいる私。
ちょっとだけ嫌な予感がした。

「最上君。黄◯伝説の仕事が入ったよ。君はあそこのプロデューサーから評判がいいよね。ロケに時間かかるし、体力必要な仕事だけど、いい仕事じゃないか。ゴールデンタイムの番組というのがいいな。うんうん。」

一人で納得しないで下さいよ。

「……また…通い妻企画じゃないですよね?」

それは前回の企画だったのだが、ハチャメチャな企画のおかげで、小学生にまで〝通い妻キョーコ″って呼ばれるようになっちゃったのよ。
他にも幼妻やら恐妻やら…恐妻っていうのは…敦賀さんったら地方ロケの時に「私の作ったもの以外食べたくない」とか「サプリメントや栄養補助食品で済ます」とかワガママを言うものだから、カメラの前なのについお小言を言っちゃったのよね。
敦賀さんのイメージは崩れちゃうし、散々だったわ。
だからもーいやよー(T ^ T)

「大丈夫だよ。今度は秘境にある名店に人気のメニューを食べに行くという企画なんだ。」
「あれですか!東京駅を起点にして公共の交通手段と徒歩で行く企画ですよね?」
「そう、その企画。オファー受けていい?」
「はいっ!やります。やらせて下さい!」

だってどの店もすごかったのよ。
お肉がとろけそうなくらいじっくり煮込んだビーフシチュー、最高級のお肉を暖炉の火で炙ったローストビーフ、独特な製法で作られたチーズたっぷりのピザ。
どれも美味しそうで。
自腹で行こうにも交通費がかかりそうだし、お店も格式が高いところはペーペータレントの私にはいけそうにないし。
交通費もかかるし。
でも番組の企画なら……。
この企画に出ている芸人さん達はすごく大変そうだった。
バスはこないし、道のりは長いし、変帰れなければ野宿だし。
でも、やる価値はあるわ。

極上の味を…秘伝の技を…この目と舌で覚えてやるわ。
そしたら敦賀さんにも……。

……なんで今、敦賀さんが出て来るのよ。

何はともあれ、俄然やる気が出てきた私。

どんな所かな?
どんなお店かな?

それは着いてからのお楽しみ。



◆◇◆◇◆



そしてロケ日当日。

東京駅から新幹線とローカル線をのりついでやってきた田舎町。
駅舎を出ると田園と緑に茂る小高い山あり、心安らぐ美しい風景だった。

駅員さんにお店の場所を聞いてみたら、地図を書いてくれた。
お店までは公共の交通機関はなく、歩いていくしかないらしい。
駅員さんがくれた手書きの地図を風景に照らし合わせる。

この道をまっすぐね。
あの山を登るのかぁ。
けっこう遠いわね。
でも大丈夫。
体力には自信があるんだから。

真っ直ぐな一本道。
順調に進む。
30分くらい歩いたかしら。

本当にいいところだわ。
空気も美味しいし。

…ブォォ。

あっ車が来たわ。

よけなきゃ。

それにしても…なんか田舎町にふさわしくない重低音だわ。
煩いわけじゃないけど、さっき走っていた軽自動車や小さなトラックとは違うのよね。
なんか高級感があるような。

それに…なかなか…追いついて来ない。

…しかも何?この感じ…。

前にもあったような。

後ろを見るのが何故か怖い。
確認するのが非常に怖い。

やがて問題の車は私の横までやって来た。

見ないようにしても視界の片隅に派手な色合いが強引に入ってくる。

完全に横に並べば嫌でもわかる車の形状。
歩く私の横をゆっくりと走るのは真っ赤な車だった。

間違いがなければ、ポルシェと言われる高級車で。

しばらく私の横を並走していたけど、ゆっくりと追い抜いていった。
ナンバープレートには東京都の地名も記されている。
ナンバーは記憶に相違なければ、事務所の先輩俳優の所持する車のものではないかと……。

見なかった事には……出来るかなぁ?

少し先で路肩に止まる高級車。

開かれたドアから長い足が現れて、〝一般の人と比べると毛がにとタカアシガニくらい違うわねぇ″…なんて思ったのは、ただの現実逃避。
あんな高級車に乗ったカニがいるもんか!
というか、カニが運転できるか。

私の動揺する心とは裏腹にタカアシガニは…いや…車の持ち主は、華麗に優雅に車外に身を晒した。

「やあ、偶然だね。通い妻の京子さん。」

偶然なわけあるかぁ!

一見爽やかに見える笑顔の裏にはいろんなものが詰まってるのを知ったのはいつだっただろうか。

「どうしてこんなところにいるんですか!?敦賀さん!!」

私の目の前には考えたくなかった現実がキラキラと無駄に輝きを放って手を振っていた。

「今日はオフ。ドライブに来たんだ。どこに行くの?送るよ?」

なんですか?
そのナンパ的なノリは!

「敦賀さん。私は今、お仕事中です。」
「また黄○伝説?見た事がある人達がいるとおもったんだ。……どうも。妻がお世話になってます。」
「妻じゃなくて、通い妻っ!」

……ああ……また言ってしまった。

「………とにかくですね、今はお仕事中なんです。公共の交通機関しか使ってはいけないんです。そういう企画なんです。」

おーけぇ?

「じゃあ、俺も歩く。」

は?

「行こ。」

は?

「お腹すいた。」

なんですと?

「敦賀さん。あなた…最後にごはん食べたのいつですか!?」
「昨日、昼におにぎりを1つ。」
「ロケ弁とかロケ弁とかロケ弁とかあるでしょーっ!」
「ロケ弁しかないじゃないか。それに奥さんのごはんじゃないし。」
「通い妻っ!」

どうしてこの人はぁ!!

「皆さん!少し早いですが、ランチにしましょう!」

「やったーっ!」

………なんだそれ。
後ろにいたスタッフさん達が声を上げた。

「敦賀さん、待ってましたよ!」
「俺たち、来てくれるって信じてました!」
「そう?それは良かった。」
「敦賀さん!京子さんが、スタッフにもって昼メシ作ってきてくれたんです。ごちそうになってもいいですか?」
「どうぞ。」
「あざーすっ!」

………いろいろツッコミたいけど。
ツッコミたいけど何から突っ込んだらいいか…わかんなーい!←微妙にキョコのキャラじゃない。

スタッフが検索して探した公園へと方向を変える。

敦賀さんは車でスタッフさんに預けていたお弁当を持って先に行っている。

ついて荷物を下ろしたら、迎えに来てしまいそうだから急いで行かないと!



◆◇◆◇◆



「キョーコちゃーん。こっちこっち。」

公園に着くと社さんが手を振っていた。

「社さん。こんにちは!いらしてたんですか?敦賀さん1人かと思ってました。」
「ずっと車にいたよ。……3時間程過労死してただけで。」
「は?」
「今は元気だよ。」

敦賀さんのオフを強引に作ったんですね。
あなた。

なんだかんだで始まったランチタイム。

「敦賀さんがうらやましいです。こんなうまい料理が食えるなんて。」
「京子さんのロケの時くらいですよ。俺たちスタッフがちゃんとメシ食えるの。」
「そうなんだ。大変だね。」
「敦賀さん!敦賀さんオススメのこの卵焼きマジでうまいっす。」
「それは良かった。おにぎりとの相性もバッチリだよ。」
「塩加減が絶妙ですよね。おにぎり。」
「京子さんが番組で作った料理をマネして妻が作ったんですが、どうもあの味にはならないんですよ。」
「俺も彼女の手元や手順、それと材料や調理器具の配置まで覚えて、彼女の味にチャレンジしてみたけど、ダメだったよ。」
「さすが俳優さん。すごい!しかし、何ですかね。この違いは。」
「やっぱり愛っすよ!愛!!」
「そうかな。」

作った本人をそっちのけに敦賀さんとスタッフさんの会話は続く。

「いいなぁ。……俺も結婚したいなぁ。」

敦賀さんは独身ですけど?!

「敦賀さんが羨ましいっすよ。マジで。こんな可愛くて、出来た奥さんいて。」

……聞き捨てならないその言葉。

「奥さんじゃなくて、通い妻ですぅ。」
「京子さん、今は企画が違いますから。」
「京子さん、妻と奥さんの違いが分からないっす。」
「だから通い……。」
「京子さん、俺たち細かいところは気にしませんから。」
「気にしろーーっ!」

私の叫びは……どこまでも青いそらに吸い込まれていった。

ロケはまだ中盤にも場合っていない。

なのにこのくたびれ感は何か?

敦賀さんはこのまま居座る気満々だし、この先いったいどうなるの?

「敦賀さん。京子さんとの馴れ初めは?」
「やっぱりダークムーンの撮影の時ですか?なる仲良くなったの。」
「それとも事務所でバッタリ運命的な出会いを?」
「運命的な出会いをしたのは確かだけど。」
「やっぱり!」
「聞きたい?」
「もちろんっす!」
「じゃ耳貸して。あっ、これは放映NGね。」

敦賀さんの回りに元々集中していたけれどさらに小さな円になっていく彼ら。

敦賀さん……あれを話す気ですか。

事務所でバッタリあった時の彼との出会い。
お世辞にも良好とは言い難い状況だった。
むしろ最悪な出会いの場面。
ショータローのポスターの隣りに憎しみ込めて小さめのポスター貼るくらい最悪だったんだから!!

「………。」

あえて輪には加わらなかった私。
ボソボソと小さな声で語られて私には聞こえてこない。
あんな出会いの場面を思い出したくはないから聞かなくていいけど。

「おおっ!」

驚くスタッフさん達。
そりゃ驚くわよね。
あの敦賀蓮が、女の子に意地悪してたなんて。

「敦賀さん!感動です!」
「俺…泣けてきました!」

は?

「運命だよね。こんな出会い。」

どこが!
ショータローの次に憎たらしい男と認識させたあの出会いのどこが感動的なのよ。

「俺も始めて聞いたぞ。」
「今、始めて打ち明けましたから。」
「いいのか?」
「……まぁ、そのうち明かしますから。オフレコでお願いします。」

何を明かすといいのか。

考えている間に小さな輪は解散し、今は残った料理の争奪戦が始まっていた。

「はい。キョーコ。あーん。」

キョ…ーコ?
敦賀さんの持つ箸には私が作った甘い卵焼き。
敦賀さんが、いつも美味しいと言ってくれる一品だ。

食べて。…と仔犬ばりの可愛らしさで見つめてくる敦賀さんに根負けし、ハムっと口に入れた。

「美味しい?」

こくこく頷いて見せると、敦賀さんもニッコリ微笑む。
本当に幸せそうに笑っている。

「敦賀さんも食べて下さいね。さっきからお話しばかりして箸が進んでませんよ。」
「うん。君の料理を自慢したかったから。」
「嬉しいですけど。食べるのが先ですよ。はい。どうぞ。」

敦賀さんの為に取り分けたものから卵焼きを一つ箸で摘まんで口元に差し出した。

「………。」

驚いた顔の敦賀さん。
………やったわ。
さっきのお返しよ。
恥ずかしがればいいんだわ。

そんな私の考えなど、天高く突き抜けている敦賀さんには届かなかった。
それどころか、宇宙の果てから爆弾を投下してきた。

「新婚夫婦みたいだよね。こういうの。」

今まで、妻だ、なんだと言っておきながら、今なんで薄っすら顔を染めて言うんですか!
何を照れてるの?
私の方が恥ずかしいじゃないですか!

そんな光景もカメラはバッチリ捉えていて、私は後で後悔するのだけど、今はまだ知らない。

とりあえず、喜んでくれてるからいいか。



ロケはまだまだ続く。







月華のの脳みそは茹で上がってます。
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たのしー!

なにげに自爆しまくりなキョコさん。

まともなツッコミは作者と読者担当なのですね!(`・ω・´)キリ

蓮とスタッフとキョーコの間で繰り広げられるおかしな(関係の)お話。

堪能させていただきました!
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げっか(月華)

Author:げっか(月華)
蓮キョ大好きです。
駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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