モノマネでいってみよーっ!リターンズ 1

人間、負けられない時がある。
何を投げうってでも成し遂げなければならない事がある。
何を引き替えにしたとしても手に入れなければならないものがある。

最上キョーコ。
頂点に君臨する愛しい君。
君を誰にも渡さない為に。
君を手に入れる為に。

やると決めたからには徹底的にやるから……覚悟して。



ステージのそでで自分の出番を待つ。

「蓮。いいのか?本当に……。」
「今更引き返せませんよ。これが最初で最後です。全力で行きます。社さん、後はお願いします。」
「あっ、ああ。頑張れよ。」

今回、この仕事でどんな反響が出てくるかは正直分からない。
本来、俳優敦賀蓮がやるべき仕事ではないのだ。
社さんにはいろんな意味で負担をかける事になるだろう。
それでも今回はどうしても譲れない。

最上キョーコを守る。

その為だけに、俺は今ここにいる。

彼女の純潔は俺が守ぬく!!
………もう純潔じゃないけど。

モノマネ王座決定戦で優勝を果たした彼女。
モノマネクイーンの称号を得た彼女の元に新たなるオファーがきた。

”モノマネ戦国時代天下統一大決戦
美しき覇者の愛を手にするなは誰だ?”

キョーコから番組タイトルを聞いた時、危機感を覚えた。
内容を聞いて殺意すらよぎった。

モノマネはトーナメント方式。
前回優勝者のキョーコはシード枠で後半からの登場。
対戦者との勝敗は審査員とスタジオの観客席の投票によって決まるらしい。

優勝者には豪華景品と賞金。
ここまでなら普通だが、キョーコに勝てばキョーコから祝福のキスがもらえるのだという。
しかも、勝利者の好みに合わせてメイクや衣装を変えてのキスの授与。
その衣装の出処はウチの社長だから衣装すら要注意だ。

もう形振り構ってなどいられない。
俺はステージに立つ。

モノマネ?

そんなものは朝飯前だ。
本物の俳優を舐めるなよ。

俺は昔大ブレイクしたドラマの主人公を演じる。

狂四郎……当時10代だった父が演じた不良グループのリーダーだった男。

スタントなし、特殊効果もなしで挑んだという族同士の抗争シーンは今でも伝説と言われる程の見せ場だ。
その表情、動き、気迫…どれをとっても十代の新米役者とは思えないと賞賛され、新人賞まで取ったのだ。

今の俺がそれを演じるには彼を超える演技を見せなければならない。
しかも既に成人した俺が十代を演じるのだから難しい事この上ない。

エキストラには格闘技のプロを頼んだ。
生半可な人間ではケガをするのが目に見えているからだ。
彼らに関しては年齢、見た目は要求していない。

強ければいい。
本気でかかってきてくれ。

指定はそれだけ。

社さんは青くなるし、依頼された側も難色を示したが、打ち合わせの時に手合わせをしたら、こちらの要求を飲んでくれた。

俺は役者、あちらはプロ。
俺が怪我を負ったとしても、責任は問わない。
その契約書も書いた。

プロを相手に本気で挑むのだ。
数発は覚悟しているが、仕事に支障をきたすような怪我はしない。

その為にも俺は全力で狂四郎を演じ続けた。



地に倒れた男達。
降り出した雨の中、立っているのは狂四郎ただ1人。

『狂四郎、あんたが育ててよ。可愛がってくれないと恨むわよ。』
『なんで俺がっ!』
『あんたに懐いてるからに決まってるでしょ!』

ケンカでは負けた事はない。
だけど、唯一勝てなかった人。

『この子の寿命は人間に比べたら短いわ。この子が私の所に来るまで可愛がってあげて。……お前に会えるのは今日が最後よ。でもお前が天国にくる時は私が迎えにくるから。』

手の中には今は亡き姉が可愛がっていたハムスター。
泥に汚れてはいるけれど、元気な様子だ。

「面倒かけやがって。…ハムスター取り戻す為に一人で乗り込むなんざ、いい笑もんはじゃねーかよ。」

空を見上げれば厚い雲に閉ざされた天。

「姉貴、こいつがそっちに逝くのはしばらく先じゃねーかな。」

雨あしは強くなるばかり。



「……っ!」
「つっ敦賀君?」
「はい。」

演技を終えた俺は息を整えながらいつものように笑んで見せた。

「良かったぁ〜〜。いつもの敦賀君だぁ。」

トーク番組で何度かお世話になった大物女性MCがホッとした顔でそう言った。

「別人かと思ったじゃないか。」

男性MCは同じ事務所の大先輩だ。

「少なくとも演技中は敦賀蓮ではないですよ。」
「しかし敦賀君ってケンカ強いんだね。」
「すごい大立ち回りでビックリしたじゃない。今まで映画でもあんなアクションはなかったんじゃない?……当時私もドラマに夢中だったのよ。まさかあのシーンを間近で見れるなんて思わなかったわぁ。」
「俺も見てた!原作も持ってるし、DVDも出たから買ったんだ。うわぁ〜、見たくなってきた!」
「それにしても、さすが俳優さんだよね。最後の雨のシーンなんてわ雨が降ってる様にしか見えなかったわよ。」
「もうとっくに成人してるはずなのにわさっきまではちゃんと少年に見えたよ。今はしっかり敦賀くんだ。学ラン似合うね。」
「そうそう、その学ランどうしたの?」
「特注品ですよ。既製品じゃ小さくて。」
「だよなぁ。さて、そろそろ採点を。よろしくお願いします!」

こうして一戦目は無事終了。
俺は次に勝ち進んだ。












また、この展開。
あほだ。私。
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