青天の霹靂 2

「敦賀さんのバカーッ!!もう大っ嫌い!!」



それは突然の落雷の如く俺の心を……俺の身体を突き抜けた衝撃。



LMEの事務所で愛しい恋人の姿を見つけた俺。
一週間ぶりに見た彼女の姿に俺は今すぐ抱きしめたい衝動にかられた。
だけど、こんな場所では彼女が嫌がるだろうから、何とか押さえ込んだのだ。
衝動を堪えに堪えた。
それだけ彼女が大切だから。
逢いたかった。
彼女のいない一週間はきつかった。
干からびるかと思ったくらいだ。
毎日電話もした。
声だけでも聞きたかったから。
何故か、ゆうべは……通じなかったのだけど。
でも、いい。
今、ここで彼女そのものに逢えたのだから。

「キョーコ。会いたか……。」
「敦…賀さん…な………い!」
「え?キョーコ?」

何だ?
彼女の様子がおかしい。
何だ?この感じは!?
前にも覚えが……。



「敦賀さんのバカーッ!!もう大っ嫌い!!」



俺の脳はショートした。
それでも彼女の元に歩み寄れたのは本能か。
彼女の腕を掴めたのは危機回避能力が無意識に働いたのか。



「敦賀さんなんか嫌い。嫌い。嫌い。」

そればかり繰り返す彼女を捕まえて、理由を問いただすも、返ってくるのは「嫌い。」の単語だけ。
辺りを見回すも、カメラで覗かれている気配はない。
社さんを見ても「俺は知らないぞ。何もしてないぞ。 」と必死に訴えているだけ。

では何だ?
俺の幸せを脅かすものは何だ?

「キョーコ、落ち着いて。ラブミー部の部室に行こう。今日は報告に来ただけで、後はオフだから。それとも俺のマンションに来る?」

フルフルと首をふる彼女。
こんな風に彼女から拒まれた事などかつてない。
ショックを受けながらも彼女を手放したくなくて、そのまま抱き上げた。
すると急に大人しくなって、俺の胸に顔を埋めた。

仕事はもう終わりだし、彼女も仕事を放棄して俺に会いに来るような事はしないから、オフなのだろう。
俺は社さんに断りを入れて、彼女とともにマンションへ帰る事にした。



車の中で彼女は一言も発しなかった。
不安そうな表情でシートで丸くなっている。



何があったと言うのだろう。



とにかくマンションに帰ろう。
過ごし慣れたはずの俺の部屋で、彼女のお気に入りのクッションを置いて、彼女の好きなミルクティーを煎れよう。
そして、彼女の不安を取り除いてあげよう。
そうだ、この際だから一緒に暮らす事を提案してみよう。
今回だってきっと何かのすれ違いなんだ。
一緒に暮らしていれば、何かあってもすぐに解決できる。
……だから、俺達は大丈夫。
俺が君を守るから。



マンションの地下駐車場に車を停めて車を降りる。
助手席側に回り込んでまだ車から降りようとしない彼女をシートから掬い上げた。



愛しい、愛しい君。

どうか、嫌いだなんて言わないで。
俺には君だけなんだ。



彼女を抱えたまま、エレベーターに乗り込む。
幸いにして誰にも邪魔される事なく最上階に辿り着いた。



リビングのソファーに彼女を下ろす。

「少し待っていて。」

不安そうな彼女にそう言い置いてキッチンへと入った。

お湯を沸かして彼女と自分の分のマグカップを用意する。
俺はコーヒー。
彼女はミルクティーだ。
小さなミルクパンにミルクを注ぎアッサムの茶葉を入れる。
沸騰したら茶こしを通してカップへ。
かわいらしい小皿にティースプーンを置き、ハート型の角砂糖をのせてほんの少しだけブランデーを染み込ませた。
もう片方のカップには俺の分のコーヒーも注ぐ。
もう慣れたものだ。

トレイに乗せて彼女のいるリビングへ。
彼女はお気に入りのクッションを抱いてソファーにうずくまったままだ。

「お待たせ。はい。ミルクティー。」

本当にどうしたの?
俺は君の笑顔が見たいよ。
会えなかった一週間、君の笑顔をみる為に頑張ったと言ってもいい。
お願い、笑って。
君が笑顔になれない原因があるなら、二人で取り除こう。
俺は君の為ならどんな努力だってするよ。
だって俺は君がどうしよーもなく好きだから。

「これ飲んで落ち着こう。あったまった方がいいからお砂糖に少しだけブランデー垂らしてあるよ。」
「…………。」
「どうしたの?」
「飲めません。」
「え?ブランデーダメだった?……ちょっと待って普通のに変え……。」
「あっ……違っ……。」

彼女の手が俺の腕にしがみつく。
それはまるで”離れないで”と主張しているようで。
俺はそんな彼女が無性に愛しくて、彼女の隣に据わり直し、その細い肩を掻き抱いた。

「何があったの?」
「………ないの。」
「え?」

小さな小さな聞き流しそうな彼女の声。

「……………。」

もう一度聞いても同じにしか聞こえなくて。

「キョーコ。本当?」
「でも、遅れてるだけかもしれないし。」

そう、彼女が不安になっていた理由はそれだった。

こうしてはいられない。

「つっ敦賀さんっ!?」

俺はスマフォを手にとり、病院を検索し始めた。
いや、こういう時は社長か?
あの人ならこっそり診てくれる腕のいい医者を紹介してくれるはず。

いや、それより、キョーコだ!
こんなカフェインの入った飲み物なんかダメだ。
アルコールなんて以っての外だ。

ああ!
一体、何から手をつけたらいい?

こんな時の対処に躓くなんて、ダメだろう!!

彼女を不安にさせるなんて、男として情けなさ過ぎるだろう!!

彼女がどれだけ不安だったか考えるとやるせない。

ごめん。

ごめん!

キョーコ!!

「……痛い。」
「……えっ?」
「づる゛がざん゛……吐くぅ……。」
「えっ!?」

彼女はお腹と口元を押さえてヨロヨロと立ち上がる。

「キョーコ?どこいくの?」
「お……手洗い。」

俺は彼女を抱き上げてトイレに駆け込んだ。

「つ……敦賀さん。」

苦しそうな彼女の背を摩る。
……やっぱり間違いないのか。

「つ……敦賀さん、ポーチ持ってきて。」

ポーチ?

「それと……お水、お願いします。……うっ。」

慌てた俺はリビングへと引き返し、彼女のバッグごと手にして彼女の元へ。
それからすぐにトイレから追い出された俺。

数分後、グッタリとして出て来た彼女を抱えてベッドルームに運んだ。

彼女ご所望の水を運ぶと苦しげながらもホッとしたような彼女の顔に出会う。

「敦賀さん。ごめんなさい。」
「うん。大丈夫だよ。……鎮痛剤、飲めそう?」
「はい。」
「じゃ、噎せないようにゆっくりね。」

コクリと水と一緒に飲み下されたのは彼女愛用の鎮痛剤。

始めはつわりかと焦ったが、どうやら、遅れていた月のものがきたらしい。

でも、君には悪いけど、少しだけ残念だったかなぁ。

「ごめんなさい。敦賀さん。私。」
「何言ってるの?」

君を不安にさせたのは俺で間違いはないんだから。
俺がもっとしっかりしないといけないんだ。
今のままでは君を不安させてしまうばかりだ。
君が不安にならないように。

君が笑顔でいてくれるように俺は最善を尽くすよ。



「キョーコ。一緒に暮らそう。」
「はい。」



「俺と結婚して下さい。」



彼女の答えは?



それは小さな…小さななか細い声。



でも、俺は聞き逃さない。



微笑む彼女を抱きしめた。



明日。
社長に会いに行こう。
そして彼女との事を報告しよう。
父さんと母さんにも言わなきゃ。
社さんには冷やかされるかな。でもあの人の事だから胃に穴あけてでも時間つくってくれそうだな。……倒れられたらまずいけど。
琴南さんにはヤキモチ妬かれるかなぁ……彼女は俺の永遠の恋のライバルだから。
だるまやのご夫婦にもご挨拶いかないとな。”結婚する事になりました”じゃ普通過ぎるし、やっぱり”お嬢さんを下さい”かな?



愛する彼女を抱きしめて、その温かさに眠りを誘われた。



いつか本当に身篭ってくれた時、君が笑顔でいてくれるように。



今度、俺の心に落雷を落とすなら、もう少しお手柔らかに頼むよ。
そうだなぁ。
……一人だと思ったら双子だった……くらいでお願いします。
それも大変だと思うけど。







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(」゜□゜)」
あっぽちっと頼みます。
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