《京子》を罠にかけろ〔前編〕

ひゃっほーい!!
大御所思考の森の旅人様でキリバン踏みました~。
やったーーーっ。
もしかしたら、リクエストしたの初じゃない??
多分おそらくきっと。
あほな月華のしょうもないリクエストですんごい小説が……。
お持ち帰りのご了承いただき、自ブログでの掲載もご承諾頂きました。
やった!!
読んでない人はいないでしょう。でもまた読んで~。
もう素敵で幸せな気分です。
ではではどぞ。

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《京子》を罠にかけろ〔前編〕


テレビ局内で次回からの出演ドラマの打ち合わせに出向いた蓮と社は、首尾良く一仕事終えて駐車場に向かって歩いていた、しかし急に蓮がどこかを見ながら足を止めた為、見送りの為に一緒に付いてきていたプロデューサーが怪訝な表情で声をかける。

「敦賀さん、何か気になるものでもありましたか?」
その問いかけに、蓮は壁に貼られたポスターを指差しながら口を開いた。
「そう言えば、こちらの局のゴールデンタイムのドラマに、今度京子が主演するんでしたね」
「……はい、そうですが。それが何か?」
近頃耳にした噂を思い出したプロデューサーが慎重に尋ね返すと、蓮は如何にも惚れ惚れした様な口調で同意を求めて来た。

「このアングル、良いですよね?彼女はこの斜めの角度から見た時、一番魅力的だと思うんですが。そう思いませんか?」
「はあ…、私もそう思います」
「そうでしょう?」
「おい、蓮!さっさと移動するぞ!?」
「ああ、こちらのポスターの表情も良いな」
これ以上変な事を言い出さないうちにと、慌てて社が腕を引っ張りつつ蓮を促したが、本人は素知らぬふりで話を続ける。それに僅かに顔を引き攣らせつつ、プロデューサーが申し出た。

「……宜しかったら、担当者に口を利いて、一枚ずつお渡ししましょうか?」
「宜しいんですか?」
「はい」
「それは良かった。彼女にあげたら絶対喜びますよ」
「……いえ、それでは近日中に社さん宛てに送りますので」
そんなやり取りを聞いて、社は心の中で心底呆れた。
(何が『彼女が喜びますよ』だよ、このナチュラルホラリストがっ!!如何にも優しい先輩の気遣いを装って、自分が飾っておく為に確保してるだけだろ!キョーコちゃんが恥ずかしがってこの手の類の物をくれないからって、手当たり次第に関係者に声をかけまくって)
そして清々しい笑顔で機嫌良く歩き出した蓮の後ろで、小声で会話を交わす男が二人。

「社さん……、京子さんは主演女優だから、自分で欲しいって言えば幾らでも現場で入手出来るだろ?」
「すみません、申し訳ありません。あからさまな嘘吐き野郎で」
「他の番組スタッフの話を小耳に挟んでたがな……、一応付き合ってるのを隠してるんだろ?だけど京子の方はともかく、彼の方は本気で隠す気ないよな。あんたも苦労するな……」
「……ご迷惑おかけしてます」
平身低頭の社は冷や汗を流しつつ、その日もあちこちで担当俳優のフォローに勤しんだのだった。

同じ日、キョーコは都内某所でロケに挑んでいた。
「……今回のぶらり小道探索は、ここ妙蓮華寺、にお邪魔して、います」
キョーコが語りを一瞬つかえさせると、離れた場所から様子を窺っていた長瀬の眉がピクリと動く。

「石灯籠は通常であれば同型の物を並べるのが普通ですが、こちらでは設立した時代ごとの異なる形式の物を連立させている、のが特徴、です」
そしてここで何を思ったか、キョーコが僅かに顔を赤くしてしまった為、長瀬は腕を組んだまま疲れた様に溜息を吐いた。
「加えてこちらでは襖絵の双鶴の図が重要文化財として有名で、雌雄の鶴が優美に羽、っを……」
「はい、カッ~ト!京子ちゃん、ちょっともっと滑らかに解説してくれるかな。ちょっと休憩入れて説明文を確認して」
「すみません」
中断の声がかかり、しおしおと自分の所に戻って来たキョーコの頭を、長瀬は丸めた資料の束で軽く叩いた。

「何やってんだお前」
「うぅ、すみません。『れん』とか『つるが』とかの言葉に気を付けなきゃと思うと、逆に変に意識しちゃって……」
ボソボソと弁解するキョーコに、長瀬は呆れ果てた様な表情を向けた。
「…………もういい加減公表しろ。事務所では勝手にしろって言ってんだろ」
「嫌ですよっ!敦賀さんの相手が私だって知られたら、恥ずかしいじゃないですか!?」
「しょうがねえなぁ……」
深々と溜息を吐いた長瀬は、顔付きを改めてキョーコに向き直った。

「『交際相手を隠してる京子』だから変に意識するんだ。ちょっとここは役に入っとけ」
「は、入っとけって言われてもですね!」
「名キャスターとして名高い、工堂杏子は知ってるよな?」
「勿論です!あの冷静沈着な語り口、鋭く切り込めるだけの知識、加えて場を白けさせたりしない穏やかな人柄。富士テレビ看板キャスターとしての名に恥じる物ではありません!ついこの間引退されたのが、本当に惜しまれます」
握りこぶしで力強く同意したキョーコを見た長瀬は、薄く笑いながら彼女を促した。
「その工堂杏子になって、ここをリポートしてみろ。彼女だって下積み時代は、レポーターをやってたんだぜ?」
「分かりました!」
そうしてキョーコが暫くブツブツと呟いていると、スタッフから収録再開を告げられた。

「京子さん、大丈夫ですか?そろそろ収録を再開したいのですが……」
「はい、分かりました」
そして先程の動揺など微塵も表に見せず、キョーコは背筋を伸ばして指示した位置まで歩いていった。そしてスタッフと二・三のやり取りをしてから、ゆっくり歩き出しつつレポートを始める。

「……今回のぶらり小道探索はここ妙蓮華寺にお邪魔しています。こちらに並ぶ石灯籠をご覧下さい。石灯籠は通常であれば同型の物を並べるのが普通ですが、こちらでは設立した時代ごとの異なる形式の物を連立させているのが特徴です。時代ごとの変遷が一目で見れて、なかなか興味深いですよね?加えてこちらでは襖絵の双鶴の図が重要文化財として有名で……」
先程の挙動不審っぷりが鳴りを潜め、順調に笑顔で収録を進めて行くキョーコに長瀬は安堵の息を吐きだした。
そしてその後はリテイクせず無事終了し、スタッフ達がキョーコを囲んで挨拶をし始めると、カメラ担当の男が長瀬の所にコソコソとやって来て声をかけた。

「マネージャーさん。ちょっと良いですか?」
「はい、何でしょうか?」
「京子さんと敦賀さんが付き合っているって噂は、本当なんでしょうか?」
「……本当ですが、事務所としては公表しない方針なので、口外はしないで頂けますか?」
殆ど確信している様な表情と口振りの問い掛けに、隠すつもりはなく長瀬は正直に答えた。すると相手が苦笑いで頷く。

「分かりました……。ですが、敦賀さんの話題とか、敦賀さんを連想する話題が出ただけで、京子さんがあんなに照れくさそうにして頬を染めてますから、ある程度鋭い人間は分かってますよね?俺は一応しっかり聞いて、止めを刺して貰いましたが」
「……何か色々すみませんね」
「余計な事かもしれませんが、何も知らない若いのが変な誤解してアタックして玉砕しない様に、早めに公表して貰えませんか?」
「事務所として検討させて貰います」
「宜しく。それでは失礼します」
そう言って哀愁漂う背中を向けた男に、長瀬は頭痛と居心地の悪さを覚えていた。

そんな2人の態度に、他にも色々と迷惑被っていた社と長瀬が遂に雁首揃えてローリィの元に直訴に及んだ。
「社長……、最近、現場で俺達に対する風当たりがキツいんですがね?」
「正直限界です。何とかして貰えませんか?」
神妙な態度でそんな事を訴える精神的疲労が激しいマネージャー2人に、ローリィが呆れた表情で言い返す。
「何だお前達、揃ってシケた面しやがって。俺に何をどうしろって言うんだ?」
「「事務所から、蓮と京子の交際宣言を出して下さい」」
見事にハモったその声に、ローリィは若干不満げに眉を寄せた。

「ほぅ?俺としてはそれは一向に構わないが、最上君が公表を嫌がって断固として拒否してるから、事務所として方々に圧力かけてるだけなんだが?京子を説得すれば良いだけの話だろうが」
正論を繰り出したローリィに、切々と訴える2人。
「説得出来ないから言ってるんですよ!蓮の奴、無理強いしたら嫌われるから嫌だとかぬかしてますし」
「ごく偶にですが、共演した時なんかもう現場でピンクオーラだだ漏れで、恋人同士の空気醸し出してて、真面目にフォローする気にもなりません」
「バレて無いと思ってるのは、業界内ではキョーコちゃんだけですよ。流石に一般人にはまだ流れていない様ですが」
「スタッフ達からも『バカップルオーラに当てられるだけじゃなく、部外者に漏れない様に気を遣わなくちゃいけなくて疲労感倍増なんです。もういい加減にして下さい!』と毎回責められてるんですよ」
そんな事を口々に訴えられたローリィは、顎に手をやりながら一見真面目な顔で考え込んだ。

「ふん……、なるほどな…」
そしてすぐに何か思い付いたらしく、ニヤリと笑いながら口を開いた。
「じゃあ本人からバラして貰うしかあるまい?」
「どうやってですか?」
「蓮の奴なら嬉々として交際宣言だろうが熱愛宣言だろうがやるに決まってますが、問題は京子の方ですよ?」
怪訝な顔をした社と長瀬に向かって、ローリィは軽く手招きする。
「……考えが無い事も無い。お前ら、ちょっと耳を貸せ。それから死ぬ気でスケジュール調整をしろよ?」

そうして、〔《京子》自ら熱愛宣言をさせるプロジェクト〕がLME主導の下、多数の方面からの支持を受けて始動したのだった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

何故か近日中スケジュール変更が多く、慌ただしい日々を送っていたキョーコだったが、その日蓮と共演する事になって、朝から密かに機嫌が良かった。
「ふふっ……、共演なんて久し振りですね、敦賀さん」
《やっぱ気まぐれロック》に久しぶりにゲスト出演したキョーコは、収録開始直前にセットの隅でさり気なく横に立つ蓮に囁きかけると、蓮は苦笑気味に返して来た。
「まあ、ね。せっかくの共演なのに、その素っ気ない態度が胸に痛いけど」
「どこか素っ気ないんですか?」
「常に50cm離れている状態を、『素っ気ない』とか『他人行儀』とは言わないのかな?」
「仕方ないじゃ無いですかっ!どこで誰の目があるから分からないんですから!」
観客席の目が有り、笑顔のまま小声で叱りつけたキョーコだったが、蓮も笑顔を振り撒きつつ前を見ながら愚痴を零した。

「……つまらない。楽屋でも指一本触らせて貰えなかったし」
「あああ当たり前ですよっ!良いですか?仕事中は同じ事務所の先輩後輩の立場に徹して下さいね!?」
「……ご褒美」
「はい?」
「ちゃんとできたらご褒美って、相場が決まってるよね?」
「……うぅ、わ、分かってます。明日は午後からオフになりますから、蓮の食べたい物を作って待ってるから」
「俺が一番食べたいのはキョーコだから、身一つでも構わないよ?」
「食事はするんです!そんな事を言ってると、ご褒美じゃなくてお仕置きものですよ!?」
「キョーコのお仕置きだったらされてみたいな……」
「真顔で何バカな事を言ってるんですかっ!?」

二人とも観客席の方を向いたまま、更に笑顔を振り撒きながらの会話の為、一般客にはその内容が分からないものの、テレビ局スタッフに対してはダダ漏れ状態であった。
キョー コは聞き取れない程度の声で喋っているつもりなのだが、他の男を牽制しておきたい蓮が要所要所でキョーコを煽って自然に他の人間の耳に入る様にしている 為、はっきり言って公害状態である。そんな状況を認識していないのは、今では業界関係では殆どキョーコのみという有り様だった。

「あ~も~、本当にいい加減にしてくれよ、このバカップル……」
2人から少し離れた所で輪になっていたスタッフの一人が思わず愚痴を零すと、MCのブリッジ・ロックを筆頭に番組スタッフのうんざりとした囁き声がその場に満ちた。
「周りには聞こえないと、本気で思ってんだろうな~」
「2人の世界に入っちまってるしな」
「流石に観覧席までは聞こえて無いから、一般人には流れないし」
「敦賀さん、絶対面白がってるだろ?」
「京子ちゃんも『私なんか敦賀さんの相手としては分不相応です!』っていつまでも言ってないで、ちゃんと現状を認識してくれたらなぁ……」
そんな愚痴を一通り耳にしてから、真剣極まりない表情でディレクターが口を開く。

「……皆、今日は分かってるな?LMEから全面OKは出てるんだ。今日、ここで白日のもとに晒して、一気に気鬱のネタを解消するぞ!裏番組のスタッフからも激励のファックスが届いた位だからな」
重々しい口調で確認を入れたディレクターに、その場の全員が無言で頷いて決意のほどを示したのだった。

〔後編に続く〕
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