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エレベーター 第二部 (1)

(Sideキョーコ)

いつものように敦賀さんに送ってもらい出勤した私を待っていたのは、仁王立ちした上尾先生だった。

「おはようございます。最上先生。」
「おはようございます。上尾先生。」
「少しお話しがあるので、よろしいかしら?」

何か…やっちゃったかしら?
もしかして……あれかしら?
ショータローが現れて敦賀さんと揉めたのは昨日の事。
校門前だったし、児童達は既に帰宅した後だったけど、音楽祭の準備でまだ残っている先生方もいた。
学園の周りには民家やマンションも点在していて人目もある。
当然、私達の様子を見ていた人達もいたわけで。

どうしよう、どうしよう、どうしよう!敦賀さん!!

影の女ボスとも言われる上尾先生に連れられて、彼女がよく使用する職員室隣の応接室…通称『君子の部屋』に入る。

「お座りなさい。」
「はい。」

ショータロー。
覚えてなさい。
ツケておくんだから。

「最上先生、相変わらず早い出勤で、いい心掛けですね。」

これは嵐の前の静けさなのよ。
来る!
必ず来るわ。

「最上先生は教師とはどうあるべきだと考えていますか?」

きたーっ!!

「最近、弛んでいませんか?毎日派手な外車で出勤。…まあ、それはいいでしょう。あなたも結婚を考えてもいい歳だし。しかし、規律を厳守すべき学び舎の前で、昨日のようなマネは困りますよ。」
「………。」

それから続いたお小言。
確実に時間の許す限り言ってくるわ。
早目に出勤してるとこういうこともあるのよね。

「ところで、結婚は考えているの?」

えっ!?結婚なんてまだ先の事で…。

「仲人は誰に頼むつもりなのかしら?校長はまだお若くてご結婚もまだだし、椹教頭しかいないわよねぇ。」

だっだから、上尾先生、まだ結婚は……。

「あら、まだ結婚はしないの?まさか、式は挙げないとか言わないわよね?」

ですから、お付き合い始めたばかりで、まだ、そんな……。

「毎日、送り迎えして貰ってるみたいだけど、まさか結婚も考えてないのに同棲しているなんて事は言わないでしょうね?」
「まっまだ、お付き合い始めたばかりなんです。彼は同じマンションで、LME学園高等部の教師なんですよ。」
「あら、まぁ、そうなの。どこかで見たことがあると思ったけど、高等部の教師なのね。」
「はいっ!」
「安心しました。同じ教師同士、節度を持ったお付き合いをなさい。とにかく今の若い人は…………中略……………………………………………以下略。……割愛。)」

話しが終わった頃にはすっかりグッタリして自分の席に着いた。

「大変だったわね。」
「朝からお疲れ様。」

隣の席の百瀬先生と向かい側の大原先生が声をかけてきた。

「上尾先生…キョーコ先生に紹介したい男性いたみたいで昨日、ブツブツ言ってたのよね。それで尚更ご機嫌損ねちゃったようね。」
「大原先生……それ初耳だわ。でも、上尾先生、キョーコ先生がお気に入りだったし。」

そんな事……聞いてません。
良かったぁ~。
上尾先生に直接断るなんて怖いもの。

「でも、あの男性どこかで見たような……。」
「私、知ってるわ。」

えっ!?
どうして?
そういえばアイツあれでも芸能人だったんだわ!!
ショータローだってバレたの?
一応、ばれにくいかっこうはしてたはずだけど、わかる人にはわかるのかしら!?
焦る私。
そんな私の心を知ってか、知らずか判断できないけど、大原先生がにこにこ笑って言った。

「LME学園高等部の敦賀先生よ。」
「ええっ!?あれで先生なの?どっかのモデルか金持ちの坊ちゃんかと!?」

あっ…敦賀さんの方なのね。
え~っとぉ~~、百瀬先生、確かに敦賀さんはお金持ちのご子息のようだけど、”坊ちゃん”
という単語はふさわしくないような。←ツッコむとこ違うのはお互い様。
でもショウタローの事じゃ無くて良かったぁ。
とにかく今日は参ったわ。

「もう一人もどこかで見たような……。」

大原先生……思い出さなくていいです。

「そうなのよね~。」

百瀬先生までその話題はやめて下さ~い!!
顔は笑顔を貼付けたまま、内心は汗だく。
悟られてはいけない。

「ただの幼なじみです。」

あいつがミュージシャンの不破尚だなんてばれるわけには。

「そうなの?」
「敦賀先生と幼なじみが職場前でガチンコバトルね、こんなドラマみたいな事目にするなんて思わなかったわぁ。」
「そんな百瀬先生も貴島先生にデートに誘われたんですって?」
「えっ?デート?違うわよ。ただ“子供達の教育について話しませんか?“って言われただけで。」
「あら、そうなの?それなら私も誘われたわ。貴島先生って顔に似合わず、教育熱心なのね。」

大原先生、百瀬先生……それ確実に口実です。
実は私も貴島先生に同じように誘われた事がある。
敦賀さんとお付き合いするようなってから、いろいろ分かった事がある。
モー子さんにも散々注意されたし、敦賀さんには”危機感が足りない”と指摘され身を持って指導された。
男の人が何を考えているのか……。
貴島先生曰く”結婚したらたくさん子供がほしい”との事。
真意を知る前は”子供が好きなのね”と思ったものだけど、それだけじゃない事を敦賀さんに教え込まれた。
やっぱり敦賀さんじゃないと嫌だわ。
好きな人とじゃなきゃ無理よ、あんな事するなんて。
とにかく、いろいろ考え直さなければいけないのかも。
上尾先生の話しも、もっとなだけに何も言えないのよ~っ。
教師らしい行動かぁ。
そうよね。
慎まなきゃ、子供達に示しがつかないわ。
カバンにしまい込んだピンク色のカードキー。
敦賀さんの部屋の鍵。

『引越しいつにしようか。』

すぐにでもと思ったけど……もう少し考えた方がいいわよね?
私達、結婚もしていないのよ。
お付き合いだって最近始めたばかりだし。
彼の事はすごく好きだし、将来を考えるなら彼しかいないと思ってるわ。
でも……私達……模範となるべき教師なのよ。
敦賀さんなんか、思春期真っ盛りの高校生を受け持つ身なのよ。
あっ……でも、私、敦賀さんともうやっちゃって……………!
いやぁーーーーーっ!!
”やっちゃって”なんてなんて事言うの?
私ってば、破廉恥よぉーーーーーっ!



とにかく……今日、敦賀さんと話し合ってみよう。



そんなこんなで時間は過ぎて、間近にせまった音楽祭の打ち合わせも済み、敦賀さんに連続を入れた。
予定通りハンバーグの美味しいレストランに行った。
店内はオシャレだし、お料理の盛り付けもキレイ。
私好みの半熟卵乗せのハンバーグは本当に美味しくて、目の前には大好きな敦賀さんがいて、これ以上になく幸せな気分だった。
コーヒーは家でゆっくり飲もうかて敦賀さんさんに言われて、帰宅の途につく。

……あっ、そういえばまだあの事、言ってない。
なんて切り出そうかしら?
私の思考はいつの間にか、それ一色になっていた。
気付いた時には私達はマンションの地下駐車場に着いていた。

「…ーコ!聞いてる?キョーコ!ちょっと、キョーコ。何を考えてるの?百面相していないで返事くれないかな?」

そうだわ、敦賀さんが一緒にいたのに私ったら。

「どうしたの?何かまた心配事でもあったの?……ここで話しづらいなら部屋に行ってから聞こうか。」

車から降りてエレベーターが来るのを待つ。
そんな敦賀さんに対し、私が出した結論は。

「敦賀さん!」
「うん。」
「結婚前の男女が一緒に暮らすだなんて教師という立場上、控えた方がいいと思うのですが!!」

―――チーン……―――

エレベーターの到着を示す電子音がいつもと違って聞こえたのは気のせいだろうか?

一度は開いたエレベーターのドアが再び閉まり、私達を乗せないまま上階へと上がっていく。

「…………。」
「…………。」

敦賀さんは何も言わずにまたエレベーターのボタンを押した。

――チン……――

程なくして降りてきたエレベーターへ敦賀さんに私の手を引かれたまま乗り込む。
笑顔がいつもよりキラキラしているのは気のせいかしら?
乗り込んだ後、彼が押したボタンは一つだけ。
7階のボタンだ。

この後、敦賀さんの部屋でゆっくり時間を過ごすはずだったのだけど、私の部屋で過ごすの?

敦賀さんと一緒に7階で降りる。
いつも敦賀さんの部屋に行っちゃうから、たまにはこういうのもいいわよね。
DARUMAYAのマスターにこだわりの自家焙煎の豆を分けてもらったのよ。
この時の為に専用のケトルも買ったし。
マスターのようには煎れられないけど頑張るわ。
お湯の温度にも気をつけないと。
バッグから部屋のカードキーを取り出してドアを開ける。
もう日課になった『ただいまのキス』。
それがいつもより、長くて濃厚だと感じたのは気のせい?

特別なコーヒーをこっそり揃えたペアカップで二人でゆったりとした時間を過ごす。
時計を見れば10時をさしていた。
ああ、もう、こんな時間だわ。

「もう、こんな時間だね。そろそろお風呂入ろうか。」

えっ?ここで入るの?
すごく狭いのに。

「はい。今、お湯張りますね。あっでも着替え…。」
「朝に取りに行くよ。」

朝に取りに行く?
でもパジャマとかないわよ?
下着だって……。

「教師が遅刻したら、それこそ示しがつかないからね。今夜は気をつけないとね。」

気のせいではないキラキラ5割増の笑顔が何かを告げている。

今夜は気をつけないとね?

何を気をつけると?

気をつけても……どうしようもない事がある。
そう知ったのはお風呂に湯を張り終えたすぐ後の事。



この日、エレベーターが最上階まで稼動する事はついになく、私は階段の上り下りよりも過激な体力の消耗を強いられる事になるんて思いもしなかった。



(2)へ






ども、月華です。
エレベーター第二部(1)やっとアップです。
どうもコメディーになる傾向の私です。
ミス・ルイーザ様のようにはいかないようです。
すいません、力不足です。
こんな展開はちょっとという方は是非とも私にお手本を!
私も書いてるよという方がいらっしゃいましたらご案内頂ければ、閲覧にお邪魔致します。

この続きもある程度出来てはいますが、次のお休みの日に更新出来るようにしたいと思っています。

ではではまた。



月華



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