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強く儚い者達 6《修正版》

気づけはいつもそばにいた。
王宮のそばにある花畑は私と彼の大切な場所。


うまく話せる自信が無い。
不確かな記憶をどう話せばいいというの?
カケラだけの真実をどう繋いで話せばいいの?
彼はどこまで信じてくれるだろうか。
不安は大きくなるばかりだ。
私自身にさえ確証の持てない出来事なのだ。
そう簡単に信じて貰えるはずかない。
でも確かな事がある。

「初めてここに来た時は私一人ではなかったの。」

それを糸口に少しずつ思い出していく記憶。
だけど、また少しずつ消えていく。
何かが私の記憶を削っていくのだ。
完全に消えるわけではない。
だから思い出しては、また削り取られていく。

「時々思い出すの。その方々の事。……名前も思い出すのだけど、何故かいつも忘れてしまうの。」
「みんな女性?」
「ええ。それも、以前から知っていた方々だった気がする。この島に来る前から知っていたのだと思う。」
「………。」
「いつも私をたくさんのお花で飾って下さったの。泣いている私を抱きしめて下さったのも覚えているわ。……その記憶だけは忘れないの。」

『キョーコちゃん。ごめんね。貴女まで巻き込んでしまった事を許してね。』

一人は小柄な女性だった気がする。
先に消えていったのは彼女だ。

『キョーコ。大丈夫よ。あの子が必ず貴女を……。』

一人はとても美しい人だったと思う。
私の記憶から薄れゆこうとする中、彼女の強い思いが私の心にその言葉を残した。

彼女達が残した言葉。
それが何を意味するかはあの時には分からなかったけれど、今なら分かるような気がする。

『あの子が必ず貴女を……。』

”あの子”……それがクオン様の事だと今、確信している。

「クオン様。私、クオン様が来て下さるのをずっと待っていたのだと思うの。」

それは間違いない事。

「キョーコ。帰ろう。」

ギュッと抱きしめてくれる温かい腕。
ずっと求めていたもの。
ずっと待っていた。
ずっと……。
だけど……。

「いいえ。帰れません。」

もう帰れない。
だってもう……。

「キョーコ!?」
「あの国にはもう私の居場所がない。」
「何を言ってるんだ!?君は俺の側にいてくれれば!」
「貴方には婚約者がいる。」
「俺が望んだ訳じゃない!俺と彼女は何でもないんだ!!」

何でもない。
そんな女性と貴方は……。

「クオン様、魔女は不実を許しません。」
「押し付けられたものに愛情を感じろという方がおかしいだろう!」
「婚約者には何も感じていないと?」

愛がなくても貴方は平気なの?
愛がなくても、私にも触れられるの?
涙が溢れそうになって必死にこらえた。

「キョーコ。そんな顔しないで。」

それなら私に触れないで。
必死にたえていた涙が、頬を伝い落ちた。

「泣かないで。」

それは貴方が嘘をつくから。

「俺を信じて。」

私だって信じたい。
貴方の私へ言葉が真実である事を。
でも、私は知っているの。
だって私は………。

「キョーコ。何が不安なの?俺は何でも話すよ。嘘はつかない。約束する。嘘をついた時は…俺を裁けばいい。魔女にはそれができるだろ?フワ家の王太子の様に。」

魔女は偽りを赦さない。
今、この瞬間にも魔女は貴方を見ているのよ。

「きっと魔女の方が知っているよ。俺と彼女の間には愛なんかカケラも存在しない事。俺はそういった意味で彼女には触れていない。魔女に聞いてみるといいよ。」

クオン様に押し倒されて、花の中に身を埋めた。
私を見つめる優しい眼差しが渦巻く蟠りを消し去っていく。

「女性経験がないと言ったら、それこそ嘘になる。もう何年か経つけど、そういう相手がいた事もあるよ。だけど、彼女とは何もないんだ。今は君だけだよ。信じて。ごめんね。君を忘れてしまって。」

彼の心に偽りはない?
彼と彼の婚約者は何の関係もない?
彼女の肌に触れた事がない?
じゃ、あれは何だったの?
水鏡で見たあれは何?
あれは間違いなく、彼の婚約者だった。



『黒の塔へ。』



頭の中に響く声。
魔女が呼んでいる。

”イヤ”

私の心が叫ぶ。

『黒の塔へ。』

一緒にいられるのは彼が、この島にいる間だけなの。
彼が帰ってしまったら、私はまた一人になる。
せっかく彼をわかり始めたというのに。

『黒の塔へ。』

無情な魔女からの誘い。

「キョーコ?」

心配そうに覗き込むクオン様の顔。

「君が望むなら俺は帰らないよ。」
「クオン様。」
「魔女にお願いしてみよう。」

『黒の塔へ。』

「はい。」



ゆっくりと降りてくるクオン様の口付け。
抗う事などできるはずもなく……受け止めた。









随分期間あけたなぁ。
修正しましたが、あまり変化なし。

これに懲りずにまたいらして頂けると嬉しいです。
ではまた。



月華


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