SCANDALOUS BLUE 〜逃げ惑う者〜

こちらには今まで掲載してなかった記事です。
そのため、順序正す為にこのシリーズの全記事を再アップしました。
……はた迷惑ですね〜。
すいません。
キョコ視点になります。
ごたごたはこれで最後。
よろしければ、どうぞ。


『SCANDALOUS BLUE 〜逃げ惑う者〜』



私を抱きしめる腕は、こんなにも温かい。
「敦賀さんのバカぁ……。」
彼の胸にしがみついて泣いた。
「ごめん。」
その声はとても優しくて。
「敦賀さんなんか嫌いです。」
いじっぱりな私。
「嫌わないで……俺を好きだと言って。」
「私……うぅ……ふ…ぅ……。」
……応えなければと思うのに……出てくるのは嗚咽ばかり。
心の通じ合わないまま、幾夜を過ごしただろう。
もう、この手を信じてもいいんだ。



恋を自覚した瞬間には失恋を知った。
この人の恋の相談にのっていた『坊』は私だったんだもの。
そんな彼を煽ったのも私。
……敦賀さんが振られるはずがない。
そう思ったから。
「大切なものはつくれない。」
そんな風に悲しげに言ったこの人を……煽って……傷つけたんだ。
彼は何も悪くない。
こんな関係になってしまったのも、私のせい。
きっと私が変に煽っちゃったりしたから。
だから、私への罰なんだと思った。
貴方に触れられる事に幸せを感じながら、貴方の心を得られない事に泣いた。
抱かれながら、泣いた。
好き。
好き。
貴方が好き。
でも、私の思いは一生、この人には届かない。



「貴方なんか好きになるんじゃなかった。……気付きたくなかった……。」



無意識に発した本音。
それをこの人に聞かれた。
私は全力で、その場から逃げ出した。
気づかなきゃよかったのよ。
私に手を差し伸べてくれるのも、私を助けてくれるのもいつも貴方で、その度に貴方の存在は大きくなって。
気が付いたら、どうしようもなく貴方を好きになっていた。
だから、貴方の心がなくても……私さえ貴方を好きでいれば、それでいいと思った。
だけど、現実はそんなに甘くなくて、貴方に触れられる度に私は追い詰められていった。
もう、この人に会うのはやめよう。
京都に帰ろう。
そう決めた。



エレベータに乗り込んで1階のボタンを押す。
振り返れば、必死な顔の敦賀さんがいた。
追いかけて来てくれたんだ。
……ありがとう。敦賀さん。
貴方が好きでした。
閉じていくドアの向こうの彼の顔は苦しげだった。
もういいの。
私は消えるから、貴方はもう私の事で苦しまないで。



エレベーターは階下へと降りていく。



………さよなら。



もう二度と会えないんだ。
敦賀さんのマンションやLMEの最新のエレベーターに慣れていた私は、このビルの旧式のエレベーターの速度をもどかしく感じた。
早く立ち去りたいのに。
ここにはもういたくない。
敦賀さんと……大好きな人に別れを告げた場所になんか、いたくない。
早く私を解放して。
早く私をこの辛さから解き放って。
小さな電子音がして、1階に着いたことを知らせる。
ここを出れば、もう……。
なのに、予想外の状況が開いた扉の向こうにあった。
『敦賀さん!!』
息を切らせて、必死な顔の敦賀さんがそこにいた。
ダメ。
ダメよ。
今、貴方に捕まったら私は……。
逆戻りなんて嫌。
貴方も私もダメになる。
ダメになる前に私は貴方から離れなきゃいけないの。
”閉”のボタンを何度も押したけれど、反応が遅い。
閉じはじめたドアは敦賀さんに押さえ込まれて、再び開いていく。



「逃がさないよ。」
優しい声が悪魔の囁きのように聞こえた。
この人はまだ私を虜にしたまま。
「……もう……やめにして下さい。もう嫌なんです。もう耐えられないんです。」
もう嫌なの。
貴方が好きで仕方ないのに、貴方が思っている相手は別の人。
身代わりはもう嫌。
私を見てくれないのが辛いの。
それくらい……貴方が好きなんです。
貴方は愛される事に慣れていないだけなんです。
今ならきっと貴方は、貴方が一番好きな人に思いを告げられるはず。
だから……。

「キョーコ。……君が好きだ。」

ありえない言葉を聞いた。
嘘。
だけど、否定するには貴方の目はあまりにも真剣で。
嘘じゃないの?
今までにないくらい強く抱きしめられた。
「好きだ。君を愛してる。」
嘘じゃない。
これは彼の本当の気持ち。
目が熱くなって、涙で視界が霞んでくる。
「敦賀さんのバカぁ……。」
彼の胸にしがみついて泣いた。
「ごめん。」
「敦賀さんなんか嫌いです。」
「嫌わないで……俺を好きだと言って。」
「私……うぅ……ふ…ぅ……。」
……応えなければと思うのに……出てくるのは嗚咽ばかり。
心の通じ合わないまま、幾夜を過ごしただろう。
もう、この手を信じてもいいのだ。
もう私は貴方無しでは生きていけない。
それが貴方の本心なら……。



逃げていたのは私。
愛する事を知らないで。
愛される事も知らないまま、ずっと逃げてきた私。
それを教えてくれたのは貴方。



「私は貴方が好きです。」



だから、お願い。
……私を愛して下さい。





SCANDALOUS BLUE というタイトルのままですが、前記事同様に中西さんの非常階段を元にしてます。
追われる者視点ですけど。


お粗末さまでした。



月華

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