*SWEET PERFUME*

お素敵SSはこの週末中は先頭に持ってきておく。
せっかくだもん、まだ読んでないという方の為にも。
是非是非よんで~。

SWEET!の美花様から頂戴いたしました、素敵SSです。
是非ご堪能下さい。



まずはいってらっしゃい。
そして蓮の香りに酔いしれて~。





蓮は、自宅マンションの最上階の位置に目線を向け、僅かだけれど灯りが漏れていることを確認し、その瞳をそっと緩めた。

そして蓮は、自室を目指して全ての動作を簡略化させる。

車の停車位置が少々斜めになっている気もするが、僅かなことなので今夜は許して頂きたい。
鞄を手にし、車外に出て、鍵をロックすると慌しくエレベーターへと足を向けた。


*SWEET PERFUME*


そんないつもの動作にも、自室を目指すエレベーターの扉の緩やかな開閉にも、自分の行動が阻まれているようで、気がせいでしまって仕方がない。

逸る心が自分を急かす。

そして、漸く辿り着いた自室のチャイムを鳴らして…

「敦賀さん、おかえ…わわっ!!」
「ただいま、最上さん。遅くなってごめん、いらっしゃい」

迎え入れてくれたキョーコの身体を、言葉が終わるよりも前にぎゅうっと抱き締めた。

今夜は、早くに仕事が終わるという彼女が、食事を作りに来てくれる日だったのだ。
早く会いたくて忙しなかった蓮の心が、目的地のキョーコに辿り着いて、漸く安堵の思いを噛締めていた。

そんな蓮のいきなりの行為に、一気に顔を真っ赤にしたキョーコが目を瞠る。

「つっ、敦賀さん!!こ、こんないきなり、どうしたんですか…!?」
「今夜はやっと会えるって、朝からずっと楽しみだったんだ。最上さん、会いたかった…」
「きゃーっ!そ、そんなセクシーな声で、耳元で囁かないで下さい…!」

抱き締める腕の中で、わわっ、とか、きゃーっ!とか、真っ赤な顔で声を上げている慣れない様子の彼女が愛しかった。

そしてそんなうろたえ振りが可愛らしくて、蓮はもっとキョーコをからかいたくなってしまう。

「最上さん…俺はこんなにも君に会いたかったのに、君は、違ったのかな」

少し拗ねた顔でそう言うと、キョーコの頬が更に真っ赤になって。

「勿論私もですけど、急すぎです!しかも、やっとって、一昨日もお会いしたじゃないですか…!」
「そんな、一昨日なんて昔すぎる」

あまりの可愛らしさに、結局は仕掛けた側の蓮が嵌ってしまい、その身体を強く抱きかかえる。

キョーコ好きだと自覚し、脇目も振らず一心に彼女を思い続けて約2年。

漸く。

やっと。

蓮は最愛の彼女を、この腕に抱き締められる権利を得ることが出来たのだ。


「もー敦賀さん!ご挨拶くらい、ちゃんと言わせて下さい。挨拶は人の基本ですよ!」

几帳面な彼女にめっと目線で怒られて、蓮は表情を崩す。
キョーコはどんな顔をしていても可愛いから、本当に困ってしまうのだ。

「はいはい、申し訳ありません、お嬢さん」
「敦賀さん、はいは一回ですってば」
「はい」

僅かに身を引いた蓮に、目元を、そして、唇を綻ばせたキョーコは。

「おかえりなさい、敦賀さん。私も、早くお会いしたかったです」

ふわりと花のような笑顔を浮かべて、そのまま蓮の胸に飛び込んで来た。
細くて柔らかな身体を受け止めた蓮は、幸せに笑みを零す。

「最上さん、ただいま。2日ぶりだね」
「ふふ、そうですねぇ」

嬉しそうに身を竦めるキョーコが愛しくて、蓮は彼女をもう一度抱き締めた。
頬に唇を寄せると、照れたキョーコがまた更に身を竦める。

可愛くて、愛しくて。

出来ればこのまま、真っ直ぐ寝室に連れ込みたいところ、なのだけど…

キョーコはまだ18歳。
高校への進学が1年遅れた彼女は、まだまだ制服姿の似合う高校生だ。

保護者の多い彼女を守る目線は数多い上…

当の蓮自身が、キョーコを大事に思いすぎて、今だまともに手が出せない状態なのだ。

今夜のこの逢瀬だって、時間に制限のあるものだった。
遅くなりすぎない時間には、だるまやへ彼女を送っていかなくてはいけない。

未成年のキョーコと交際をしているのだ、無責任な真似は絶対に出来ない。

付き合い始めて約半年。

蓮の出来たことといえば、頬や額、目元へのキス、そしてそっと重ね合わせるだけのくちづけと、この抱擁だけだった。

それでも、これで十分だと蓮は思う。

キョーコがそれを蓮へと許してくれる。

それだけでもう、蓮は幸せな気持ちになってしまうのだ。

宝物のような愛しい彼女とは、大事に大切に、そして慎重に、その関係を進めて行きたい。

蓮はこのキョーコとの関係を、一時のものにする気は毛頭ないのだから。

「あのですね、敦賀さん。今夜はだるまやのおかみさんが、たまには少し、敦賀さんのところでゆっくりして来たらいいんじゃないかって仰るんです。敦賀さんはいつもきっちり私を送り届けてくれるけど、それじゃ、あんまりゆっくり出来ないんじゃないかって」
「本当に?でも、君の帰りが遅くなると、大将が心配するんじゃない?」
「ふふ、大丈夫です。おかみさんが上手く説明しておくからって仰ってたし、普段のお仕事のときのほうがもっと遅いし。それに…」
「それに?」
「私も敦賀さんと、もっとご一緒していたいです。敦賀さんに、ご迷惑じゃなければ」

内緒話のように囁く腕の中のキョーコに上目遣いでそんなことを言われ、蓮は、眩暈にも近い感覚を覚えてしまう。

「迷惑なわけないじゃないか…俺だってもっと君と、一緒にいたいんだから」
「…敦賀さん…」

目線を絡めた蓮とキョーコは、2人一緒に表情を綻ばせて…

そのままそっと、唇への触れ合うだけのキスを交わす。

柔らかな感触が名残惜しく、ほんの少しだけ吸い上げるようにして唇を離す。

ちゅ…と言う秘めやかな音に、キョーコが恥ずかしそうに笑って見せた。

…こんなに幸せで、いいのだろうか…?

瞬く間にキョーコの可愛い魅力に夢中にさせられつつ、蓮は思ってしまう。

この、えも言われぬ幸福な時間を守るためなら、何を投げ出してもいいとすら思えて来る。

その幸福さを噛み締めながら、軽く背伸びをしたキョーコの細い身体を抱き締め、キョーコの首筋に顔を埋めて…

ふわりと香った香りに、蓮は思わず目を瞠る。

キョーコの身体から、すっきりとした、ほのかに甘い香りが立ち上ったのだ。

彼女本人に夢中でこれまで気付くことか出来なかった。

今になって漸く、他のことに頭が回り始めたようだ。

「最上さん、この香り…」
「あ、分かりましたか?」

瞳を覗くと、頬を染めたキョーコが面映そうに笑う。

「今日は午後から事務所に顔を出して、部室でモー子…琴南さんと書類の処分をしていたんです。それで、事務所からこちらに来たんですけど…事務所を出る前に、琴南さんの香水を少しだけ借りたんです。香水って、ちょっと憧れてたから」
「ああ、琴南さんの」

照れ臭そうなその笑顔に目線を奪われつつ、なるほどと納得がいった。

どこかで嗅いだ気もすると思ったが、彼女のものならそれも分かる気がした。

キョーコと付き合えるようになってから、彼女の親友の奏江とも接触する機会が増えたのだ。
その際に、記憶に残ったのかもしれない。

今夜のキョーコの薄化粧は、普段よりも更に、綺麗に仕上げてあった。

もしかすると、今夜のために…

蓮のために、部室で丁寧に、化粧直しをして来てくれたのかもしれない。

仲のいい2人が、女の子独特の雰囲気で楽しげに語らいながら化粧直しをしている様子が想像出来て、蓮は思わず表情を緩める。

親友と言う存在が初めてで、そんな奏江が大好きなキョーコのことだから、それはもう舞い上がるような心持ちでそれを行ってきたのだろう。

…少し、ほんの少しだけ、妬ける気持ちも湧いてくるけれど…

彼女が幸せなら、それが何より一番だ。

「ん、いい香りだね」
「でしょう?いつも、いい香りだなって思っていたんです」

今夜のご飯は中華ですよ!と瞳を輝かせるキョーコとリビングに向かいながら、蓮は心のうちで、でも、と思う。

キョーコから香る、きりりとした、ほのかに甘いこの香り。

確かにいい香りなのだけど、これはやはり、その持ち主である凛とした印象を持つ奏江にこそ、似合う香りだと思う。

本人が上機嫌だから、勿論それに水を差すようなことは言わないけれど…

キョーコを彩る香りならば、もっと甘くて、もっとフルーティーなものがいいと、蓮は思う。
瓶だって、キラキラしたものが大好きな彼女の好み通り、繊細で綺麗なものがいい。

彼女を思うと、様々なイメージが一気に湧き上がって来る。

『香水って、ちょっと憧れてたから』

蓮の脱いだジャケットをハンガーに掛けてくれる笑顔のキョーコを幸せな思いで眺めながら、先ほどの台詞を思い返す。

これを叶えてあげられるのが、恋人と言う位置を幸運にも得ることが出来た、蓮だけの役得だ。

キッチンへ向かうキョーコを見送り、その間に素早く計画を頭に思い浮かべた蓮は、ひとつ頷くと、携帯を取り出しある番号に連絡を取る。


キョーコの喜んでくれる顔を、思い浮かべながら。





「えっ!敦賀さん、プレゼントって…今日は何の日でもないですよ?」

あれから1ヶ月。

それが出来上がり手元に届いた翌日、仕事場の楽屋で運よくキョーコに会うことが出来た蓮は、綺麗にラッピングされた小箱を彼女に手渡した。

気を利かせてくれた社は、蓮に30分の時間を与え席を外してくれている。

きっと、楽屋のドアの前で入室に目を光らせてくれているのだろう。
とても、ありがたい。

瞳をまんまるくして驚いた顔をするキョーコに、蓮はふわりと微笑みかける。

「特別な日じゃなくては、プレゼントをしちゃいけない決まりはないだろう?開けてみて」
「ええっ、いいんですか…?」
「それは勿論」

キョーコは緊張した面持ちで細い手指でリボンをほどき、ラッピング用の包装紙を丁寧に開いていく。

期待に染まるその頬を眺めて、蓮も期待に胸を躍らせる。

この時間のドキドキ感こそが、プレゼントを贈る側の一番の醍醐味だと思う。

驚いてくれるだろうか。

喜んでくれるだろうか。

どれだけ可愛い笑顔を、見せてくれるだろうか。

そんな思いに心が弾む。
そうして、プレゼントの全容がキョーコの手で姿を現して。

その姿を見た途端、キョーコの表情がぱあっと輝いた。

華やいだその笑顔に、蓮も目元をそっと緩める。

「きゃー!…かっ、可愛い…!!やだ、もう、凄く綺麗…!ありがとうございます、敦賀さん。香水ですか、これ?」
「うん、前に憧れてるって言ってたから。つけてみて?好みの香りなら、いいんだけど」

キョーコの手にあるのは透明な香水瓶。

宝石のように綺麗にカットされた瓶は、光を受けて七色に輝いている。

蛍光灯の光でもこの仕上がりならば、自然光を受けたのならば、いかようだろうか。

そんな瓶の中にはピンクの液体が内包されている。

見方によっては薄いブルーにも見えるその液体は、香りと言う威力を秘めて、瓶の中で静かにその出番を待っていた。

キョーコの指がスプレータイプの瓶を一押しして…

ふわりと漂う甘やかな香りに、その唇から笑みが零れる。

「…いい香り…!香りだけで、幸せになっちゃう感じで…とっても素敵…」

ほわんと蕩けるキョーコの表情に満足した蓮は、そんな頬にそっと唇を寄せる。

「お気に召して頂けましたか、お姫様?俺の、君のイメージなんだけど」

近くの距離から瞳を覗くと、照れた様子のキョーコがおずおずと蓮を見上げてくる。

「敦賀さん、う、嬉しいんですけど…こんな素敵な香り、私には、不似合いじゃありません?何だかとっても、上等すぎです…」
「え、どこが?俺としては、よく似合ってると思うよ。むしろ、香りのほうが君に追いつかないんじゃないかって、少し心配してた」
「つ、敦賀さんたら、褒めすぎですよ…?」

恥ずかしがりつつも、香水瓶を試す眇めつしていろいろな角度から眺め、ふにゃりと表情を崩すキョーコの様子が酷く可愛らしい。

素晴らしい仕上がりになってよかったと、蓮は内心で安堵の溜息を零す。

この香水は、普通に売られているものではない。

蓮が使用しているアルマンディのメンズフレグランスを調合した知人の調香師に、個人的に依頼をして調合して貰った特別品だった。

蓮も調香師と相談しつつ、瓶から香りから決定全てに立ち会って作り上げたもので、この世に2つとない、唯一の香りなのだ。

最終的には調香師本人にも『どこかのブランドがこれを見つければ、商品化出来ないことを悔しがるだろう香りだ』と、笑顔でお墨付きを頂けたのだ。

社には『プライベートで何をごそごそやっているんだ』と怪しまれ、キョーコにも『最近の敦賀さんは、お忙しそうですね?』と調香師側から携帯に連絡が入る度、首を傾げられていた。

あとは、それを個人で所有してくれる、持ち主本人の意向を聞くだけだったのだけど…

「ありがとうございます、敦賀さん!本当に、凄ーく素敵な香りです…!」

キラキラと瞳を輝せ嬉しげな様子のキョーコに飛びつくみたいに首筋に腕を回して抱き付かれ、その甘い香りに包まれた蓮は笑みを零す。

この喜びようなら、きっと、クレームは一切ないだろう。

そして…

これほど無邪気でまっすぐなキョーコには、やっぱり、最低でも彼女が高校を卒業するまでは手が出せないなと、苦笑気味に考える。

だけど。

せめて香りにくらいには、所有のしるしを、独占欲のあらわれを見せても、誰にも文句は言われないだろう。

先は長いなあと思いつつ。

その細くて柔らかな、幸せのかたまりのような愛しい少女を…

蓮は幸福な気持ちで、自分の腕の中にしっかりと閉じ込めたのだった。


*END*


≪おまけ≫

「敦賀さん、この香水のお名前は何て言うんですか?箱にも瓶にも、書いてないです」
「ん、名前?うーん…最上さんは、どんな名前がいい?」
「ど、どんな名前…?それって、なぞなぞですか?」
「そういうわけじゃないけど。君の名前とか…いや、ありきたりか…『奇跡』とか『君だけのもの』とか…何だか、聞いたことがあるな。何がいいかな…君の好みに合わせて『FAIRY』とか?」
「…それはつまり、自分で調べて見ろ、と言う宿題ですか…?」

…キョーコがその真相を知るのは、奏江に香水の名前を聞かれて、そのままの話を彼女にしたときのこと。

それって一体いくら掛かると思ってるの!?と奏江と2人、顔色を変えた頃には、蓮から既に2本目の調合依頼がなされていた頃であった。

≪おまけEND≫



いかがでしたか?
素敵でしょ?
SWEET!の美花様から頂戴いたしました、素敵SSです。
日毎通う月華。
キリバンを4回踏みました。初めの一回はパスが欲しくて数回がんばったけど、後の3回は偶然です。マジで!!
その結果、1万HITを踏みまして、とても素敵なSSを頂戴してしまいました。
にもかかわらずPCを立ち上げてのアップとなりましたので、今頃のアップです。
すいません。
隠し持ってましたともさ。ほんとすいません。
うちのブログにSSが、ぽちに小判…大事なものは穴掘って埋め込む体質なんですが、そんなのは勿体無い。
ので、アップさせて頂きました~。
いいのかね。本当に。
昨日一度はアップしましたが、どうも記事のコピーを失敗したらく~。
Y様からご連絡いただきまして、今朝、一度下げて、今外から再度アップチャレンジです。
電源切れる前にアップしないと。
もう知ってる方も多いと思いますが、ご存知ない方は、是非SWEET!の美花様のところ行ってみてください。
おすすめですよ。
私は特に駐在さんと幼な妻キョコがお気に入りです。


ではでは、また。


月華

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