恋心 2nd Stage 〜太陽のKomachi Angel〜

夕暮れが近づく。
薄く朱に染まりゆく空。
高い建物の上から園内を見下ろした。
左腕にゆきひめちゃんを抱いて、右手はキョーコの手を握る。
さっき、ゆきひめちゃんのお母さんから仕事が終わったと連絡がきたところ。
飯塚先生もこちらに向かっているらしい。
一日パパも終わりかと思うとちょっと寂しい。
キョーコも同じ気持ちのようだ。

「楽しかったですね。」
「蓮パパ、キョーコママ、ゆきひめも楽しかったよ。」
「ゆきひめちゃん、今日はありがとう。」

三人でしばらく眼下に広がる景色を眺めた。

「そろそろゲートの方に行こうか。」
「あっ……私、大丈夫でしょうか?飯塚先生が…。」
「大丈夫だよ。ほら、行くよ。」

彼女を促して、階下に降りる。

「蓮パパ、上にぶつかりそうだよ。」
「そうだね。」

乳白色の壁は地中海に浮かぶ島にある建物を再現してあるようだが、小さめに設計してあるのか、天井が近い。
ゆきひめちゃんを抱いたままだったから、尚更慎重に階段を降りた。



ゲート付近の店に入り、時間を潰していると、携帯がなった。
飯塚先生からだ。
『敦賀先生。着いたわ。ゲートから入ったところなんだけど。』
「今、行きます。」
「ママ、着いた?」
「ゲートのところで待ってるよ。」
また、ゆきひめちゃんを抱き上げて、不安そうなキョーコに片方の手を差し出した。
キョーコの手を握る為の手。
一日パパ、ママという基調な時間はここまでだけど、君だけは手放せない。
ずっと一緒にいよう。
言葉にしなくても、彼女は頷いてくれた。
幸せを感じながら、歩き出す。



「敦賀先生。こっちよ。」
ゲートの側で飯塚先生が、手を振っていた。
大原さんも一緒だ。
「ママーっ!」
元気なゆきひめちゃんに大原さんもホッとした顔をする。

俺とキョーコの役目は終わったんだな。

「先生。」
切なげなキョーコの声。
「寂しいな。」
俺の手をきゅっと強く握る。
「キョーコ、10回目。」
「蓮さんなんか、大っ嫌いですぅ。」
ぶわっと涙が溢れ出したキョーコ。
果てはわんわん泣き出した。
「蓮パパ、キョーコママをイジメちゃダメなのっ!」
「イジメてないよ。……それにね、キョーコが泣いてるのは、イジメたからじゃないよ。ゆきひめちゃんとのお別れが悲しいんだよ。」
「ホント?」
「ホント。」
泣いたままの彼女を抱き寄せて、飯塚先生達のところに向かった。
「お待たせしました。」
「あら、どうしたの?彼女…泣いているじゃないの。」
「ゆきひめちゃんとのお別れが悲しいみたいで。」
腕に抱いたままのゆきひめちゃんが「泣かないで。」と、キョーコの頭を撫でていた。
本当によくできた子だ。
「あらまぁ。」
「本当に大丈夫でしたか?ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
「いいえ。本当に楽しかったんです。彼女とは将来を考えていますから、いい体験をさせて頂きましたよ。」
「仲がいいのね。敦賀先生に彼女がいるなんて生徒達が知ったら、ショックでしょうね。……そういえば、バレー部の子達には会わなかった?」
「会いましたよ。休み明けには広まっているんじゃないですか?」
本当はもっと複雑な経緯と意図が絡みあっているけれど、話すのも面倒だし、まぁいいか。
彼らを上手くあしらう事……あれが一番手っ取り早かった。
キョーコにも俺の気持ちを信じて欲しかったし、後悔はしてない。
月曜日は朝から騒がしくなるかもしれないけど、笑顔で肯定しよう。
「幸せ満喫中なのだと思うけど、その笑顔……、何だか意図的なものが見え隠れしてるわよ。……まぁ。仕方ないわね。」
実際、幸せですからね。
何と言われようとも揺るがない事実だ。
「キョーコ。ほら泣きやんで。同じ学校の先生で飯塚先生だよ。」
当然、キョーコも知っているけれど、ここは別人を装って貰わなければならない。
あの学園に勤めている限りは仕方のない事だった。
問題は何と名乗るかだけど……。
別に名乗らせる必要もないのだけど。
そうだ、こうしよう。
「飯塚先生、彼女は宝田キョーコ。未来の俺の奥さんです。」
学園には母の旧姓”敦賀”で通しているが、宝田蓮が俺の本名だ。
いずれは彼女にも名乗ってもらう事になる。
キョーコもびっくりして泣き止んだ。
「キョーコ、その驚いた様な顔は何?俺の奥さんになるのは嫌なの?」
本当に君はかわいいね。
カウントは取り消さないし、今夜は一緒にお風呂だけじゃ済まないから、覚悟してね。
そんな俺の意図を察したのか、彼女は頬を微妙に引き攣らせていた。
「宝田?…まさか、理事長のご親類?」
「ええ。」
不自然なくごまかせただろう。
それに、近い将来彼女が名乗る事になる名前だ。
「本当に休み明けが怖いわ。学園中大騒ぎじゃない。」
「申し訳ありません。」
父さんの耳にも当然入るだろうが、あの人の事だ、便乗してお祭り騒ぎを起こすかもしれないな。
そっちの方がやっかいだ。
我が父ながら、困った人だ。
「あの……ご挨拶が遅れました。たっ…宝田…キョーコです。」
元来、礼儀正しい彼女。
まだ、挨拶していない事に恐縮しながら、頭を下げた。
「さすが理事長のご親類ね。今時の子にしては綺麗な仕種ね。」
真っ赤になっているキョーコ。
こんな事で動揺してどうするんだろう。
本当にかわいいよ。
「敦賀先生。顔が弛んでるわよ。」
「幸せそうでうらやましいわ。」
「生徒達にもその顔見せていたの?教師としてしまりが無くて感心しないわよ。なんの為に教えて上げたんだか分からないじゃないの。」
「助かりましたよ。対策は取れましたから、問題ありませんよ。ありがとうございました。」
「対策……ね。まあ、いいわ。敦賀先生、キョーコさんも今日はありがとう。」
「本当にありがとうございました。後日、改めてお礼に上がります。せっかくのお休みの日に申し訳ありませんでした。宝田さんもせっかくのデートを邪魔してしまって。さ、ゆきひめ、こっちいらっしゃい。ママにもだっこさせて。私も寂しかったのよ。」
優しく微笑んで腕を差し出す大原さんに、ゆきひめちゃんもにっこりと笑う。
……やっぱり、本物に敵わないか。
ちょっとだけ寂しく思いながら、ゆきひめちゃんを大原さんに返した。
「ホントに楽しかったよ。ゆきひめちゃん、ありがとう。」
キョーコは涙ぐみながら、大原さんの腕に抱かれたゆきひめちゃんの頬を撫でた。



「寂しい?。」
「はい。」
「じゃあ、結婚して家族作ろうか。」
「〜〜〜っ!!」



ゆきひめちゃん達に別れを告げて、手を振りながらその場を後にする。
これからは二人だけの時間。
望んでいた甘い時間である事に変わりはないのに、ひどく寂しく思えて仕方がない。



「蓮パパ!キョーコママ!」



後ろから、ゆきひめちゃんの声がした。



振り向くとパタパタと可愛らしく走り寄るゆきひめちゃんがいた。



「どうしたの?」
ゆきひめちゃんの目線まで二人身を屈ませた。
「ゆきひめ、まだ言ってないもん。」
「え?」
「あのね。レンパパ、キョーコママ、ありがとう。大好き!」
そう言って小さな可愛らしい天使が、俺とキョーコの頬にキスをくれた。
天使からのキスなんて、祝福のキスと相場は決まっている。
俺とキョーコの幸せを祝福してくれる天使のキス。
俺とキョーコは一度、顔を見合わせて、笑いあった。
「「ゆきひめちゃん、ありがとう。また、会おうね。」」
祝福のキスをくれた天使の頬に、二人一緒にキスのお返しをする。



ありがとう。
小さな天使がくれた幸せな未来への予感に心から感謝した。



俺達の行く先を照らす太陽そのものな小さなAngel。






さて、とりあえず、アップ。

すいません。
まだ終わってません。
ごめんなさい。

何が終わってないかと言えばいろいろです。

この後の二人とか、冒頭の状況に戻したりとかいろいろ考えてます。

あまり、ダラダラ書いて脱線しそうでもあるけど。

もう少し、お付き合い頂けると嬉しいです。

ではまた。



月華



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