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恋心 2nd stage 〜calling〜 2

「最初はどこに行きたい?」

ガイドブックを広げ、彼女に問う。
本当は聞かなくても分かっている。
彼女なら多分。

「マー「マーメイド・ラグ○ンにいくのっ!」

「「んっ(えっ)!?」」

小さな女の子の声がキョーコの声に重なった。

「ア○エルにあいにいくのーーっ!!」
「それは、また今度にしましょう。」
「今度っていつ?いつも嘘ばっかり!!」
「ママ、お仕事になっちゃったの。ね、我が儘言わないで帰りましょ。」
「いやーーーーっ!!」

母親に急な仕事が入ってしまったらしい。
5、6歳くらいの女の子。
相当、楽しみにして来たのだろう事を思えば、気持ちはわからないでもない。
キョーコが、きゅっと俺の服の袖を掴んでじっっ母子を見つめる。
きっと彼女も似たような経験があるのかもしれない。

「キョーコ。ちょっと待ってて。すぐ戻るから。」

俺は近くの物影に隠れ、金髪のウイッグを外した。
カラーコンタクトは、まぁいいか。
軽く髪を整えて、キョーコの元に戻る。

「先生。」
「はい。カウント1つ追加だよ。」

素早く唇を掠め取り、彼女の手を引いて親子の元へと足を向けた。
これから仕事に行くとなれば、きっと職場も住まいも近いのだろう。
チケット代だって馬鹿にはならない。
開園して30分だ、訳を話せば払い戻ししてくれるかもしれないけど確証はないし。
それなら。

「どうされたんですか?」
「あっ!騒がしくてすいません。急に仕事が入ってしまって、戻らなければならないんですが、この子が我が儘を言って聞かなくて。」
「職場は近いんですか?ご自宅も?」
「ええ、いつでも来れるのにこの子ったら。」

そうは言っても相手は子供。
大人の都合に合わせろと言うにも、難しいだろう。

「俺は敦賀蓮と申します。都内の私立高校の教師をしています。」

あまり使う事がないけど、いつも財布に数枚名刺を入れておいている。
こんな時くらい役にたってもらわないと名刺も意味がない。
一枚を取り出して、女の子の母親へ差し出した。

「宝田学園?」

芸能クラスも有し、成績レベルも都内トップクラスの名の知れた学園だ。
少しは信用出来るだろう。

「私、○○年度の卒業生です。」

なら好都合だ。

「飯塚先生をご存知ですか?」
「もちろん。実は先日、卒業生でご挨拶に伺ったばかりなんですよ。」
「飯塚先生から『卒業生からだ』とお菓子のおすそ分けを頂きましたが、もしかして……。」
「半熟チーズケーキ。飯塚先生が昔からお好きだったお菓子なんですよ。」
「ごちそうさまでした。彼女と二人で美味しく頂きましたよ。」

実際は少し違う。
甘い物は得意じゃないので、キョーコにお土産にした。
美味しそうに食べるキョーコを見て、味見と証してキョーコごと頂いた……というのが正直なところ。
流石にそれは話せないけど。

「あの、お名前を伺っても?」
「大原と申します。」
「大原さん。それで、もし宜しければ今日一日お嬢さんをお預かりしますが、どうでしょうか?」
「え?」
「随分と楽しみにしていた様ですし。」

女の子を見るとキョーコが相手をしていて、もうすっかり打ち解けているようし、こちらも問題ないし。

「いえ…でも。」

母校で教師をしているとしても、彼女にしてみたら見知らぬ男。
ではお願いします……なんて事になるはずはない。
まずは信用を高める事が先決。

「少し待っていて下さい。」

携帯を取り出して、アドレス一覧から飯塚先生の連絡先を見つけてコールする。
数コール後。

『あら、敦賀先生。珍しいわね。どうしたの?』
「お休みの日にすいません。今、先日いらした卒業生の方に会いまして。急な仕事が入られたとかで、お子さんを今日一日お預かりしようかと思ったものですから。」
『お預かりって、貴方、今どこなの?』
「デ○ズニーシーで彼女とデート中ですよ。」
『あら。』
「すいません。ちょっと電話を代わりますので。……大原さん、どうぞ。飯塚先生です。」
「えっ!?飯塚先生?あっ、お借りします。あのぉ大原です。先日は突然お邪魔して申し訳ありませんでした。」
『愛理ちゃん?この間はありがとう、お菓子は職員全員で頂いたわ。久しぶり食べたわ。』
「喜んでいただけたのなら嬉しいです。他のみんなにも改めて伝えておきます。」

大原さんと飯塚先生が電話している間に、キョーコの隣に座り込んで、女の子に話し掛ける。

「もう少し待っててね。ここで遊べるようにお願いしてるから。」
「ほんと?」
「せ……蓮さん。ありがとう!」

………後、少しだったのに。

「蓮さん。今、もの凄く残念がりましたよね?」
「そんな事はないよ。」
「嘘です。絶対に嘘です。」
「それより、名前は聞いた?」
「はぐらかしましたね、もうっ!名前は聞きましたよ。もうすっかりお友達ですよ。」
「うん。おねえちゃんとおともだちになったの。」
「そうなんだ。俺にも名前を教えてくれるかな?」
「ゆきひめっていうの。おおはらゆきひめだよ。」
「ゆきひめちゃんだね。かわいい名前だね。じゃ、俺も自己紹介。蓮だよ。よろしく。」
「蓮おじさん?」
「…………。」

おじさんと呼ばれ衝撃を受ける。
隣には、ぷっ……と小さく吹き出すキョーコ。
キョーコ、今夜二人きりなったらお仕置きだからね。

「でも申し訳ないです。……今度、また改めてご挨拶に伺います。……はい。……はい。……敦賀先生にも……。……はい。ありがとうございました。……はい。代わります。」

幾分、安心した様子で話す大原さん。
あちらも話がついたようだ。

「敦賀先生、携帯ありがとうございました。飯塚先生が代わってほしいと。」
「どうも。……代わりました。敦賀です。」
『敦賀先生、本当にいいの?子供を預かるなんて。大変よ?』
「俺ひとりなら無理ですが、彼女もいますし、何とかなりますよ。」
『デート中なんでしょ?彼女の方は大丈夫なの?』
「その彼女の希望なんです。優しい子なので。」
『いい彼女ね。分かったわ。定期連絡入れなさい。大原さんにも、私にもよ。何かあったら呼んで。すぐに行くわ。』
「はい。よろしくお願いします。飯塚先生がいて下さると思うと心強いですよ。」
『ディ○ニーシーにいるのよね。今日、バレー部の生徒が行ってるらしいわよ。騒ぎの元にならないよう気をつけなさい。人様の子供を預かるんですから、尚更よ。』
「気をつけますよ。」
『夕方、大原さんといっしょに私も迎えに行くわ。』
「えっ!?飯塚先生まで来るんですか?」
『何か不都合でも?』
「いえ。」
『安心なさい。邪魔はしないから。』
「お気遣いありがとうございます。」
『それじゃ、夕方までよろしくね。もう一度、愛理ちゃんに代わって。』
「はい。……大原さん、飯塚先生がもう一度と。」
「はい。お借りします。飯塚先生?……はい。……ええ。」

何とか纏まりそうだけど……飯塚先生も来るのか。
予測してなかった展開に少し焦る。
まぁ、何とかなるだろう。

「せ……蓮さん、大丈夫でしたか?」
「飯塚先生には許可貰ったからね。」
「ゆきひめ、ここにいてもいいの?」
「うん。多分ね。」

後は彼女の母親しだいだけど大丈夫だろう。
思わぬハプニングではあるけれど、たまにはこういうのもいいだろう。
将来、彼女と家庭を築くなら、その予行練習だと思えばいい。

「あの……。本当によろしいのですか?」

飯塚先生との話も終わり、通話を終えて閉じた携帯を差し出しながら、申し訳なさそうにいう大原さん。

「デートのお邪魔になるのでは?」
「構いませんよ。彼女もゆきひめちゃんとすっかり仲良くなったようですし。」
「本当にありがとうございます。夕方には迎えに来ますので、それまでゆきひめをよろしくお願い致します。それで私の連絡先ですが……。」

大原さんと赤外線通信で連絡先を確保する。

「定期的にメールで、ご連絡致します。と言ってもご心配でしょうからお仕事の合間にでも電話してみて下さい。俺か彼女…キョーコといいますが、どちらかが必ず出るようにしますから。」
「ありがとうございます。ゆきひめ、お兄さん達にご迷惑かけないようにね。夕方には迎えに来るから、それまでいい子にしているのよ。欲しいものがあってもママが来るまでは我慢だからね。」
「うん。我慢する〜ぅ。」

可愛らしく笑うゆきひめちゃんを見て、最初の子は女の子がいいなと思った。



お詫びと食事代として3万円を差し出された。
子供の食べる量なんてたいした事はないだろうし受け取るつもりはなかったけれど、頑として譲らない大原さんからゆきひめちゃんの飲食代としてだけ、1万円だけ預かった。
大原さんは、何度も頭を下げつつ、園の外へと出て行った。
3人で笑顔で手を振るとゲートの向こうで大原さんも笑ってくれた。

「さて、キョーコ。」
「何ですか?蓮さん。」
「……先生って呼ばないの?」
「呼びませんっ!!」
「ケンカしちゃダメだよ?」

舌足らずな静止が入る。

「ああ、ごめんね。ケンカじゃないんだ。」
「ケンカじゃないの?」
「だから安心して。」
「うん。あのね、ゆきひめね、おねがいがあるの。」
「何かな?」
「パパとママって呼んでもいい?」

それはとてもかわいらしいお願いだった。

「いいよ。」
「やったぁ。」
「先生っ!?」
「キョーコ、3回目だよ。今の分は後でちゃんともらうしてからね。」

恨めしげに見つめられたけれど、そこは譲れない。

「それより、今日うちのバレー部の生徒が来てるらしい。あと夕方には飯塚先生が来る。だから、”先生”って呼ぶのは、キスして欲しい時だけにしてね?」
「だから呼びませんってばっ!」
「そんなにキスしたくないの?」
「人前では絶対に嫌です!絶対、嫌っ!!」

そんなに力いっぱい言わなくてもいいじゃないか。
そこまで言われると、逆にね?
隙あらば、いつでも切り込めるようにしておこう。



ゆきひめちゃんを抱き上げて、片腕に座らせた。

「わぁ、たかぁい!」
「怖い?」
「ううん。だいじょうぶ!」
「じゃ、行こう。人魚の国に行くんでしょ?」

もう片方の手をキョーコに差し延べる。

「はいっ。パパ。」

降り注ぐ陽射しの中、彼女の笑顔が眩しい。
眩しくて君以外何も見えなくなりそう。
愛しくて、大切で、掛け替えのない世界でただ一人だけの君。
だから君だけには名前で呼んでほしい。

「あっ、れんパパ、キョーコママにちゅうした。」

軽く触れるだけのキス。

「ゆっゆきひめちゃんが見てるのにっ!」
「さっき、”先生”っ呼んだから、それと今”パパ”って呼んだよね?俺は君のお父さんじゃないよ。だからお仕置き。”蓮”以外の呼び方は許しません。」
「っ!!」
「ルール変更。10回”蓮”以外の呼び方したら、今夜、君にも頑張って貰うから。前から思ってたんだけど俺ばっかり頑張るのって不公平だよね?」
「へっ!?」

夜も楽しくなりそうだ。



「蓮さん。変装は?」
「もう、このままでいいかな。」
「生徒が来てるんですよ?」
「コンタクトはしたままだし、他人の空似で言い張る。」
「無理です。蓮さんみたいな人はそういませんよ。」
「じゃあ妻と子供だって正直に言う。」
「どこから聞いても嘘ばっかりじゃないですか。」
「嘘にならないように今夜は頑張ろうね。」
「いやあ〜〜っ!」
「れんパパ?キョーコママをいじめちゃ、めっだよ?」
「あはは。ごめん。いじめてないよ。」
「ほんと?」
「うん。だって、俺はキョーコが大好きだからね。」
「嘘つき。」
「キョーコ、何か言った?」
「何も言ってません!」



キョーコ。
俺と君の未来がつながっているなら、同じ夢をみよう?
いつか君と本当の家族になりたいんだ。
その時は名前で呼んで。
大切な君にだから……。





ゆきひめ様。
お名前お借りしております。

……………………あなたは予知能力者ですか!?

書いて、見直してるところにあのコメントはびっくりしました。

だって同じこと言ってるんだもん。

いやぁ、びっくりΣ(゚ロ゚ノ)ノもびっくり…o(゚◇゚)o…

世の中ミラクル。

まだ少しお付き合い下さいませ。



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