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ENDLESS LOVE 3

《フリー作品》
よろしければお持ち帰り下さいませ。


『ENDLESS LOVE 3』



両親の後をSPに紛れて歩く。
敦賀蓮としてではなく、久遠・ヒズリとして。
髪は素に戻した。
サングラスをかけてしまえば俺を”敦賀蓮”と認識できる者はいなくなる。
父の人気は相変わらずで、待ち構えた報道陣の数も押し寄せるファンの数も並ではない。
母の存在も加わり、かなりの興奮状態だ。
声援と同時に多くの質問が飛び交う。
そのほとんどがクランクアップしたばかりの映画の話題だった。
俺が”敦賀蓮”として主演をつとめた初のハリウッド映画……俺はこの偉大なる父と共演を果たしたのだ。
父と同じフィールドに立つ事、それが俺の幼い頃からの夢。
父は大きすぎて未熟な俺が敵うはずもなく、……俺は日本へ逃げた。
数年が過ぎて、それなりに知名度は上げたけれど、皆…俺の表面ばかりをみて誰一人として俺を認識する者はいなかった。
表面だけ…俺の中はどこか欠けていて…皆それに無意識のうちに気づいていたのだと思う。
アジア圏ではごまかせても、世界レベルではごまかしきれなかった。
これでは父に敵うはずもない……そう思いつつ過ぎる日々。
何が足りないかも分からぬまま月日は過ぎていった。
あの日、君に再会しても俺はしばらく、自身に足りないものがなんなのか分からずにいた。
気づいたのは、いつだろう。
俺に足りないもの……それは君だった。
幼い頃に俺は小さな君に恋をした。
君と別れたあの日からずっと君が足りなかったんだ。
君への気持ちを自覚して、君と気持ちが繋がって、俺に不足していたモノ……核になるピースを手に入れ、俺は次のステップを踏む事ができた。
そして今、自分が憧れていた人の…背中を追う事もできずにいた人と同じ舞台に立つ事ができるまでになった。
全部、君がいたから……。
君が本当の愛を教えてくれたから、今の俺があるんだ。
そんな君をおいていって…ごめん。
やっと帰ってきたよ。
君のいる日本に。
礼遠を任せっきりにして、ごめん。
これからは俺が君達を守るから。



ふと……人だかりの向こうに見知った人物の姿を見つけた。
彼も俺に気づいて片手を挙げて合図を送っている。
今日、こうして予定より早く日本に戻ってきたのは、彼から報告を貰っていたからだ。
彼女の事が世間にバレたのだと。
映画の撮りは終わっていたけれど、インタビューやらなんやらと細々と残っていた向こうでの仕事を何とか調整して、今日やっと帰国する事ができたのだ。
俺一人での帰国のはずが、父さんと母さんまで来日すると言い張って今の事態になっている。
それでも当初はお忍び来日のはずだった。
それが、こんな事になってしまったのは全部派手好きな社長の意向によるもの。
”空港にマスコミ用意したからそのつもりで帰って来い。”という。
つまり、父と母を隠れ蓑にして帰って来いというわけだ。
そして社長から俺に架せられた課題が一つある。
俺はその課題を消化すべく行動に出た。
先を行く父に近づいて、先に抜け出す事を短く伝えた。
その場を離れる際、彼女が選局しそうなテレビ局のロゴの入ったカメラを見つけ出し、そのカメラに向かい、マイクに拾われない程度の小さな声で”ただいま”と告げた。
君達に届くようにと願いながら。
少々目立ってしまったようだが仕方がない。(蓮とっては少々……)
「今の彼は誰なのか?」とレポーターの一人が父に質問していた。
対する父は……。

「息子だ。今回は孫の顔を見に来た。」

……とあっさり暴露してしまっていた。
また騒ぎの種を……。
まあ、俺が”敦賀蓮”だとはバレていないから、問題はないか。
マスコミと野次馬の中から抜け出して、彼の元に向かった。
その彼に到っては、一人異質な雰囲気を堂々と纏い、俺を待っていた。
変装一つなしかい?
相変わらずだね君は。
ロビーのソファーに腰をおろし、俺を待っていたのは不破君だった。

「よっ。久しぶり。久遠さん。」

ソファーから立ち上がり、不適な笑みで俺を迎えてくれた。

「まさか、その姿で来るとはな。人違いかと思ったぜ。」
「そういう君はサングラスだけかい。かえって君だって主張してるみたいだよ。」
「俺はいいんだよ。やつらの目的は俺じゃねーもん。」

中には君のファンもわんさかいるだろうに……。
無頓着といか、大胆不敵というか、彼は本当に相変わらずだった。
さすがに、周りが少々ざわついてきている。
早々に、ここを離れた方がいいらしい。

「ほらよ。」

不破が何かをポケットから取り出して投げよこした。

「車……持ってきてやったぜ。アンタんとこの社長がメンテに出してたし、万全だぜ。あ……たまにキョーコが乗ってたからな。変なクセついてなきゃいいけど。あいつ運転下手くそだから。」
「車…持って来てくれたんだ。ありがとう。」
「二度と外車なんか乗れるかよ。車は国産に限んだよ!!」

ああ、確か前にもそんな事を言ってたな。
彼が新しく買ったという車も国産車だったのを思い出した。



駐車場に向かえば、愛車が俺を待っててくれた。
持って来てくれた彼に感謝する。
これで彼女に会いに行ける。
こんな嬉しいことは他にない。

「行こうか。」

不破を促して車に乗り込んだ。
思えば本当に世話になりっぱなしだった。

「彼女の事、本当に助かったよ。」
「俺も助かったからな。気にすんなって。」
「奥さんは順調かい。」
「まぁな。キョーコがいてくれて助かった。マタニティーブルーの前には俺ら男の出番はねぇんだよ。……キョーコがいてくれなかったら、あいつ、どうなってたかわかんねぇよ。」
「そうか。」
「しかしさぁ……礼遠……どうにかなんねぇか?キョーコにすんげぇそっくりなんだけど、なんでかアンタを彷彿させて……怖いんだけど。」
「…………。」

なんとも失礼な言いようだが、成長した息子が”外見キョーコで中身が俺”という状況を想像し、少し複雑な気分になった。



「…………。」

ふと気がつくと、不破は何やら物思いにふけり、窓の外を眺めていた。

「不破君?」
「俺とキョーコさ。いつも一緒だったんだ。」

彼が唐突に思い出話を始めた。
俺の知らない二人の思い出。
不思議と嫉妬といった感情は全く沸いてこない。

「両親が忙しくて、キョーコの母親も仕事人間だったからな。いつも2人だけで過ごしてた。でも、寂しいなんて思ったことはなかったな。キョーコも俺に振り回されて寂しいなんて思ってる暇もなかったと思うぜ。」
「その光景が目に浮かぶよ。」

嫉妬どころかほほえましく思えた。
なんとなく彼の言いたいことが分かった気がしたから。

「もうすぐ産まれるんだろう。」
「ああ。」
「一緒に遊ばせようか。」

こんな職業だ。
きっと子供達には寂しい思いをさせるだろう。
でも、二人一緒なら……。

「礼遠が男で良かったぜ。逆だったら近寄らせても貰えなそうだしな。」
「君はいいの?かわいい娘に虫がついても?」
「キョーコの子なら大丈夫だろう?それに俺はあんた程、心狭くないからな。」
「でも本人しだいだろう。」
「違いない。」

君とこんなに穏やかに会話する時が来るなんて思っても見なかったよ。
愛する女性の幼馴染であり、彼女の初恋の相手でもあり、俺の最大のライバルだった彼。
今では親しい友人の一人だ。
職業柄、知り合う事は多くても浅い付き合いしかしてこなかった自分。
当然ながら”友”と呼べる存在は無きに等しく、今思えば、”敦賀蓮”という男は上辺だけのつまらない男だったのだと思う。
妖精というのは、あながち嘘ではなかったのかもしれない。
現実という世界の中にあってさえ、幻でもあるかのような存在だったのだ。
今の俺があるのは、すべて君のお陰。
君が俺に命を吹き込んでくれたんだ。

『妖精さん。みんな貴方が大好きなんですよ。』

君はそう言うけれど、それだって君のお陰。
君が俺に愛する事を教えてくれたから、君の生きるこの世界が好きになったんだ。
幻でしかなかった俺に命を吹き込んでくれてありがとう。



君を思う度に感情が溢れ出す。
愛しい君へ……。



……愛してるよ。



彼のマンションに辿り着いた。
俺のマンションにも近く、これなら子供達でも行き来は楽だろう。
来客用の駐車スペースに車を止めた。

「ちょっと待っててくれ。」

携帯を取り出し、どこかに電話をかけている。
そんな彼を横目に気持ちは君へと向かう。
ここに君がいるんだ。
早く逢いたい。
こんなわずかな時間ですら、もどかしく感じた。
彼についてエレベーターに乗り込む。
彼について行くだけの俺。

『早く君に逢いたいよ。』

稼動するエレベーターの中でも考えるのは君の事ばかり。
電子音がして最上階で止まるエレベーター。
エレベーターを降りれば……もうすぐそこに君が……。

「ほら。そこだよ。」

そういって彼は一枚のカードを俺に差し出した。
カードキーだ。

「待ってるぜ。」

俺はありがたくカードキーを受け取った。
このドアを開ければ君に逢える。



「キョーコさん。来たわよ。」
「えっ?」
「出迎えてあげなきゃ。」

身重な美森ちゃんに背中を押され、玄関へ向かう。

「ほら、早く!!」

このドアが開けばそこに彼がいる。



静かな音を立ててロックが解除された。

開くドア。

そこには……。

愛して、求めてやまなかった人がいた。

俺の天使が……。

私の妖精の王が……。

そこにいた。

両手を広げて彼女を待つ。

貴方の腕に飛び込む。

君を強く抱きしめた。

貴方の腕に抱きしめられた。

もう離さない。

もう離さないで。



「ただいま。」
「お帰りなさい。」



君に……。

貴方に……。

永遠の愛を誓う。



永遠に続く愛を……。











ENDLESS LOVE ……いかがでしたか?
思いついたのはもう随分と前。
blog始める前から出来てたお話しです。
ノートに書き綴ってました。
実は。
blog始めて、これをお披露目できて良かった。



初めてblogに掲載したのはblog始めた年でした。
けっこう経ってますね。
新しい記事ではありませんが、多少手を加えました。
このシリーズはフリー作品にしようと思って、現在、全話修正中です。
今はまだ小さな恋のメロディーと1~3しか直してないけど。
よろしければお持ち帰り下さいませ。

私はスキビキャラが大好きです。
だから全員に幸せになってほしい。

いつも蓮なら何て言うかな?
キョーコなら何て言うかな?
そう考えながら書いてます。
二人が幸せだったら、多分、みんなの幸せも願うんじゃないかなと思って書きました。

こんな風になるといいなという私の希望です。

もしよろしければ、広めたいなと思ってフリーにしました。

私のじゃ威力ないけど。

そんな訳で、どうぞ、お持ち帰りして下さいませ。
持っていってくれる方、誰もいない気がするけど。
あはは。



今後もよろしくお願いいたします。



月華




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……なもんで、お気に召して頂けましたら、押して。押して。押して。
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入り口

お世話になります。
(」゜□゜)」
あっぽちっと頼みます。
スイッチオン

こんなときでもお笑い脳。


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1 ■文句なし。

お帰り蓮さま。
早く二人を逢わせたげて。3人か!!

乙女だわ~。ふぅ~。


クー一家が孫にデレデレしてるとこもお願いします。
クー大好き。
尚ちゃんも好き。

2 ■久遠さん帰りなさ~い♪

うぅ~~
愛にあふれてて・・・いいわぁ~~

久遠と尚の友情っていいね!

尚とキョーコの子供の時の話・・・すごく素敵に書かれている・・・
母親には見放されて辛かったんだと思うけど、尚と二人寂しくなかった・・・って思うとなんか救われる気分です。
久遠とこれからはずっと居られるって・・・幸せ!!

アフターはキョーコと久遠の会話がほしいな。

ほのぼのとして・・・エロはいらないからね・・・

3 ■ありがとう!!!

>まめひよこさん
>キョコさん



おそくなってごめんね~。気が付いたらとおちてた。


コメ返しは電車の中でしまぁす。

4 ■孫……逆に怯えたりして

>まめひよこさん


礼遠には蓮の片鱗がそこかしこに……出てるに違いない。


多分、尚のマンションはこのあと賑やかになるよ。

ふふのふ。

5 ■希望に応えられるよう

>キョコさん


がんばる~。

ゆうべは遅くまでつきあってくれてありがとう!!

そう話しの概要は部室で話したとおりになります。

2人だけの……ヒ・メ・ゴ・ト……まだ引っ張るナツ。
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げっか(月華)

Author:げっか(月華)
蓮キョ大好きです。
駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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