恋心 Lesson 9

甘いバニラの香……アイツだけの特別な香。
俺だけが知っていたはずの香り……。



久々に実家に帰った俺。
……正確には俺の家ではなくて、俺の親が所有するマンションにあるキョーコの家。
キョーコの一家は店子だ。
最上階にあるのは1室だけ。
そこにキョーコが住んでいる。
チャイムを鳴らす。
『はい。』……インターフォンから聞こえたのは男の声。
『お…松太郎君か。ちょっと待っててくれ。』
……なんでおっさんがいるんだよ!!
声の主はキョーコのオヤジだった。
出張中じゃねぇのかよ。
ろくに日本にいないくせに何で今日に限っているんだ。
これじゃ……。
程なくして開いたドアなロックが外され音がして、キョーコのオヤジが顔を出した。
でけぇわ、顔はいいわ、見た目も歳のわりに若いわ、着てる服なんかアルマンディ……っていう、芸能人も真っ青な男がキョーコの父親だった。
「久しぶりだね。」
「……ども。」
くそっ。
こんなおっさんに負けてたまるかよ。
このおっさんときたら、愛妻家な上に、キョーコ馬鹿。
キョーコに近づく男は徹底的に廃除するのだ。
俺さえも例外なく……。
おっさんいるんじゃ……キョーコと二人きりになるなんて無理だ。
それに……ジュリさんもいるよな?
「………。」
ピンチだ。
生命の危機。
何がって……。
「アナタ……お客様?あら、松太郎君じゃない。」
年齢不詳的な金髪美人……これがキョーコの母親、ジュリエナさん。
伝説に残る元有名モデルだ。
こんな美人だが、世の中そんなにうまくは出来ていないらしく、料理の腕は壊滅的。
デストロイヤー級のパワーで俺の味覚を破壊した最初の人間は、この人だった。
キョーコがジュリさんに似なくて良かった。
「久々にパイを焼いたのよ。松太郎君もいかが?……やっぱり我が家が一番ね。好きなものが好きなだけ作れるわ。」
やばい……。
「ジュリさん……俺、デビューしたんすよ。」
「あら?おめでとう。お祝いにちょうど良かったかしら。」
やべ……墓穴掘った。
「あの……俺太りやすい体質らしくて、事務所から制限されてるんで……。」
「あら、残念ね。」
「ジュリ、キョーコを呼んでおいで。そろそろ休憩だ。君も上がりなさい。」
「どうも。」
「……で、松太郎君、キョーコになんの用かな?」
「………。」
おっさん……目が笑ってないぜ。
「………キョーコとは別れたんだってね。」
………直球できやがった。
「なんの事っすか?」
……っていうか付き合った記憶ねぇし。
これから、そうする予定で……。
「……松太郎君。春にね。キョーコが泣いていたんだよ。どうしてかな?」
「……なんすかね?」
「松太郎君。おじさんに正直に話してみないか?楽になるぞ。」
嘘つけっ!
こんのくそ親父がっ!!
こうなりゃ、ヤケだ。
「おじさん。キョーコを俺にくれっ!」
「……そうはいくか!おじさんは知ってるぞ。散々遊び回ってただろう!!」
「知ってんなら聞かないで下さいよ。俺だって、つい、この間、気づいたんすよ。キョーコが好きだって。キョーコが一番なんだよ。」
「遅い!!」
「諦めてたまるかっつーのっ!!」
「女を泣かせるような男に娘を譲る父親がどこにいる!!」
「自分だってジュリさん散々、泣かせたくせに!!」
「俺は昔も今もジュリエナだけだっ!!」
「よく言うぜ!ガキの頃にキョーコが”パパがキレイな女の人とちゅうしてたのを見た”って言ってたぞっ!!」
「あれは”してた”んじゃなくて”された”んだっ!!」
「あら……キョーコが生まれてからは、そんな話し聞いたこと無いわよ?どなたにされたのかしら??……クー……アナタには散々泣かされたけど、まだ秘密があったの?」
「さっきから聞いてれば好き勝手言って……。」
………恐る恐る、声のする方を見れば………仁王立ちのジュリさんとキョーコがいた。
二人とも目が据わっている。
「クー。……後でじっくり聞くわ。」
「ショータロー……。悪いけど、もうあんたの事を好きだったのは過去の事なの。」
「松太郎君。女の子を弄ぶと痛い目を見るわよ。」
「パパ……隙が有り過ぎるのよっ!フェミニストなのもいい加減にしてっ!!」

「「二人ともしばらくそこで反省してなさいっ!!!」」

「ジュリっ!!」「キョーコっ!!」

「ママ。行こう!!」
「そうね。……キョーコ気晴らしに外でゆっくりして来ましょう。受験前なんだから少しは落ちつかないと。」



スタスタと、目の前を通り過ぎて行く、キョーコとジュリさん。
俺とおじさんは……ただ呆然とその姿がドアの向こうに消えて行くのを見送った。



「………。」
「………。」
「………目が覚めたな。」
「そうっすね。」
「………ショックかい?」
「自業自得ってヤツですよ。多分、俺の方がアイツをたくさん傷つけた。」
「……立ち話も何だから、コーヒーでも煎れるから、据わりなさい。」
「パイはいらないっすよ。」
「ジュリに言い付けるぞ……。」
「……イタダキマス。」
……その日食ったジュリさんのアップルパイは、やっぱりかなり絶妙で奇怪な味加減だったけど、とても温かかった。
昔……キョーコが俺に笑いかけてくれた時みたいに。



俺の初恋は終わった。



「おじさん。」
「何だい?」
「キョーコ…好きな男がいるぜ。」
「何ぃっ!?どこのどいつだっ!!」
……先生よぉ……俺からの餞別だ。
このおっさんを何とか出来たら、キョーコはあんたのもんだよ。



キョーコ泣かせたら許さねぇからな。



また笑ってくれよ。
俺にじゃなくていいから、笑ってくれよ。
お前の笑った顔が見たい。
ミルクティーみたいに、優しくて、甘くて、温かい微笑みで、俺の心を満たしてくれ。





すんません。
尚ちゃん……敦賀先生と対決ならず……。
代わりにクーパパが行きます。
多分。



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お世話になります。
そしてやるしかない!!!
(」゜□゜)」
あっぽちっと頼むぜ
スイッチオン

………………………こんなときでもお笑い脳。
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1 ■クーパパおもれーw

妄想癖あり?
付き合ってないのに付き合ったことになってるw
敦賀先生、てごわそうだよ
クーパパと対決かぁ
へたれてる場合じゃないねw

最初と最後、美しいー(*^o^*)
尚ちゃんいいね
あたたかいいい男ですね
ほっこりします

2 ■キョコたんのパパだから……。

>かめ・さん


キョコたんのパパとしては多少の勘違いとはやとちりは付き物で。


ええ……多少……。あはは。


クーパパはまたはやとちりで蓮さんとこに乗り込むのか?


それとも………それは神のみそ汁で。あははは。ではまたぁ。

3 ■クーパパと蓮?

クーパパと蓮の対決なんて、
めちゃくちゃ見てみたいです!!

でもって、間に入ったキョーコちゃんが、
あたふたするんでしょうか?
楽しみです‼!

4 ■パパ……なんで……。

>山崎由布子さん


コメントありがとうございます~

感激………。


パパVS蓮……付き合う前からロックオンされた先生……どうなるか私も微妙な気分に……ただいま……海猿見ながら続き書いてます。

先に進みません。
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蓮キョ大好きです。
駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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