甘いワナ 『奪ってもいいか?お前を… 〜レイノ〜』  修正版

これもちょっぴり直しました。
ちょっぴりですよ。
あいかわらず駄文です。
ご容赦下さい。


甘いワナ 『奪ってもいいか?お前を・・・ 〜レイノ〜』  修正版




彼女の気配がする。
その気配を辿り歩を進める。
彼女に会いたいという心のまま。
何よりも彼女が俺を待っているというならば、行かなければならない。
そこにどんな事が待ち受けていようとも。



最初に彼女の存在に気づいたのは、俺達に用意された楽屋の前だった。
着いた途端に脳裏に浮かんだ残像はいつもと違った姿の彼女。
彼女が俺達の楽屋の前を偶然通りかかった。
そこに立ち止まり、隣り合った楽屋眺めて妖しく微笑む。
俺が見た残像の中の彼女が、その時に何を思ったか、真意までは分からない。
分かるとすれば、これが「彼女の仕掛けた罠」だという事。
彼女は俺を待っている。
たとえ罠であっても、彼女が待っている事には変わりは無い。
いつも俺から逃げ回って、いつもおかしな思考で俺の存在そのものを否定する彼女。
その彼女が俺を待っている。
俺を誘う甘い罠。
その先には、あの凶暴なライオンが潜んでいるかもしれない。
それでも歩みは止まらない。
底知れぬ闇を背負った男の存在を思い出しても尚、抗えない誘惑。
この先の……あの角を曲がれば、彼女がいる。
恋を自覚した哀れな男を弄ぶ為に。
分かっていても引き返せない。
諦める気はない。
譲るわけにはいかない。
あの鋭い牙を剥き出しにした獰猛なライオンにも、凶悪な面構えのナイト気取りのアイツにも。
生まれて初めて『ほしい』と思ったものだから。
近づくにつれ話し声が聞こえてくる。
会話の内容が聞き取れるまで近づいて、改めて彼女の存在を認識した。
「ここで待ってれば来るって本当でしょうねっ!?」
「来るわよ。」
答えたのはキョーコの声だ。
「楽屋の方向と違うじゃない。収録スタジオはこの上の階だし。」
「必ず来るわ。大人しく待ってなさい。ツグミ。」
「意外だったわ。あんたが”出待ちしよう”なんて言い出すなんて。まさか、ファンなの?ナツ?」
「カオリにはそう見えるの?フフフ……今に分かるわ。」
「あたしは興味なさそうに見えるんだけど?」
「あんたも無さそうよね。ユミカ?なのに、なんでついてきたの?」
「何か裏がありそうだから。」
廊下の突き当たり。
右に折れ曲がったその先から聞こえる少女達の声。
角を曲がって姿をみせれば、残像の中でみたいつもと違う姿のキョーコがいた。
俺の存在、逸早く気づいたのはやはりキョーコだった。
まるで俺の現れるタイミングすらも計っていたかのように。
「ほら。来たわよ。」
挑発的な視線を向けて、彼女は笑っていた。
彼女の望みのままに、彼女に引き寄せられるままに近づく。
「レイノ!?うそーーーっ!!」
「本当に来たわっ!」
「………。」
同じ制服姿の少女達。
ドラマの共演者という関係なのだろう。
彼女を”ナツ”と呼んでいるところをみると、撮影現場を離れても演じる役に徹しているようだ。
おそらくは、キョーコの影響だろう。
俺が姿を現した事で驚いているのが2人、興味も無さ気に冷めた目でこちらを見ているのが1人。
そんな彼女等の中心で微笑む女。
あれは女だ。
少女なんてかわいい代物ではない。
壁に寄りかかり、どこか冷めた視線で、謎めいた微笑で、捕らえるような妖しさで、誘うような仕草でこちらを見ている彼女。
普段の彼女からは想像もつかないその容貌。
壁に背を預けて立つ姿は、本職のモデル顔負けの美しささえ醸し出している。
軽く撫で付けた髪も、うっすらと施したメイクも、誘うような視線も、醸し出す雰囲気も、いつもの彼女とはかけ離れているいるが、それでも彼女は彼女だった。
どんなに姿を変えても、彼女をつつむオーラの色は変わらない。
ここにいるのは紛れも無く最上キョーコだ。
「レイノ。勝手にいなくならないでくれるか?探すのが厄介だ。」
「しかしありえねぇよ。なんでアイツの楽屋が隣なんだ!!」
「………。」
「そこ〜っ!!間違っても”隣の楽屋が嫌で逃げ出したみたいだ”なんて思うなぁ!!」
ミロク達が自分を追って付いてきたようだ。
当然、キョーコの存在に気付くが、彼らが”詐欺天使”と呼ぶ存在と同一人物である事には気付いていない。
「うぉっ!!美っ人!!」
「レイノ君の知り合い?」
「幽霊ではなさそうだけが。ついに目覚めたか?」
「………。」
彼等が気付かないのは無理も無い。
そんな彼等に構わず、彼女に真っ直ぐ向き合った。
「キョーコ。」
彼女の名を口にした途端にギャラリーが大きく反応した。
「詐欺天使っ!?」
「嘘だろ……。」
「またバケタな。」
「………。」
「ちょっと知り合いなの〜〜っ!?」
「最初から言っといてよ!!」
「顔が広いわね。」
反応は様々だ。
「ごきげんよう。ビーグルさん。」
そんな周囲をよそに嫣然と微笑む彼女。
いつもなら俺の気配を察知して逃げようとするか、警戒するかどちらか。
対峙しても、すぐに噛付いてくるため、落ち着いて話なんかできやしない。
更に不思議な事に、あの細かいのも出てきていない。
あれは彼女が己の身を守るのに必要なアイテムのようなもの。
つまりは今の彼女にはそれが必要がない?
役になりきったままで、俺をかわすつもりか?
それともまた、アレを盾に取られては堪らないと思っているのか?
考えをめぐらせても、彼女の内心を読み取ろうとしても、全く掴めなかった。
ただ1つ確信できたのは……。
「俺を呼んだか?キョーコ。」
「呼んでないけど、来るとは思ってたわ。」
彼女はやはり俺を待っていた。
だが、いつものようには、こちらのペースに巻き込めない。
逃げる素振りくらい見せてくれれば少しは手の打ち様もあるのに、今はそれができない。
逃げないものを追う事はできない。
突き付けられた選択肢は一つだけで、それに縋るしか道はない。
彼女の背後の壁に手をついて、逃げ道を完全に塞ぐ。
「何故、逃げようとしない?」
彼女は笑った。
「逃げたら追いかけてくるんでしょ?あの時みたいに。”追われる”のは趣味じゃないわ。私は”追いかけさせたい”の。それだけよ。」
「どう違う?」
「主導権はあんた達にはないってところかしら。」
『”達”ね。』
それだけで、彼女の望むものがなんなのか分かった気がした。
「逃げないなら……このまま、奪ってもいいか?お前を。」
彼女を奪いたい、何もかも。
「ん〜〜。どうかしら?簡単には奪えないと思うわよ。」
「試して見るか?」
「できるならどうぞ。」
「怯えるお前を追い詰めて、後がなくなったところで手に入れたかったんだが、これも悪くない。」
見つめる先には彼女の感情のない瞳。
甘くて、無慈悲な罠。
捕らわれたのは俺。
彼女の艶やかな唇に引き寄せらていく。
声になり損ねた悲鳴あげる彼女等と唾を飲みこむ彼等の視線を感じながら、瞳を閉じた。
触れるまで、あと僅かな距離。
このまま絡め取られるかと思われた次の瞬間、鼓膜を激しく刺激する騒音とそこから伝わる衝撃の余波によって、この甘い誘惑から強引に引き戻された。



罠でもよかった。触れられるなら・・・。




つづきます。
よかったらそちらも見てくださいね。



キョーコちゃんに恋する男の心模様を書いてみたくて、書かせて頂きました。
一応「罠と知りつつ近づく男」、「罠と気づかず突き進む男」、「張られた罠にさらに罠を張り返す男」というテーマをもとに書いてます。
ちなににサブタイトルは言わせて見たい台詞でした。
私はレイノ君大好きです。
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1 ■ついに持って来ましたね♪

うふふ~( ´艸`)

つい最近読み返したけれど
このレイノは色っぽいわぁ~

『奪ってもいいか?』だものね(きゃはー///)

きっと皆さん心待ちにしていたと思いますよ
それにしても今晩はたくさんアップされましたね♪
素敵なプレゼントごち☆です

2 ■色気だけなら

>かめさん

蓮にも匹敵すると思います。

読み返して下さってありがとうございます。うれしいo(^-^)o


あ……SCANDALOUSできたので明日にでもおくりますね~。すんません駄文で。
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蓮キョ大好きです。
駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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