蒼い弾丸 ~お兄ちゃんは妄想中~ 

………キョーコに………俺のかわいい妹キョーコに………男ができた。



『お兄ちゃん。あのね。私…敦賀さんとお付き合いする事になったの。』

あの時の衝撃は………過去経験した事のないものだった。
思考どころか、呼吸まで停止して………一瞬、あの世まで見るかと思った。
甦る過去の幸せだった頃の記憶。
『大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるの。』……そう言って笑ったキョーコはかわいくて。

『お兄ちゃん。優勝おめでとう。』

『プロ契約が決まったお祝いだよ。』

『お兄ちゃん。大好き。』

……かわいくて、わかいくて………蝶よ花よと大切にしていた妹。(気分は既にお父さん。)
嫁にはやらねー……と心に決めていたのに……。(やっぱりお父さん。)
それなのに……あのヤローが……。
相手は天然タラシの敦賀蓮。
群がるレースクィーンやキャンギャルには目もくれず……レース一直線な男だった……はず……。
女に興味がねーのかと思いきや、キョーコと付き合いだした。
キョーコを選んだ目の高さは褒めてやる。
だが……認めるかどうかは別問題だ。
しかし……どうやったんだ?
どうやって、あのキョーコを落としたんだ?
キョーコは鈍い。
とにかくニブイ。
今までだって俺の目を盗んで何人かコクっていたが、その鈍さと曲解能力で見事にスルーしてのけていたキョーコ。
それをあのヤロー……どうやって………………………………………………。



「キョーコちゃん。……君が好きだ。」
敦賀さん。私も好きですよ。敦賀さんは素敵なお友だ……「ありがとう。両想いだったなんて嬉しいよ。」
「えっ?あっ…あの……つる……。「君が俺の彼女になってくれるなんて本当に嬉しいよ。」
「か…彼女?あの…「キスしてもいい?」
「えっ?キ……キ…キスぅ?えっ?あ…ダメですぅ~。」
「キョーコちゃん。逃がさないよ………。」

ヤツがキョーコをとらえて強引に迫る。
「おっ………お兄ちゃあぁ~~~ん!!」

俺に助けを求めるキョーコ。

「っ…蓮っ!!キョーコに何しやがる。ぐぉるぁーーーーーーーーーーっ!!」

はっ!!
周りを見る。
狭い休憩室………キョーコも蓮もいない。
いるのは俺一人。
何だったんだ今のは。
幻か?



キョーコがあいつと付き合い出して一ヶ月。
一ヶ月………何もなかったんだろうか。
いや……相手は蓮だ。
何もないわけが………。



「キョーコ。今日、うちに来ないか?君の手料理が食べたいんだけど。」
「いいですよ。何が食べたいですか?」

幸せそうな雰囲気……なんか……ムカつく……早送り……。
ボタンを『あ…ぽちっとな。』

「******」「#######」「******」「######」………………。

そろそろいいか…通常再生。

「ごちそうさま。美味しかったよ。キョーコ。」
「良かった。デザートはぷっ○んプリンですよ。」
「プリンもいいけど、俺はもっと甘いものが食べたいな。」
「敦賀さん。甘党なんですか?……言ってくだれば何でも作りますよ。何が食べたいんですか?」
「……うん、君。君が食べたいな。」
「敦賀さん……。」

腕を引かれ、そのままソファに押し倒されるキョーコ。

「敦賀さん。待って。」
「もう待てないよ。」

妖しげに笑う様は悪魔にも似て……。

「お兄ちゃぁ~~ん。」

涙目で俺を呼ぶキョーコの声。



「キョォーーーコーーーーーーっ!今助けに………。」

はっ………。
周りを見回しても、やっぱりキョーコも蓮もいない。
なんだったんだ、今のは……夢か?
それよりキョーコの心配だ。



キョーコ……ホントに大丈夫なのか……いや……いつもちゃんと帰って来るし……………………。



「キョーコ……。」
「敦賀さん……ダメです。こんな明るいうちから……破廉恥です。」
「大丈夫…そのうち慣れるよ。」
「あ……つる…がさ……。あっ………。そんなダ……メ………。」



「キョーーーーーーコォーーーーーーっ!!何で俺を呼ばねーーーーーーーっ!!」

はっ………まただ………俺…寝てたのか?…………白昼夢?
今のは幻だったのかもしれない……しかしだ……付き合ってるって事は、今は、まだ何もなくても……いつかは……。



「敦賀さん。お帰りなさい。貴方がいなくて淋しかったの。」
「キョーコ。一人にしてごめんね。」
「もう離れたくありません。このまま……あなたに包まれていたい。」
「でも、もうこんな時間だよ。帰らないと尚が心配するよ。」
「いいんです。お兄ちゃんの事は……私には敦賀さんだけ。」
「キョーコ……。いいの?本当に?」
「はい。」
「今夜は眠らせないよ。」
「敦賀さん……。」

重なり合う二つの影はやがて……。



「”やがて”どうなるっつんだよ!!!ちっとも、よくねーーーーーーーっ!!ざけんなぁーーーーーーっ!!!」
はっ……………まただ。つい夢を見るほど…寝不足なのか?自覚はないが……。



カーテンの隙間からこぼれる日の光。

「キョーコ。おはよう。」
「おはようございます。」
「身体…大丈夫?」
「大丈夫ですよ。朝ごはん作ってきますね。あっ………。」
「無理はしないで。今日は俺が用意するから……」
「蓮さん……。」

朝を迎えた恋人達がキスを交わし合う。



「キョーーーーコぉーーーーーーッ!!お兄ちゃんはそんなふしだらな娘を産んだ覚えはねぇぞーーーーーっ」



妄想は止まらない………。



「……産めないだろう、お前。……なぁ蓮。そろそろ………止めに行った方が良くないか?」

尚のいる休憩室の前。
中に入ることを躊躇い……その原因たる男を見やる。

「じゃ……社さん……お願いします。」
「なんで俺がっ!?」
「俺、これから彼女とデートなんですよ。悟られたくありません。」
「…………じゃ、ほっとくか。」
「ですね。」



彼をこれ以上刺激するのは好ましくない。
下手に近づいて感づかれたら……。
………………やはり、ここは放っておこう。
そのうち祥子さんあたりが止めてくれるだろう。
さらぬ兄貴に面倒なし。
少なくとも三日後まではなるべく近づかないでおこう。



-そして三日後。『……兄さん……事件です。』-



「お兄ちゃん。ちゃんとごはん食べるのよ。」
「ガキじゃねーっつーの!お前こそ旅行先ではめ外すなよ。」
「うん。行ってきます。」

親友との二泊三日の温泉旅行に向かったキョーコ。
……琴南が一緒なら問題ねーな。



その考えがまずかった……あまかった。



休みは家でゴロゴロしている俺。
キョーコもいない……祥子さんでも誘ってメシでも食いに行くか。



メシの後…祥子さんを伴い腹ごなしにぶらぶらと街を歩く。
そんな中、見知った人の姿が視界を掠めた。

「どうしたの?尚?」
「ん?あれは………飛鷹………と琴南っ!!???」

確か今日はキョーコと泊まりの旅行中のはず………………………-よみがえる三日前の幻覚-。
泊まりがけの旅……………………-繰り返すイケナイ白昼夢-。

『敦賀さん……もっと……。』『キョーコ……』………-増幅していく妄想-

『#####。』『******。』『  』『  』………-妄想は加速する-………超高性能早送りMAX再生中。
画質音質、世界最高水準まで達しました。



……………。



「尚、どうしたの?……あら?奏江ちゃん?………今日は確か………。あ………。」
「あっ!!」
「どうした?奏……げっ!?やべっ!!!」

向こうも俺に気が付いた。
……あの様子じゃ、キョーコの行き先は知ってるな。
飛鷹…お前もグルか。
後輩のくせにいい度胸してんなぁ。
締め上げて、吐かせてやる。



今日から敦賀さんと二泊三日の旅行。
帰りの時間を気にする事なく一緒にいれるんだ。……嬉しい。
私の心は踊っていた。
好きな人と同じ時間過ごせるのが、こんなにも自分を幸せな気分にしてくれるだなんて知らなかった。

「敦賀さん…今日はバイクじゃなかったんですね。」
「二日間だしね。それにバイクじゃ、君が大変だろ。」

敦賀さんとお付き合いして……初めての外泊……。
敦賀さんがバイクじゃなくて、車を出してきた意味をやっと理解した。
彼とお泊まりなわけだし……その延長線上に何があるか……考えていなかったわけじゃない。
自然に顔が赤くなる。

「いや?」

……嫌なわけがない。
その覚悟でここに来たのだから……。



ふいに携帯がなった。
ディスプレイには”お兄ちゃん”の文字。

「敦賀さん……お兄ちゃんからです……。」

嫌な予感。
通話ボタンを押すと……。

『……………キョーコ。』

地を這うような兄の声。

「お兄ちゃん…ど…どうしたの?」
『今”誰”と”どこ”にいる?』
「言ったでしょ。モー」
『琴南なら飛鷹と一緒にいるぜ。目の前にな。』
「……………。」
『迎えに行く。逃げんじゃねーぞ。』

エンジンの噴き上げる爆音の後、通話は一方的に切れた。

「敦賀さん……お兄ちゃんにばれちゃいました。どうしましょう。」

……運転席を見れば相変わらず涼しい顔でハンドルを握る蓮がいる。

「問題ないよ。これも想定内。」
「は??」
「バックシートの荷物が無駄にならなくて済みそうだよ。……時間的にも十分余裕あるし……まあ捕まらずに済むと思うよ。」

バックシートにはずっと気になっていた某有名菓子店の菓子折りが袋に入った状態で置いてある。……どうみても手土産品。

「君の携帯、GPS機能付きだよね?」
「あっ!!やだっ!!忘れてた!!!電源切らなきゃ!!」
「いいよ。切らなくても。……君のを切っても俺ので追跡してくるよ。」
「なんでそんなに落ち着いてるんですか~~~~っ!!!!」
「計画通りだから。」

敦賀さんは余裕で笑っていた。



GPSで奴らを追跡し、辿り着いたのは見知った場所だった。

「あら、尚……あなたまで。」
「母さん……キョーコは?」
「さっきまでいたのよ。キョーコったら、いつの間にあんな素敵な彼氏を見つけたのかしらぁ。あなたにベッタリだったから心配してたのよね。そしたら……うふふ。彼、あなたのチームメイトよね?敦賀蓮さんテレビや雑誌で見るより素敵だったわ。……結婚前提でお付き合いしてます……なんて挨拶されちゃったわぁ。」

なんだとぉ!?

「周平さんったら……びっくりし過ぎて居間でボケッとしてるわよ。あっ…彼ったらねぇ、私の事”お母さん”って呼んでくれたの~~。あんな美形な息子ほしかったのよね~~。……あなたは性格に難ありだし。」

……………………ヤラレタ。
蓮のヤローよりにもよって実家に……挨拶にきやがった。
……はっ。
それより追わないと……。
携帯を手にキョーコの番号を履歴から呼び出してかけた。
少しの間をおいて家の中から僅かにコール音が……。

「あら?」

母が玄関のドアを開けると菓子折りと小さな荷物が一つ、置いてあった。

「さっきキョーコから預かった荷物からだわ。帰りに取りに来るって言ってたんだけど……。」

えっ?
………まさか………。
携帯を切るとコールも止んだ。
今度は蓮の携帯にかけてみた。
……同じ荷物の中から僅かにバイブの音がした。

「あら~~~。見事にやられたわね~~。諦めなさい。尚。……あなたもおやすみなんでしょ?キョーコが帰るまで待ってればいいじゃないの。ね。」



その日………母ジュリエナの独創的なはずの料理の味さえもわからないままだった。



「私……最初は女の子がいいなぁ。」
「ジュリ!まだ早いよ。」
「そうだ!まだ認めてねーっ!!!」
「あなた達……小さいわね。」



不破家は……局地的に妄想の嵐が吹き荒れて、局地的に涙の豪雨に見舞われていたという。









ごめんして。
阿保妄想です。
尚お兄ちゃん……お気に入りだったりしているぽち。

蒼い弾丸の続き妄想でした。

ちゃんちゃん。




ランキングサイト様に登録しちゃいました。……なもんで、よければ、押して。押して。押して。
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お世話になります。
そしてやるしかない!!!
『ぽち』だけに
(」゜□゜)」
あっぽちっと頼むぜ
スイッチオン

………………………こんなときでもお笑い脳。
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1 ■お兄ちゃん・・・

青い弾丸 大好きです~!

でも大爆笑させていただきました(≧▽≦)

いろんな意味で哀れになってきたよ、お兄ちゃん・・・


ホントに2人が一線越えたらどうすんだ兄ちゃんヘ(゚∀゚*)ノ

2 ■お兄ちゃんは心配症w

蒼い弾丸の設定大好きです( ´艸`)

尚がキョコたんのお兄ちゃんだったら…この世界観はヤバしですw

「おっ……お兄ちゃあぁ~ん!!」がたまりませんでした♪
妹の何を想像しとるかね!!

とにもかくにも尚お兄ちゃんに禿げ萌えw

3 ■あっはっはっは~~~!!!

いいですね!!
お兄ちゃんの妄想をUPしてくださって感謝感謝です!!

素敵な家族だ・・・≧(´▽`)≦
蒼い弾丸シリーズ、たまらなく好きっすww

4 ■どうする兄ちゃん

>煉夏さん


きっと真っ白になってますよ。もうそうで回路も焼き切れてるかも……帰ってきたキョコたんの首筋にキスマーク見つけて……しばらくほけっと廃人に……………。


笑って頂けてよかった。

こんな駄文にかまって下さってありがとうございます!!

5 ■何の想像だ……マジで

>フレア☆さん

私もこの設定お気に入りなんでそう言ってもらえると嬉しいです。

ほんとに何想像してんだか………。

………たまにはこんな設定もよいかと。

6 ■よかったのでしょうか………

>Regulusさん


でも大方予想はついてたかなと………。これ以外書きようないもん。

わらっていただけてよかった。

あははは……

7 ■キョコたんの首筋に~~!!!!!

コメ読んでさらにwww
白い廃人になったその後も知りたいw

尚ちゃんも面白いんだけど妄想の中の蓮様が
素敵なお友達…「ありがとう。両思い…」のゴーインテクがうけましたw

読めてよかった~(‐^▽^‐)
今更の米でゴメ

8 ■いまごろみつけた(T-T)

>かめさん


すいません!!!奇数のコメだったのであけてみたら!!
コメが!!!すいません!!気づかなくて!!!

かめさんごめんなさぁい!今更遅いし。
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げっか(月華)

Author:げっか(月華)
蓮キョ大好きです。
駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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