CROSSING 3 ―胸を締め付けるこの想いは……―

こんにちは。月華です。
まずは作品紹介から。
今回アップの『CROSSING』は風月のスキビだよりの風月様こぶたのヒトリゴト。のマックちゃん様とわたくし月華の三人によるリレーで完全パラレルなお話しになっております。
風月様の持ちネタに三人で案を出し合って煮詰めたお話しです。
《1話目》を風月様
《2話目》をマックちゃん様
がそれぞれ書いていらっしゃいます。
まだ、読んでない方はそちらからどうぞ。(読んでない人いない気がする。規模はお二人の方が大きいから)
アメブロサイトな為、リンクはトップにはっています。
テーマ別(カテゴリー別)で呼び出すか、メロキュン総合案内もしくはメロキュン速報のリンクからご閲覧下さい。
本当は直でリンクしたいのですが、サーバーへの負担の元になるらしいので控えさせて頂きます。

ご面倒かけます。そしてすいません。

ではでは。
3話です。
お楽しみ頂ければ幸いです。





CROSSING 3
―胸を締め付けるこの想いは……―





早朝に着信を告げる携帯。
ディスプレイには”キョーコ”と表示されていた。

『ゆきちゃん、おはよ。』

通話ボタンを押せば、聞こえてくる明るい声。
自然に口元が綻ぶ。
社倖一。彼にとって、キョーコは掛け替えのない存在だ。
昔から誰よりも一番身近にいた女の子。
倖一が幼い頃から大切にしてきた存在。

「おはよう。」
『ちゃんと起きてた?』
「起きてたよ。今、朝メシの準備中。」

手にしたフライパンがジューと音を立てる。
正直を言えば、料理は苦手なのだ。
それ故に自分で作った料理のまずさに食事を抜いたり、コンビニのおにぎりや弁当ですませていたら、状況を知ったキョーコから怒られた。
それからというもの簡単なものではあるが、少しずつ料理を覚えた。
今ではキョーコが来てくれ時には自分もキッチンに立つ。
腕前はとても敵わないけれど。

『そう、良かった。……あのね、ゆきちゃん、今日も、そっちに行ってもいい?』
「変なヤツだな。いつもは連絡しなくても来てるだろ。」

夕飯を作くりに来てくれるのはいつもの事で、都合の悪い時にだけお互い連絡をするようにしている。

『うん。今日はゆきちゃんにどうしても相談したい事があってね。それで……。』
「分かったよ。そうだ、今日は外で食べよう。ハンバーグの美味い店教えてもらったんだ。行ってみよう。」
『奢り?』
「奢り。」
『やった!ゆきちゃん大好き!!じゃ、待ち合わせはいつものカフェでいい?』
「ああ、キョーコ、俺が行くまで大人しく待ってるんだよ?」
『やだぁ、大丈夫よ。子供じゃないんだから。じゃ、夕方ね。』
「ああ。」

キョーコと出かけるのは久しぶりだった。
存分に甘やかしてやろうと心に決め、焼き上げたばかりのキョーコ直伝の卵焼きを満足げに眺めた。



◇◆◇◆◇◆◇



「ヤバイ!遅くなった!!」

講義終了後、後輩に呼び止められて他愛もない話しをし、今度は教授に呼び止められて今後の講義の進め方について意見を求められ、最後は女の子に呼び止められて告白されて、断ったら泣かれて……宥めている間に時間は予定より大幅に過ぎていた。

”キョーコ、ちゃんとカフェで大人しく待っているだろうか?”

倖一の脳裏に不安が過ぎる。
キョーコは昔から可愛かった。
可愛いだけに近所でも、評判で”天使のキョーコちゃん”とまで言われていた。
”天使”というのは、彼女の乙女チックでメルヘンな趣味のせいでもあるが。
可愛いだけならいいのだが、彼女には大きな問題があったのだ。

トラブル引き寄せ体質。

特に男運がよろしくない。
良くない男ばかりを引き寄せる。
本人に自覚がないから、さらに面倒な事になるのだ。
俺が近くにいて事なきを得たが、誘拐されかけた事もあるくらいだ。
ナンパ目的で近づかれても全くそうとは気づかない。
変に男達が絡むため、女ウケもよろしくない。
キョーコに女友達がなかなか出来ないのもそれが要因だ。
女の嫉妬。
倖一に近づいて来た女の子達の中にもキョーコをよく思わない子もいて、陰で難癖つけられていた。
当然それを放っておけるはずもなく、結果”倖一が女の子をふった”という状況になるのはいつもの事。

”俺がキョーコを守っていくんだ。”

幼い頃からその思いを胸に生きてきた。
それはこれから先も変わりはしない。



◇◆◇◆◇◆◇



今朝、倖一に連絡をいれた。
彼とはいつも一緒だった。
大好きで大好きで、”ゆきちゃんのお嫁さんになる”が小さなキョーコの口癖だった。
今だって大好きなのだ。
誰よりも信頼している。
悩んでいれば、相談にのってくれる。
困っている時は、いつだって助けてくれる。
迷っている時には、正しい道を示してくれる。
今回の事も、ちゃんと答えを出してくれるのだと思ったのだ。
だから相談する事にした。
カフェについてすぐに、倖一から遅れると連絡があった。
大学を出たばかりだというから、もう少しかかるだろう。

「ゆきちゃんが来るまでお買い物でもしてようかな。」

携帯を操作して、メールを一通送ってからカフェを出た。



◇◆◇◆◇◆◇



蓮が街に出たのは、ただの気まぐれだった。
最後の講義が休講となり時間が空いた為気晴らしに散策してみようと思っただけの事。
あてもなく歩き、日が傾き始めた頃、近くにコーヒーの美味い店があるのを思い出して立ち寄るべく足を向けた。

「ん?」

店の近くの歩道に4人の男達の姿を見つけた。

”やめとくか。”

何となくカフェに入る気が失せて、諦めようとした時……。

「それ、返して下さい。」

……女の子の声がした。
男達に隠れて姿は見えない。
どうやら女の子が絡まれているらしい。

「せっかくケータイ拾ってやったんだぜ。礼くらいしてくれよ。」
「お礼なら言いましたよね。」
「全然足りないね。態度で示して貰わないと。なぁ?」
「そうそう。ご奉仕してくれよ。」
「最高に楽しいところに行こうぜ。」

高く掲げられた男の手にピンク色の携帯が握られており、伸び上がる女の子の手が見えた。

「返して!!」

女の子がジャンプして携帯を奪い返そうとするのに男が一歩退いて躱した。
隙間が空いて女の子の細い腕が別の男によって捕まれたのが見えた。

「ちょっと離して!」
「いいだろ。これからもっと親密になろうぜ。なぁ?」
「痛い。離してってば!」
「いいから、あっち行こうぜ。」
「離してっ!…ちょっ…ちょっと!いやっ!!離してよっ!!…ゆ…ゆきちゃん。ゆきちゃん助けてっ!!」
「ゆきちゃんってお友達ぃ?」
「その子も一緒に連れていってあげようか?」

状況はどんどん悪い方に進んでいる。
面倒事は好きではなかったが”仕方ない”とばかりにその場に近付いた。
そこで蓮が見たのは、昨日出会ったばかりの少女の姿で……。

「最上さん!?」

絡まれていた女の子は奏江の親友の最上キョーコだった。
彼女だと認識するや、蓮の身体は考えるより先に動いていた。
キョーコを捕らえていた男の手を引きはがし、同時に彼女の手も掴んで引き寄せる。

「えっ!?あっ!モー子さんのお兄さんっ!!」
「大丈夫?」

彼女を背後に庇って、男達の前に立つ。
蓮は自分の長身を活かして男達を威圧した。

「携帯、返して貰おうか。」
「なんだよ。テメー!いい度胸じゃねーか。」
「カッコつけて痛い思いするより、逃げた方が楽だぜ。お兄さん。」
「俺としては、その彼女の代わりに相手してくれてもいいぜ。」

腕に自信のあるらしい男がファイティングポーズをとる。
緊迫した状況にキョーコは青ざめながら表情のない蓮を見上げ、男達は楽しげに顔をニヤつかせていた。

「そのおキレイな顔、男前に整形してやるよ。」

蓮の顔面を狙って繰り出された右拳を僅かな動きだけで交わして、目的を失って脇をすり抜けた腕をわし掴む。

「ん?」
「俺、ケンカ…慣れてないんだ。」
「あ?」
「だから、手加減難しいかも。」
「あ?」

状況が一変したのは、次の瞬間だった。

「っ!!離せテメェ。」
「さっき、彼女もそう言ってたよね。少しは彼女の気持ちを味わってみたら?」

何が起きているのか、キョーコも他の男達も把握しかねていた。
蓮に腕を掴まれたままの男の顔が苦痛に歪んでゆく。

「離せっ!!腕がっ!腕が折れちまう!離してくれーーーっ!!」
「まさか、そこまで怪力じゃないよ。手だったら骨折くらいはしてるだろうけど、腕だしね。しばらく不便な思いをする程度じゃないかな?」

やっと状況は飲み込めたが、予想外の展開に思考が追いつかない。

「君がリーダーだよね?」

キョーコの携帯を持ったまま、唖然としていた男に声をかける。

「その携帯返して、おとなしく引き下がってくれる?」
「あっ……。」

手にしたまま忘れ去っていたものの存在に気付き、蓮に向かって慌てて放り投げた。

「おっと、あまり乱暴にしないでほしいな。」

空いた片手でキャッチして、もう用はないとばかりに男の腕を離す。
男は蓮から解放され自由になった腕を引き寄せて蓮から退いた。

「一応、力は加減したつもりだけど、病院に行った方がいいかもね。」

蓮が掴んでいた腕には赤どころではない手形がくっきりと浮かび、その腕を見た誰もが青ざめた。

「何?君らも体験してみる?それなら……。」
「おっお前ら、行くぞ。」

バタバタとその場を後にする男達の姿を見送った。

「はい、携帯。怪我はないね?」
「あっ…ありがとうございます。」

携帯を返す際に僅かに触れた手。
キョーコがビクリと反応する。

「………。」

何故だか、それが蓮の胸を刺した。

”何なんだ?今の。”

「キョーコ!!」

背後から彼女を呼ぶ声がした。
振り向けば蓮もよく知る人物だった。
息を切らせながら走ってくるのは蓮の通う大学の先輩であり、所属するサークルの部長でもある社倖一だ。

「社さん?」
「ゆきちゃんっ!」

蓮の脇をすり抜けて、倖一に走り寄るキョーコ。
蓮の目の前で予想もしていなかった展開が繰り広げられる。
キョーコが倖一に抱きついたのだ。

「ゆきちゃん。」
「キョーコ、どうした?遅くなってごめんな。危ないからカフェで待ってろと言ったのに。返信したのも見てないだろ、お前。」

抱き付いたままのキョーコとそれを当然のように受け止めた倖一。

”何故、社さんと彼女が……。”

蓮は二人の親密さを目の当たりにし、胸を刺すような痛みを感じた。

「あれ?蓮。お前がなんでここに。」
「えっ?ゆきちゃん、知ってるの?」
「ああ、大学の後輩だよ。蓮……あいつがどうかしたのか?」
「ううん。あのね、今、助けてもらったの。それと友達のお兄さんなのよ。」
「助けてもらったって、お前、また何かあったのか!?」
「えっ…とぉ。」
「よくない連中に絡まれてたんですよ。俺は止めに入っただけです。」

蓮の胸を走るわけの分からない痛み。
その痛みを押し殺して、彼らに近付いた。

「最上さ…。」

彼女に声をかけると、さっと倖一の後ろに隠れてしまった。
胸の痛みが強さを増す。
女の子から、こんな風に避けられるのは蓮にとって初めての事。
何故だかショックを受けている自分に戸惑った。

「ゆきちゃん。」
「ん?大丈夫、こいつは怖くないから。」
「えっと、そうじゃなくて。」

ちらりと投げてよこされた視線と目が合う。
キョーコはまた、ささっと倖一の背後に隠れてしまった。

「………。」

そんなキョーコの反応が、蓮の心をさらに重くする。

「ゆきちゃん。」
「本当にどうしたんだ?いつものお前らしくないぞ?」
「えっと、あのね……。」

小さな声で倖一に耳打ちするキョーコ。

”この想いは……何だ?”

「ん?…えっ?…はずか…「言っちゃダメーッ!!」

倖一の口を両手で塞ぐ彼女。

「あのな、キョーコ。」
「言っちゃダメ!!」
「……全く、お前は。……蓮、悪かったな。手間かけて。」
「いや…別に…。」
「コーヒーでも飲みに来たんだろ?ここのは美味いからな。キョーコを助けてくれた礼だ。奢るよ。キョーコ、お前にはお説教だ。」
「ええ~~~っ!!」

少し拗ねた顔で倖一を見上げるキョーコ。
その姿を蓮は切なげに見つめた。

”何故、こんなにも苦しいんだ?何故、こんなにも彼女が気になる?”

倖一の腕に抱き付きながらカフェのドアを潜る彼女。
倖一を見上げて微笑む彼女。
彼女の隣にいるのが己だったのなら……。
その笑顔が己に向けられたものならばどんなに嬉しいか……。

そこに到って初めて気づく。





―――俺の心を捕らえて放さないのは君の笑顔。
胸を締め付けるこの想いは……恋。





《4話》へ続く
風月さんへバトンタッチ
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