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恋心 2nd Stage ~Tonight~ 最終話

夜の闇を賑やかな明かりが照らす園内。
巨大な人口池の周りは人でごった返していた。
もうすぐ始まる水上のショー。
彼女が楽しみにしていた火の精霊と水の精霊の恋の物語だ。

『ようこそ 夢の国へ』

スピーカーからテーマパークを代表するキャラクターの声がしてショーの始まりを告げた。

各キャラクターを乗せたメルヘンチックな船が何隻も集結してくる。
それぞれが、それぞれのテーマを掲げ、観客メにッセージを送っている。
夢の国らしい構成だ。
その後に始まったのが火と水の精の恋の物語。
激しく燃え上がる火の龍が雄々しく姿を現し、水のドレスを纏う精霊が優美な姿を見せる。
それをキラキラと目を輝かせ、うっとりと見つめる彼女。
きっと彼女の脳内では、もっとファンタジックな姿で再現されているのだろう。

キョーコ……俺を忘れてる?

それが悔しくて、彼女の耳元で囁く。

「キョーコ。楽しい?」

俺と二人でいる時よりも楽しい?

「っ!?」
「キョーコ…。」

彼女の反応が可愛くて、火がついた俺。
君にも燃え移ればいい。
あの火の精みたいに俺を思って、全身を焼き焦がせばいい。

「せっ先生っ!?」

君は悪い子だなぁ。
そんなに俺に触れて欲しいの?

もうお風呂も、その後の事も確実だけど、それでもまだ俺を煽って来るなんて。

「先生…見られちゃう。」
「何を?まだ俺は何もしてないよ?」

そう、君の耳元で囁いているだけ。

「先生の意地悪。」

もう俺にも彼女にも余裕なんてカケラもない。
ショー自体はそんなに長いものでは無いのか、盛り上がり具合で終盤まで差し掛かっている事を感じ取る。
だが火と水の恋なんてどうでもいい。
俺はもう彼女しか見ていない。
彼女は?

「ホテルに行こうか。」
「先生の……バカ。」

それが君の答えなんだね。

俺は彼女を抱き上げて、園内からも入れるホテルへと向かった。

ドーンという音のすぐ後にひゅるひゅると花火の打ち上がる音。
美しい音楽に流れてきてそれに合わせて空に舞い散るいくつもの光。
閉園を告げる花火だ。
同じようにホテルにチェックインする客の中でも彼女を抱えた俺の姿は殊の外目立つのだろう。

「宝田様お帰りなさいませ。いかがいたしましたか?」

支配人が声をかけてきた。
実をいうと父であるあの人が、このテーマパークの大株主だった。
本名の宝田でツインを予約したのだが、昼間荷物を置きにチェックインの時に案内されたのはスィートルーム。
一介の教師である俺の給料では正直きつい支払いになる。
間違いでは無いのかと聞いたところ、ツインルームの料金のままで構わないという事だった。
今日のデートは父も知っていたから、手を回してくれたのかもしれない。
父に感謝かな。

「彼女が体調を崩してしまったようで。少し休めば良くなるかと。」
「すぐに鍵をお持ち致します。」

支配人がフロントにキーを取りに行ってくれた。

「ご入り用の物がございましたらお部屋までお持ち致しますが?」
「大丈夫です。後でルームサービスで飲み物をお願いすると思います。」
「承知致しました。」

エレベーターに乗り込んで、今夜、彼女と過ごす部屋を目指す。

待ち切れない。

待ち切れなくて閉ざされた狭い空間の中、彼女の唇を奪う。
甘い吐息も飲み込んで、彼女のすべてを奪い尽くすように貪る。

俺のだ。
俺だけのもの。
潤んだ瞳も、甘く囁く唇も、柔らかな肢体も全て俺だけの……。

到着を告げるエレベーターの電子音で彼女を解放する。

彼女に恋をして、恋い焦がれ、見つめ続けてやっと手に入れた愛しい人。
もう何度も肌を重ねた。

「君はさっきの火と水の精みたいな恋がしたいの?」
「先生?」
「俺は嫌だな。君に触れられない、見つめ合うだけの恋なんて俺は堪えられないよ。……そんなの無理だ。」
「……私も……イヤ。先生と一緒にいたい。ずっと手を繋いでいたい。抱きしめてほしいです。」
「それだけ?」
「………先生のバカ。」

キョーコを抱えたまま、バスルームへと向かう。

「先生……蓮、大好きですよ。」
「俺も。」
「俺も…何ですか?」
「聞きたい?」
「言って下さい。……言って。」

艶を含んだ唇で紡ぐ言葉は呪縛。
俺を誘う潤んだ瞳は甘いワナ。
解放されたいとは思わない。
このまま捕われていたい。

「キョーコ。好きだ。愛してる。」

この夜を君と過ごす以外に何ができるというんだろう。
見つめて見つめ返して、二人で互いの瞳を奪い合う。
抱きしめて抱きしめられて、存在そのものさえ奪い合う。
衣服も温もり唇も二人で奪い合う。
激しく強く繋ぎあう。

降り注ぐシャワーは俺達を引き離すどころか、二人を包み込み、互いの肌を密着させようとする。
互いを隔てるものは何もない。
これが水の精霊達の愛し方なのかもしれない。

火の精霊も水の精霊もきっとこうして触れ合いたいと願っているに違いない。

たとえ互いの存在を打ち消し合う事になったとしても触れ合わずにはいられない。
命の炎さえ消えてしまおうとも、燃え上がる炎に晒してその身を削り取らるようとも構わないのだ。
互いな存在すら超えて共にある事を望むなら悪くはない。
手を取り合えないのなら、身体も意識も魂も溶け込んでしまえばいい。
むしろその方がいい。

今夜は彼らのように激しい恋をしよう。

溶け合うくらいに愛し合おう。

俺達を隔てるものなんかいらない。

モラルも世間体も、もう関係ない。

俺達ふたりだけの世界をふたりで見ていこう。



◇◆◇◆◇



燃えるような熱い夜を過ごした次の朝。
恥ずかしそうにしながらも”おはようのキス”をくれた彼女。
最高に幸せな気分だった。
―――そう。
このホテルのレストランで彼らの姿を見るまでは。

朝食を食べにレストランに行ったところ、スタッフに案内された先は、広い別室―――VIPルームだった。
そこには俺達も唖然とする光景が待っていた。

「モーーーっ!なんなのよっ!このどこもかしこもメルヘンチックな作りは!!」
「……そうね。もう少し落ち着いてる方が……。」
「本当はこういうの好きなくせに。素直じゃないんだから。」
「私は大好きですぅ。あんなお部屋泊まれたなんて幸せですぅ。アメニティーがすごくかわいくってぇ。」
「……このコーヒー、いい豆だわ。でもうちの店の味にはまだ……。」
「うっし。その顔でパンケーキって……どうもなぁ。」
「ああ?出資者に文句たれるなんざ。いい度胸じゃねぇか。」
「私達まで良かったのかしら?あんなお部屋に泊めて貰って。」
「いいんじゃないかな?おかげで各部屋をただで取材できたし。中でもイル・マーニフィコ・スイートは凄かったね。さすが一泊50万の部屋だよ。」



イル・マーニフィコ・スイート………それは夕べ俺とキョーコが泊まった部屋だった。



「アンタ達ここで何してるんですかっ!!」
「おはようさん。何って、見ての通り朝メシを食ってるんだが。」
「よぉ。ここのパンケーキ、なかなかいけるぞ。」
「そうだわ。今日はホテル内で模擬結婚式をするらしいわよ。」
「それは是非取材したいね。いつか使うだろうし。」



「みんな、どうしてここにいるのっ!?」
「あら、キョーコ。おはよう。」
「こんなところで会うなんて偶然ねぇ。」
「昨日は尾行で、それどころじゃなかったから、今日こそ遊ばないと!」
「私もですぅ。ビデオ撮るのに忙しくてぇ。でも、あの展開はびっくりでしたよね~。」
「昨日は、砂糖も入ってないのにコーヒーが甘くて死ぬかと思いましたよ。」



「~~~っ!?」
「いやあぁーーーーっ!!」



スイートルームに宿泊した俺達を前にホテルのスタッフは静かに朝食を並べていく。
ホテルの部屋が変更されていたのは彼らの仕業。
響き渡るキョーコの叫びさえ、彼らの計算のうちだった。



「もーけさせて貰った礼だ。これでチャラな?」
「………。」

「今日はデバガメはしないから好きにいちゃつきなさいよ。見るのも疲れたわ。」
「~~~っ!!」



黒崎さんがニヤリと笑い、琴南さんがうんざりした様子でコーヒーを啜っていた。



悪魔だ。
こいつらは悪魔なのだ。
俺には見える。
捩り曲がった角やら、尖んがったしっぽやらが見える。



悪魔達の巣窟と化した室内に居座れるはずもなく、俺とキョーコは朝食もそこそこにその場から逃げ出したのだった。



◇◆◇◆◇



「そんな事があったの?キョーコママ、大変だったのね。」

それはもう、昨日の事のように覚えているよ。
いろんな意味で忘れる事の出来ない思い出だから。

「そうなのよ。みんなで私達を見ていたらしいの。恥ずかしかったわ。それに緒方先生が、それを小説にしちゃったのよぉ……。」
「挿絵の変わりに俺達のデートシーンが写真で使われてね……。」

手だけとか、シルエットとか、人物が特定出来ないようにはなってはいたが、間違いなくあれは俺達だった。

「それって緒方先生の”恋心”シリーズ!?嘘っ!?私、それ持ってる!!じゃあ、もしかして嘉月と未緒ってパパとママの事なの?あれに出てくる白雪ちゃんって私なの??ええっ!?嘘っ!!」
「あれ…持ってたの?そうなるね。ごめんね?」

懐かしく、そして恥ずかしさが先立つ産物。
さすがは緒方先生というしかないが、俺達を題材にした小説は売れに売れ映画化までした。
映画を見せられた時は本気で恥ずかしさで死ねると思った。
原作者と脚本は緒方先生、監督は新鋭写真家から転身した新開さん、音響監督は売れっ子バイオリニストの黒崎さんが務めた映画はいろんな意味で話題となり、今では名作の一本とされている。
あの映画の存在は忘れさってしまいたいのに、そうは出来ない現実がここにはあるのだ。

「でも、ステキ。蓮パパとキョーコママはステキな恋をしていたのね。それにたくさんの人が応援してくれたんだ。私もこんなドラマみたいな恋をしたいなぁ。」

大きくなったゆきひめちゃん。
彼女には俺達の恋の物語は憧れの対象であるらしい。
せつなくて、じれったくて、なかなか進展しない恋だったのだけど。
ギャラリーもかなり騒がしくて、落ち着いてなんかいられないほどだったんだけど。

だけど、それが俺達の恋だった。

「さて、もう遅い時間だよ。もう寝なさい。」

もっと話しを聞きたがるゆきひめちゃん達にそう言い聞かせたが、本当のところは単なる照れ隠しにすぎない。

「おやすみ。」

俺はキョーコを連れて、今夜二人で過ごす部屋へと引き上げた。
正直な気持ちを言えば、キョーコと二人だけで、恋人同士だった時と同じ様に過ごしたかった。
俺の恋の相手は、結婚して、子供ができた今でも彼女のままだから。

これから先もそれは変わらない。
彼女への恋心は変わったりはしない。
夜の園内をバルコニーから見下ろしながら思う。
恋と愛の違いなんてわからないけど、彼女が好きだという思いだけは変わらない。
この夜も彼女への恋心を抱いたまま過ごすのだ。
何年経っても変わずに互いを思い合うあの精霊達のように………。



恋心 2nd Stage ―了―




『恋心』最終輪です。
やっと一つ終らせました。
中途半端はいけませんよね~。
なのにいつも中途半端で止めとくあたり……反省中です。

新しいのを書きたいけど、まずは今やってるのを終らせないとね。

ここまで引き伸ばして、このラスト。
すいません。
月華の限界です。
ゆるして。

ではまた。


月華




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……なもんで、お気に召して頂けましたら、押して。押して。押して。
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お世話になります。
(」゜□゜)」
あっぽちっと頼みます。
スイッチオン

こんなときでもお笑い脳。




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恋心 2nd Stage 〜太陽のKomachi Angel〜

夕暮れが近づく。
薄く朱に染まりゆく空。
高い建物の上から園内を見下ろした。
左腕にゆきひめちゃんを抱いて、右手はキョーコの手を握る。
さっき、ゆきひめちゃんのお母さんから仕事が終わったと連絡がきたところ。
飯塚先生もこちらに向かっているらしい。
一日パパも終わりかと思うとちょっと寂しい。
キョーコも同じ気持ちのようだ。

「楽しかったですね。」
「蓮パパ、キョーコママ、ゆきひめも楽しかったよ。」
「ゆきひめちゃん、今日はありがとう。」

三人でしばらく眼下に広がる景色を眺めた。

「そろそろゲートの方に行こうか。」
「あっ……私、大丈夫でしょうか?飯塚先生が…。」
「大丈夫だよ。ほら、行くよ。」

彼女を促して、階下に降りる。

「蓮パパ、上にぶつかりそうだよ。」
「そうだね。」

乳白色の壁は地中海に浮かぶ島にある建物を再現してあるようだが、小さめに設計してあるのか、天井が近い。
ゆきひめちゃんを抱いたままだったから、尚更慎重に階段を降りた。



ゲート付近の店に入り、時間を潰していると、携帯がなった。
飯塚先生からだ。
『敦賀先生。着いたわ。ゲートから入ったところなんだけど。』
「今、行きます。」
「ママ、着いた?」
「ゲートのところで待ってるよ。」
また、ゆきひめちゃんを抱き上げて、不安そうなキョーコに片方の手を差し出した。
キョーコの手を握る為の手。
一日パパ、ママという基調な時間はここまでだけど、君だけは手放せない。
ずっと一緒にいよう。
言葉にしなくても、彼女は頷いてくれた。
幸せを感じながら、歩き出す。



「敦賀先生。こっちよ。」
ゲートの側で飯塚先生が、手を振っていた。
大原さんも一緒だ。
「ママーっ!」
元気なゆきひめちゃんに大原さんもホッとした顔をする。

俺とキョーコの役目は終わったんだな。

「先生。」
切なげなキョーコの声。
「寂しいな。」
俺の手をきゅっと強く握る。
「キョーコ、10回目。」
「蓮さんなんか、大っ嫌いですぅ。」
ぶわっと涙が溢れ出したキョーコ。
果てはわんわん泣き出した。
「蓮パパ、キョーコママをイジメちゃダメなのっ!」
「イジメてないよ。……それにね、キョーコが泣いてるのは、イジメたからじゃないよ。ゆきひめちゃんとのお別れが悲しいんだよ。」
「ホント?」
「ホント。」
泣いたままの彼女を抱き寄せて、飯塚先生達のところに向かった。
「お待たせしました。」
「あら、どうしたの?彼女…泣いているじゃないの。」
「ゆきひめちゃんとのお別れが悲しいみたいで。」
腕に抱いたままのゆきひめちゃんが「泣かないで。」と、キョーコの頭を撫でていた。
本当によくできた子だ。
「あらまぁ。」
「本当に大丈夫でしたか?ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
「いいえ。本当に楽しかったんです。彼女とは将来を考えていますから、いい体験をさせて頂きましたよ。」
「仲がいいのね。敦賀先生に彼女がいるなんて生徒達が知ったら、ショックでしょうね。……そういえば、バレー部の子達には会わなかった?」
「会いましたよ。休み明けには広まっているんじゃないですか?」
本当はもっと複雑な経緯と意図が絡みあっているけれど、話すのも面倒だし、まぁいいか。
彼らを上手くあしらう事……あれが一番手っ取り早かった。
キョーコにも俺の気持ちを信じて欲しかったし、後悔はしてない。
月曜日は朝から騒がしくなるかもしれないけど、笑顔で肯定しよう。
「幸せ満喫中なのだと思うけど、その笑顔……、何だか意図的なものが見え隠れしてるわよ。……まぁ。仕方ないわね。」
実際、幸せですからね。
何と言われようとも揺るがない事実だ。
「キョーコ。ほら泣きやんで。同じ学校の先生で飯塚先生だよ。」
当然、キョーコも知っているけれど、ここは別人を装って貰わなければならない。
あの学園に勤めている限りは仕方のない事だった。
問題は何と名乗るかだけど……。
別に名乗らせる必要もないのだけど。
そうだ、こうしよう。
「飯塚先生、彼女は宝田キョーコ。未来の俺の奥さんです。」
学園には母の旧姓”敦賀”で通しているが、宝田蓮が俺の本名だ。
いずれは彼女にも名乗ってもらう事になる。
キョーコもびっくりして泣き止んだ。
「キョーコ、その驚いた様な顔は何?俺の奥さんになるのは嫌なの?」
本当に君はかわいいね。
カウントは取り消さないし、今夜は一緒にお風呂だけじゃ済まないから、覚悟してね。
そんな俺の意図を察したのか、彼女は頬を微妙に引き攣らせていた。
「宝田?…まさか、理事長のご親類?」
「ええ。」
不自然なくごまかせただろう。
それに、近い将来彼女が名乗る事になる名前だ。
「本当に休み明けが怖いわ。学園中大騒ぎじゃない。」
「申し訳ありません。」
父さんの耳にも当然入るだろうが、あの人の事だ、便乗してお祭り騒ぎを起こすかもしれないな。
そっちの方がやっかいだ。
我が父ながら、困った人だ。
「あの……ご挨拶が遅れました。たっ…宝田…キョーコです。」
元来、礼儀正しい彼女。
まだ、挨拶していない事に恐縮しながら、頭を下げた。
「さすが理事長のご親類ね。今時の子にしては綺麗な仕種ね。」
真っ赤になっているキョーコ。
こんな事で動揺してどうするんだろう。
本当にかわいいよ。
「敦賀先生。顔が弛んでるわよ。」
「幸せそうでうらやましいわ。」
「生徒達にもその顔見せていたの?教師としてしまりが無くて感心しないわよ。なんの為に教えて上げたんだか分からないじゃないの。」
「助かりましたよ。対策は取れましたから、問題ありませんよ。ありがとうございました。」
「対策……ね。まあ、いいわ。敦賀先生、キョーコさんも今日はありがとう。」
「本当にありがとうございました。後日、改めてお礼に上がります。せっかくのお休みの日に申し訳ありませんでした。宝田さんもせっかくのデートを邪魔してしまって。さ、ゆきひめ、こっちいらっしゃい。ママにもだっこさせて。私も寂しかったのよ。」
優しく微笑んで腕を差し出す大原さんに、ゆきひめちゃんもにっこりと笑う。
……やっぱり、本物に敵わないか。
ちょっとだけ寂しく思いながら、ゆきひめちゃんを大原さんに返した。
「ホントに楽しかったよ。ゆきひめちゃん、ありがとう。」
キョーコは涙ぐみながら、大原さんの腕に抱かれたゆきひめちゃんの頬を撫でた。



「寂しい?。」
「はい。」
「じゃあ、結婚して家族作ろうか。」
「〜〜〜っ!!」



ゆきひめちゃん達に別れを告げて、手を振りながらその場を後にする。
これからは二人だけの時間。
望んでいた甘い時間である事に変わりはないのに、ひどく寂しく思えて仕方がない。



「蓮パパ!キョーコママ!」



後ろから、ゆきひめちゃんの声がした。



振り向くとパタパタと可愛らしく走り寄るゆきひめちゃんがいた。



「どうしたの?」
ゆきひめちゃんの目線まで二人身を屈ませた。
「ゆきひめ、まだ言ってないもん。」
「え?」
「あのね。レンパパ、キョーコママ、ありがとう。大好き!」
そう言って小さな可愛らしい天使が、俺とキョーコの頬にキスをくれた。
天使からのキスなんて、祝福のキスと相場は決まっている。
俺とキョーコの幸せを祝福してくれる天使のキス。
俺とキョーコは一度、顔を見合わせて、笑いあった。
「「ゆきひめちゃん、ありがとう。また、会おうね。」」
祝福のキスをくれた天使の頬に、二人一緒にキスのお返しをする。



ありがとう。
小さな天使がくれた幸せな未来への予感に心から感謝した。



俺達の行く先を照らす太陽そのものな小さなAngel。






さて、とりあえず、アップ。

すいません。
まだ終わってません。
ごめんなさい。

何が終わってないかと言えばいろいろです。

この後の二人とか、冒頭の状況に戻したりとかいろいろ考えてます。

あまり、ダラダラ書いて脱線しそうでもあるけど。

もう少し、お付き合い頂けると嬉しいです。

ではまた。



月華



恋心 2nd Stage 〜LADY NAVIGATION〜

若干の問題を残しつつも、危機は回避した。
残した問題というのが厄介だ。
彼女ときたら、相変わらず無意識でライバル増やしてくれるものだから、困る。
まぁ、渡さないけどね。



「そろそろ、ランチに行こうか。」

予約していたレストランには幼児一人が増えた事も連絡している。

「早めにランチをして水上ショーを見よう。本当はショーを見ながらが良かったけど、さすがに予約いっぱいで無理だったから。ごめんね。」
「ここに来れただけでも嬉しいですもの。ね、ゆきひめちゃん。」
「うん。大丈夫だよ、蓮パパ。」



園内にあるホテルのゲートで手首にスタンプを押された。
紫外線を当てると浮き出るようになっているらしくキョーコとゆきひめちゃんは、それさえ楽しみで仕方がないらしい。

「蓮さん。今、笑いましたね。」
「だって君達、もうホテルから出ること考えてるから。」
「いいじゃないですかっ!ディズ○ーなんですよ。スタンプ一つだって絶対かわいいんです。」
「そうだね。」

本当にかわいい。
かわいくて仕方がないよ。

「後の楽しみにとっておこうね。」
「「はいっ!」」

眩しいまでの笑顔が二つ、花開く。



「いらっしゃいませ。」
「予約している敦賀ですが。」

スタッフの案内で中に通される。
レストランと言えど、そちらこちらがどこかメルヘンチックで、キョーコは目を輝かせていた。
席につくとメニューを出され、あれこれ三人で考えた。
コースでも良かったけど、中華のコースは正直にキツイ。
好きな物を頼んでシェアできる物はシェアした方が良さそうだ。
ゆきひめちゃん希望のお子様ランチと、俺達は好きな物を一皿ずつ頼んで、取り皿もお願いした。
待つ間も次ぎの予定で、会話は華やぐ。
そのうち、スタッフがケーキを運んで来てくれた。
事前に頼んでいたアニバーサリーのケーキ。
彼女の卒業祝い。
それとゆきひめちゃんとの出会いのお祝いにも一つ追加しておいた。
追加した分のケーキは遠慮したけれど。
テーブルに置かれた小さめのホールケーキ。
丸い板チョコが2枚付いたフォルムは、このここの人気キャラクターを模しているらしい。
それを見たキョーコとゆきひめちゃんは目をキラキラと輝かせていた。

「かわいい!」
「蓮パパ、すごいよ!ミッ○ーだよ。」
「気にいってくれたみたいだね。まだあるよ。」

スタッフが、小さな箱を2つ彼女達に手渡してくれた。
中には入っていたのはオルゴール。
かわいらしい曲が小さくなりはじめる。

「蓮パパありがとう!!」
「どう致しまして。………ん?キョーコ?」
「蓮さん。大好きです。」
「オルゴールが?」
「先生がですっ!」
「……キョーコ、もう一緒にお風呂は決定事項だけど、まだ足りないのかな?」
「…………やっぱり嫌いです。」
「ん?」
「……嘘です。」
「嘘なの?なんだ、今夜2、3年分くらいなかせようかと思ったのに。」
「それ何か意味が言葉の通りに取れないんですが気のせいでしょうか?」
「さすが首席で卒業しただけあるね。日本語は裏を読む事も必要だよね。奥床しさを感じるよ。」
「あからさまな使い方をして、どこが奥床しいんですか。」
「どこもかしこも。」
「…先生失格です。」
「9回目。」
「うそっ!?どうして今のがカウントされるんですか?!」
「俺が決めたから。」
「……もう知りません。」
「ごめん。ごめん。今の無し。ね?キョーコ、許して?」
「じゃ、ついでに今までのカウントも無…「それはダメ。」…………(T-T)。」

押してダメなら引いてみろ……とはよく言ったものだ。
君と付き合い出してから、たくさんの君を知った。
どんな時にどうすれば、分かっているから君を本気で怒らせたりなんかしない。
嫌いだなんて思わせたりもしない。
お互い意志はあるから、ケンカもする事だってあるけど、それだって互いに思いあっての事。
こんな風に楽しい時間は過ぎていくけれど、決して途絶えたりなんかしない。
手を繋いで、残った方の手にそれぞれに描いた未来への地図を持って一緒に歩いていく。
描くものは違っても、望む未来が一緒なら、俺と君を分かつ事なんてない。

「蓮パパもキョーコママも幸せ?」

小さな天使が問う。

「幸せだよ。」
「幸せよ。」



俺達が手にしている地図は一緒に歩いていく為の地図だから。







蓮先生……強くなりました。
ヘタレだった頃が懐かしい。

次ぎは貴島君の恋愛相談室いきたい。
これが私の理想の貴島像みたいな?
馬の骨というよりも、恋愛経験豊富な先輩的なところを見せてほしいと思う私でした。
そのつもりでスイッチは書いたんだけどなぁ。
……スイッチは短編の方に入ってます。某大御所サイト様に載せて頂いた、初スキビです。
そちらも、よろしくお願いします。
※貴島君の恋愛相談室はスイッチの続きです。合わせて読んで頂けると嬉しいな。




月華


恋心 2nd Stage 〜LIAR LIAR〜

マーメイドラ○ーンを出たところで騒ぎは起こった。



「あっ敦賀先生〜っ!女の人と手を繋いでる〜うっ。いやぁっ!!」
「マジかよっ!」
「どういう事ぉっ!?」
「うわっ、美っ人!!」
「子供まで抱いてるぞ。」
「隠し妻に、隠し子かよっ!?」
「うそよ〜っ!」

前方に見える一団体。
それは間違いなく宝田学園バレー部の面々だった。
しまったと思っても、時既に遅く、これはもうどうしたらいいか。
あまりにも楽しくて失念していた彼らの存在。
さらにバレー部OBの貴島先輩の姿もあった。
マズイ。
マズイわ。
先生の事はもうばれてるし、問題は私。
それにゆきひめちゃんの事も誤解されてるし、どうしよう。
学校に私との事が知れたら大変よ〜っ。

「キョーコ、ゆきひめちゃん。一言もしゃべっちゃダメだよ?」

戸惑う私達とは裏腹に先生はウィンクまでするくらい、余裕を見せていた。
どうする気なのかしら?

「敦賀先生!その人、誰ですか?」
「まさかホントに先生の奥さんと子供!?」
《ツルガ?センセイ?ああ…ツルガね。君達、勘違いしてるよ?》

………聞き覚えのある国の言葉が先生の口から飛び出す。

《ツルガって、レンの事?レンは従弟だよ。俺はクオン。よく間違えられるんだよね。》

それはそれは流暢なフランス語だった。
私はフランスに数年間住んでいた事もあるから、先生が何をしゃべっているのかわかったけれど、彼らにはさっぱり理解できないだろう。

「敦賀先生?何しゃべっているの?」
《俺はね、クオン・ヒズリ。フランス語じゃ通じないか。”My name is KUON”これでいいかな》

先生……フランス語喋れたんですか。
見る限りでは私の正体まではバレていないらしい。
先生の服の袖をひっぱり、彼を見た。

《ん?大丈夫だよ。任せて》
《私…通訳しましょうか?》
《君、フランス語、出来たの。》
《パパの仕事で向こうに住んでたから。》
《通訳って、君、大丈夫?君だって事、隠し通せる?》
《た…多分。》
《そう、じゃ、頼むよ。》

「名前はクオンだっつ言ってるぜ?そういえば目が青いな。別人?」
「でも似過ぎよ。」

疑惑半分の彼等。
私がここで通訳して、他人のフリを貫き通せるかはかけみたいなもの。
でも、やるしかないわ。

「私が通訳しますね。彼はクオン・ヒズリ。貴方々が言う、”ツルガ先生”は彼の従弟の蓮さんの事のようですよ?よく間違われるの。」
「えっ?別人?」
「クオンさん?いとこ……。先生に外人のいとこ?」
「貴方々は彼の勤め先の生徒さんですか?」
「…と、卒業生だよ。」

今まで黙っていた貴島先輩の言葉に少しドキドキした。
貴島先輩とは、交流もあったからバレないとは言いきれない。

《敦賀先生に外人の従兄弟がいたのか……ですって。》
《彼は混血だって言ってあげて。それと彼は今は、別の場所で彼女とデート中だってね。》
《えっ!それホントに言うんですか?》
《もちろん。信憑性があるだろう?》
《後でどうなっても知りませんからね!》

彼はニコニコと笑ったままだった。

「えっと、実は蓮さん、純粋な日本人ではないんですよ。……それと、蓮さん、今日は別の場所で彼女とデートされてるみたいですよ。」

それが、また落ち着きかけたところに騒ぎを巻き起こす。

「うそっ!?」
「マジでっ!?」
「……いたのか、あの顔で、あの身長だもんな、いない方がおかしいぜ。」

先生……どうするの?
私、早く立ち去りたいんだけど。

「私、先生から”彼女はいない”って聞いたわよ!」
「私もっ!!」

《……彼女はいないって聞いたんですって。》

そう言って先生を見ると、優しく微笑んで私の肩を抱き寄せてくれた。

《今はいるでしょ。将来まで考えた大切な彼女がね。》

意味あり気な視線。
思わず顔が赤くなる。
……ダメよ、今はお芝居の途中。

そして気が付く、貴島先輩が何か思い出そうとしている様子に。
ダメ、しっかりしなきゃ。

「最近、お付き合いを始めたみたいですよ。」
「ショック〜っ!」
「もう立ち直れないかも。」
《ところで、もういいかな?俺もデート中なんだ。これで失礼するよ。》
「もう、いいですか?ですって。」
「あっすいません。ありがとうございました。」
「ごめんなさいね。」

どうにかやり過ごせそうだ。

《行きましょ。》
《ああ。じゃ、君達も楽しんでね。》

「ちょっと待って。」

その声に振り向くと、貴島先輩がじっと私を見ていた。

「君、どこかで会った事ない?」

ドキリとする。

「というか、俺の知ってる子に似てるんだよね。声とか雰囲気とか仕種とか。最上キョーコちゃんって知らない?」

マズイ。
どうしよう。
でも……ここで正体をばらす事なんてできない。
一つの嘘が生み出したたくさんの嘘。
一つ綻びてしまえばどんどん暴かれていく。
これ以上彼等に構うのは危険だ。
私はいい。
卒業したのだし。
だけど先生は。
私は先生を守りたい。
どうしても守りたいの。
だから、私も嘘を突き通す。
私は貴方達なんか知らない。

「それ、あなたの好きな子かしら?」
「えっ……。」
「そんな目をしてる。」

一度は付き合ってくれと言われた事がある。
まだ有効かどうか定かではないけれど。

「………。」
「その様子だと、片思い?がんばってね。じゃ。」

私達はその場を後にした。



大人しく先生に抱かれていたゆきひめちゃんがもぞもぞしだした。

「もうしゃべってもいい?」

彼等な姿はすでに見えない。

「大丈夫だよ。いい子にしていてくれてありがとう、ゆきひめちゃん。」
「うん。」
「本当にごまかせたでしょうか?」
「多分ね。それよりキョーコ。」
「はい、なん……ひぃっ!」

先生のこめかみにアオスジが浮き上がっているのを見てしまった。
顔は笑っているのにとっても怖いのは何故?

「さっきのどういう事?」
「えっ??」
「君に片想いしている彼の話し。どういう事?」

たらたらと冷や汗が流れる。

「ねぇ、キョーコ?」
「去年、告白されました。」
「で?」
「ちゃんと、断りました!」
「なんて?」
「好きな人がいますって、ちゃんと断りました!」
「好きな人いたの?そいつ誰?」
「先生に決まってるじゃないですかぁーーっ!」
「キョーコ、5回目ね。」
「〜〜〜〜っ!!!」

抜け目のない男ね。

「今、”抜け目のない心の狭い男ね”って思っただろ?」
「そこまでは思ってません!」
「いずれにしろ、彼は未だに君に恋心を抱いているわけだ。なのに、”がんばれ”って、どういう事?」
「深い意味はありませんからっ!!」
「まったく君は、むやみやたらと俺のライバル増やすのはやめてほしいよ。君を渡さない自信はあるけど面倒なのは確かだからね。」

先生は私を引き寄せてキスをした。
少し離れて、また……。
それから間近に視線を感じて目を開けると、じっと見つめる無垢な眼差しに出会う。

「〜〜っ!」

咄嗟に先生の唇を手で遮った。

「先生のバカーっ!」
「キョーコ。6回。」

大人って卑怯だわ。
平気な顔で大嘘つくし、目的の為なら手段を選ばないし。

「先生なんか知らないっ!」
「キョーコ、7回目だね。」
「いやぁ〜っ!」



もう信じられない。
ひどいわ。
でも……先生、楽しそう。
先生が笑っている。
私といっしょにいて笑ってくれている。
大好きな先生が幸せな顔してくれるがとても嬉しい。



だけど、そう簡単には好きにさせてはあげないんだから。



「ケンカしちゃ、めっ!なの。」





続いちゃう


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恋心 2nd stage 〜DRASTIC MERMAID〜

片腕にゆきひめちゃんを抱いて、もう片方の手で愛しい彼女の手を握る。
まるで本当の親子になった気分だ。

「蓮パパ。あそこ!あそこに並んで!!」

ゆきひめちゃんが指差す方向には列が出来ていた。
その先には洞窟?
何から何まで凝っているな。
ここはなんだっけ?

「ここにもプリンセスがいるのかな?」
「うん。」
「あそこでアリエルとお写真が撮れるのよね。」
「ねー。」

キョーコとゆきひめちゃんは嬉しそうだ。
今日、ここに来て良かった。

「いくら人魚姫が綺麗でも見とれちゃ嫌ですよ?」
「妬いてくれてるの?」
「だって……。」
「キョーコママ。蓮パパは大丈夫だよ。だってね、キョーコママはプリンセスに負けないくらい綺麗だもん。ね、蓮パパ。」
「ね。」

うーん、女の子はかわいいな。
やっぱり最初は女の子がいい。
今夜、頑張ろうかな……等と密かに思った事は彼女には秘密だ。
順番を待ちながら、次の予定を立てる。
ガイドブックでは、この真向かいの海底をイメージした奇妙な建物(?)の中には小さな子でも楽しめるアトラクションが多数あるらしい。
その奥では人気のショーが定期的に上演されていて、キョーコはそれを楽しみにしていた。
ゆきひめちゃんもそのようだ。

「そろそろ、順番がきそうだね。」

頭がぶつかりそうな小さめの入口。
中には人魚姫と撮影スタッフがいて、にこやかに出迎えられた。
持参したカメラでも撮影して貰えるらしい。
デジタルカメラも手渡して位置に着く。
人魚姫の右側にキョーコが立ち、左側にはゆきひめちゃんを抱っこした俺。
人魚姫を前にご機嫌なキョーコは、プリンセスよりもずっと綺麗に見えた。
君にとってのプリンセスは、君の隣にいる見知らぬ女性かもしれないけど、俺にとってのプリンセスは君だけだよ。
君が大好きなアリエルというお姫様は王子と幸せになったみたいだけど……正直に言えば、人魚姫の話しは好きじゃない。
原文までは知らないけれど、世間一般に知られている童話の中では王子は勘違いしたままで、ついには大切な物を失った事にすら気付かない大間抜けじゃないか。
最後の最後まで人魚姫に命を救われておいて、それも知らずに他の女性と結婚した大馬鹿者……だから好きじゃない。
彼女にそれを言ったら、「人魚姫は、それでも王子様が好きだったんですよ。たとえ気づいて貰えなくても。……先生に片思いしていた時の私みたいだわ。何も言えなくて、見てるだけだった頃の私。」
「そうすると俺も人魚姫って事になるのかな?」
「そうなりますね。人魚の王子様、貴方の恋は叶いましたか?」
「おかげさまでね。今じゃ両思いだよ。」

それから……、人魚姫の話しを嫌いと言えなくなった。
愛しいと思う人魚姫の気持ちも、愛する人の幸せを望む気持ちも理解出来るから。
人魚姫は愛する王子の為に泡と消える道を選んだけれど、俺は違う道を探したい。
愛する彼女と共に歩める道を探したい。
君もそう思うだろ?



記念撮影を終えて、出口から外に出る。
キョーコとゆきひめちゃんは、それぞれフレーム付きの写真を見開き眺め、嬉しそうだ。
次ぎの行き先は目の前にあるマーメイドラ○ーン。
入る前に近くにあったフードワゴンで、この園限定だというポップコーンを買った。
普段なら絶対に買わないメルヘンな入れ物も抵抗なく買えてしまうのが本当に不思議だ。
くすくすとキョーコが笑うのは、俺がそのファンシーな入れ物を肩に下げているからで。

「似合いませんね。」
「蓮パパ。可愛いよ?」

などと言われてしまった。

「今日は何でもありでしょ?ゆきひめちゃんはかわいいって言ってくれてるけど?」
「かわいいですよ。せん……あっ。」
「今、先生って呼ぼうとしたよね。カウント一つ追加ね。」
「最後まで呼んでません。」
「やっぱり呼ぼうとしたんだ。カウント1決定ね。」
「ひどいっ!」
「それに、さっきから俺の名前を呼ばないようにしてただろ?」
「気付いてたんですかっ!!」
「もちろん。寂しい思いさせられたから、今のカウントは取り消さないからね。」
「〜〜〜〜〜っ!!」
「今夜、ちゃんとなぐさめてね?」
「横暴です!強引です!無茶苦茶ですぅ〜っ!」
「キョーコママ。蓮パパが可愛そうだからお名前で呼んであげてね?」

俺には小さな味方がついていた。

君との恋で学んだ事。
”時には思いきった行動に出る事も大切”なのだという事。
そうでもしないと手には入らないものがあるのだ。
もしね、俺が人魚姫の立場だったら死に物狂いで愛する人の心を手に入れようとしたと思うよ。



さぁ、行こうか。
俺達だけのMermaidの物語を作ろう。
俺と君の未来の為に。



Drastic Mermaid



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駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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