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雪の華

もうすぐ君と近づける季節が来る。

次に君に触れられる時が来たら、もう二度と離さない。
冬が終わり君が眠りについた時に後悔した。

北の果てには氷に閉ざされた国があるという。
君が目覚めたら、その国に行こうか。
君の生まれた国には行けないけれど、そこなら行ける。
そこなら君は眠りにつく必要はない。
君を抱きしめられない日々を過ごすなんてもうたくさんだ。

君の笑顔がみたい。
君に触れたい。
早く君を抱きしめたい。

キョーコ。



いつからか、野盗達が来るようになった。

〝黒い騎士が何かを守っている。〟
最初はそんな曖昧なものだった。

そんな話しに興味を惹かれたならず者がやっ来て、返り討ちにした。
逃げ出した者もいたが、それを追いはしなかった。

それがまずかったのか……いや、いつかはこうなったのかもしれない。
噂話しには尾ひれ背ひれがついていき、今では 〝黒騎士が守るものを手にすれば、世界を手に入れられる〟などと言われるようになり、野望に満ちた奴らがここにくるようになった。

つい今しがたも野盗の集団を蹴散らしたばかりだ。

高く絶壁として成り立つ岩肌に向かい呪文を唱える。
壁面に現れた魔法陣に手を触れた。
魔法陣に吸い込まれるように岩の壁がきえて、一瞬にして、大きな洞窟が現れる。

ヒュンと風を切る音がした。
一本の矢が、俺の背中を目がけて飛んで来る。
避ける事はしない。

矢は俺に届く寸前に凍りつき砕け散る。

物陰に身を潜めている者たちの存在には最初から気づいていた。
弓が構えられていた事も。

俺は相当恐れられているらしい。
誰一人として、正面から立ち向かってくる者はいない。

「周りをよく見ろ。そう、お前達が身を潜めていたその岩……何に見える?」

男たちは気が付く。
岩だったものが、それではなかった事に気がついた。
触れた肌に伝わるのは焼くような冷感。
目に見えるのは高い透明感。
誰かの瞳と目線が合う。
中に見知らぬ誰かがいた。

目を見開き、恐怖に歪む表情。

声なき叫びを上げ、一歩退く。

男たちは悟ったようだ。

このままでは自分達も同じ末路を辿ると。

「にっ逃げろっ!」
「もう遅い。」

見ろ、足元を。
白く凍てつき始めた地面が逃げ出そうとする男たちを縫い止める。

「助けてくれっ!」
「ここには近寄らねぇ。助けてくれよぉ!」

もう遅い。
俺にもそれは止められない。

凍りついていく己が身を嘆きながら、氷の棺に閉じ込められていく男たち。

「そこで眠れ。」

俺たちがこの地を去るまで。
雪の華が舞い降りるその時まで。



洞窟の中へ入る。
冷気が一層増したそこは通常の人間は足を踏み入れた途端に凍りつくだろう。
外の男たちは、洞窟の封印を解いた事で漏れ出した冷気に触れたに過ぎない。

それでも命は奪ってはいない。
心優しき彼女の力が、あの者たちを守っている。
いずれ彼らは目覚める。
何事もなかったかのように眠りから解放されるだろう。

奥に進んで行く。

蒼く光り輝く最奥が見える。

愛しき彼女が眠る場所。

凍りつく小さな彼女の世界。

眷属となった俺だけ立ち入る事を許された場所。

大きく空間を広げた最奥。

その中央に佇む女性の姿があった。
異国の前合わせの衣装の美しい少女のような姿。
彼女が持つ色は人間のものではない。
青白く、まるで氷の彫像のようにそこにある。
美しく佇み、目を閉じたまま、身動く事もない。

固く閉ざされた瞳。

君の瞳が見たい。

君と抱き合いたい。

「我が妻よ。」

彼女の頬に触れる。

〝レン様、我が夫よ。〟

頭の中に響く彼女が声。

後少し。
もうすぐ、君と近づける季節が来る。

〝愛しています。〟

彼女を愛している。

雪の華が舞ったら……。
君が目覚めたら……。

もう離さない。

〝離さないで。〟



もうすぐ雪の華が舞う。









雪の華妄想でした。
ロードオブザリングとか、ゲームとかの世界観。
某、企画で書いたやつの流れ。

続きは今のところはなし。

社さんは魔道士系。
奏江ちゃんは女剣士。

蓮さんは黒騎士。
キョーコちゃんは雪の精霊で、蓮さんの守護精霊。
雪の精霊なので、冬しか活動できない設定。
衣装は花魁風。
東洋の国から連れ去られて来た設定。
魔王から蓮さんに助けられて、守護精霊に。
そのまま恋に落ちて、蓮さんはキョーコちゃんの眷属になりました。
そんな裏設定。

私のここ何年か持ったままだった妄想一つ消費。
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キセキ

渋滞のガラス越しに君を見た気がした。


「クオン?どうした?」
「何でもない。」
「そうか?ならいいけどな。……しかし、ついてないな!せっかく、ライセンスとって、親父の車も借りたのに。なんなんだよ。この渋滞はよ!」
「リック。ここはいつも混んでる。」
「分かってるよ。曲がり損ねたんだよ。仕方ないだろ。」
「手短かに言えば〝道を間違えた〟だろ。」
「悪いかっ!」

親友がハンドルを握る隣で、ちっとも動かない外の景色をボーッと眺めていた。
変わらない街並み。
渋滞に堪りかねたドライバーがクラクションを鳴り響かせるのもいつもの事。

何も変わらない街。
何も変わらない日常。
何も変わらない……。

何も変わらない。

そう。
ここに君がいるなんてあり得ない。

ここは君が夢見ていたような場所じゃない。

ここには、暗く淀んだ気持ちを抱えた本当の俺がいるだけの街。

君には相応しくない人間の俺がいるだけの街。

君が夢見ていた妖精の王子様なんて……どこにもいないんだよ。

キョーコちゃん。

俺は醜く汚い人間なんだ。



声にならないその叫びは行く先探してた 。



◆◇◆◇◆



ジユウとコドクなんて同じものなのかな?
ないものばかり求めながら失うのかな?



「リックを返して!」

ヒステリックに甲高い声で叫ぶ女。
涙に濡れて俺を見る憎しみに燃える瞳。

リックの隣りで、いつも陽気に笑っていた彼女。

普段の姿をかなぐり捨てて、まるで知らない女みたいなの顔で、俺に掴みかかる。

「返してよーーーっ!!」

リックが死んだ。
俺の目の前で死んだ。

「あんたが死ねば良かったのにっ」

俺も……そう思うよ。
いっその事……殺してくれ。

冷たく冷めていく心。
冷めて、凍てついて、ひび割れて……割れた。
散り散りになっていく俺の心。

『コーン。』

キョーコちゃんの声がする。
幼い日の記憶が思い起こす声。

『コーンならきっと飛べるよ!』

……無理だよ。キョーコちゃん。

『大丈夫だよ。』

ダメなんだ。

『コーン!』

鮮やかだったはずの君との思いでが、色を失っていく。

『キョーコちゃん。』

鮮やかな季節が想い出に溶けていく。
それでもなお…無邪気なあの瞳だけがこの胸を焦がし続ける。

もう二度とあの日に戻れない 。

もう二度とあの瞳が、俺を見ることはない。

もう二度と。



住む世界が違い過ぎるから。



めぐりめぐる軌跡が。
映す君の笑顔が。
君の存在が、気づかないうちに俺にくれたもの。
この時は気づかなかったんだ。

目には見えない翼をくれた。
それに気づけずにいたんだ。

生きる気力さえ失った俺が、この世界にとどまる理由に。



◆◇◆◇◆



「俺と来るか?」



あの時、なぜ…ついて行く気になったんだろう。

ただ逃げ出したいだけだったのかもしれない。

重くのしかかるものを捨て去りたかったのかもしれない。


……本当にそれだけか?


『コーン。』


心配気なキョーコちゃんの声。


君はまだ、俺の中にいるんだね。


もう少しあがいてみるよ。

キョーコちゃん。



君のいる国で……。

君が見る空な下で、生きてみるよ。



◆◇◆◇◆



ひとりでも生きてはいけると思い込んでた。



時が過ぎていく。
時が過ぎて、君といた記憶もすこしずつ薄れてく。

君を思い出す事も……なくなっていく。

『コーン。』

それでも、君は俺の中にいる。
俺の中にいて、あの日俺に向けた笑顔で微笑む。

『いつか、飛べるよ。』

不意に苦しくなる、それは息もできなくなるくらい。

苦しくて、苦しくて……、目が覚めた。

夢の中の君は、あの日のままで。

あの夏の日からもう10年。

俺は大分変わってしまった。
きっともう……どこかですれ違ったとしても、言葉を交わしたとしても、お互い気づく事も無いだろうね。

……すれ違うなんて、ましてや言葉を交わすなんて……そんな事、あるはずも無いけれどね。
そんな事があったとしたら、それは奇跡としか言えない。



でも、もしそんな奇跡がおきたなら……。

起きたなら、俺は……。



どうする?



そんか奇跡が起きたなら、俺は……俺は……。



◆◇◆◇◆



起きるはずのない事が起きた。

これを何と言うのか?
偶然?
運命?
奇跡?

俺が今手にしているもの。
それは………。



「コーン!!」



めぐりめぐる軌跡。
足りなかったなにかは、この手の中に握りしめてる。

……手の中にはあの日君に上げた原石のカケラ。

痛みのカケラと… 。
指に触れた感覚が。

君に触れた時の感覚が蘇る。

『もう会えないから、最後に抱きしめさせて。』

その笑顔の輪郭が抱きしめていたあのぬくもりが揺れる胸をすりぬけてく。

「コーン。」

手に戻った原石を大切そうに見つめ微笑む彼女……キョーコちゃん。



その笑顔は昔と変わらなくて。



めぐりめぐる軌跡が……。
光る君の涙が……。
目に映らない勇気(チカラ)をくれた。
だからここにいる。

君と俺の時間が。
伝えているなにかが。
すべてをイキルシルシにかえて、いまも胸に輝いてる。



“もし、君に再び出会える……そんな奇跡が起きたら?”



また出逢える奇跡がもし俺達にあるなら……。

今度はきっと…きっと必ず君を守り抜いてみせる。

たとえ神に背いてでも。



俺はわがまますぎたのかもしれない。
思った以上に俺は弱過ぎたのかもしれない。

『コーンならいつか飛べるよ。』

その弱さを俺はいつの日にか越えてみせる。

いつか、君に真実を告げられる日がくるように。



いつか……。








リハビリ駄文は曲妄想。
蓮キョにオススメ、タキツバのキセキ。
ぜひ聞いてみて下され。
車で聞きながら、こんな妄想してました。

実際書いてみた……書いてみたら……書いて、わけわかんなくなってきた。

もはや修正不能領域。

この曲を聞くと、蓮キョ妄想せずにはいられない。
そんな月華でした。

いやはや。

関係ないですがね。
最近ドラゴンボール再燃中。
しかも今のじゃなくて昔の。
さらにまた病気でた。昔取った杵柄?腐れ女子再発。ああ、タレカカいいなぁとか今更いうワシ。←ノーマル思考に戻ったはずが。まっいっか。しかし、悟空のとーちゃんかっけー。そしてタレ様名前がいい!次男かわいいし。……つまり悟空さん大好きなんだな。わはは。

ではまた。
( ´ ▽ ` )ノ


月華



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( ´ ▽ ` )ノてへっ

BREEZE ~真夏のシンデレラ~

季節は春。
桜の花が開花して景色に柔らかな色を添える。
そんな春を恋の季節と例える人も少なくない。
俺にとっての恋の季節はいつだろう。
少なくとも春ではない。
思い出すのは、あの夏の夜。
夏の夜、俺は彼女に二度も恋をした。
初めて彼女に恋をしたのは、もう随分と前の事。
俺の初恋。
俺が10歳で彼女が6歳。
恋というには幼過ぎたかもしれないが、俺は彼女が好きだった。
そう自覚した夏の夜。
特別な夜だった。
忘れられない夏の夜の出来事。
ときめく胸に心地好い風を踊らせて、軽やかにステップを踏む。
まばゆいばかりの彼女の笑顔は確かに俺に向けられたもの。
その笑顔に初恋を自覚した。
初めての恋。
好きな女の子と過ごした特別な夜。
十数年の時を経てさえ色褪せない夏の思い出。
そして今、この手の中にあるのは、幼かった俺をあの夜に引き戻してくれる大切な宝物。
真夏のシンデレラが残した君と出会った確かな証。
君が残した夢のカケラ。
今夜、君に全てを打ち明けようと決めた。
幼かったあの頃。
君の側にある事ができなかった自分。
だけど、今は違う。
必ず君を捕まえるよ。
君は俺だけのシンデレラなのだから。



◇◆◇◆◇



遠くに聞こえる賑やかな音。
独特の音を響き渡らせる打楽器や高い笛の音。
賑やか雰囲気が離れたここにも響く。
今日はお祭りがあるのだと旅館の人が言っていた。
花火も上がるから見に行って見てはと奨められたが、騒がしい場所は好きではないと、一人いつもの河原へと足を向けた。
そこには今日も昼間、一緒に遊んだ彼女があった。
昼間とは違い、日本らしい祭の衣装……浴衣を着て、背中を大きなリボンでかわいらしく結わえ、少しだけメイクした彼女。
いつものツインテールに緩やかなウェーブをかけて、かわいらしいガラス細工の髪飾りをつけた彼女。
彼女が世話になっている”オカミサン”がやってくれたらしい。
いつもより華やかに着飾った彼女はとてもかわいくて、俺にはお姫様みたいに見えた。
そんな彼女だが、ここへ来た時は寂しげな顔をしていた。
一緒にお祭りに行くはずだったショーちゃんが他の女の子達と先に行ってしまったらしい。
まだ明るいにしても、もうすぐ日も暮れるという時間に小さな子が夜にこんなところに一人でくるなんてと、思ったが、同じ子供の俺が偉そうに言えた事では無かった。
何よりも綺麗な彼女に会えて嬉しくなって、時間が経つのも忘れて二人で話しこんだ。
帰りには俺が送っていけば問題ないだろう。
いつしか月は上り辺りを明るく照らし出す。
高い笛の音と太鼓の音が微妙に響いてきた。
独特の拍子に合わせて独特の音楽が流れて微かに聞こえてくる。
「踊ろうよ!」
といわれても日本のダンスは知らない。
「……この世界のダンスは知らないんだ。ごめんね。」
俺を妖精と信じている彼女が不思議にも思わない言い訳。
「妖精の世界にもダンスがあるの。」
「あるよ。教えて上げようか?」
「いいのっ!?」
「いいよ。」
目を輝かせている君。
さっきまでは「ショーちゃんとはぐれちゃった」って半ベソを書いていたのにね。
「手を出して。右手はこう、左手はこっち。もっと俺にくっついて。」
……俺は口でリズムを刻みながら、彼女をリードする。
「そう、上手だね。」
「コーン。これは何て言うダンスなの?」
「これはね、”ワルツ”っていうんだよ。」
「これがワルツ?私、知ってるわ、シンデレラが舞踏会で王子様と踊ったダンスだよね?」
「そうか。じゃあ、今だけ俺が君の王子様になってもいいかな?」
「じゃ私はシンデレラ?」
「そうだよ。」
一度、彼女から離れて、目を閉じる。
俺は今だけ君の王子になる。
久しく忘れていた感覚が蘇る。
演じる事への喜びと楽しさ。
目を開ければ俺は王子で、彼女がシンデレラ。
「私と踊って頂けますか?美しい姫君。」
「はい。王子様。」
月明かりの下、川のせせらぎを音楽にして、彼女とワルツを踊った。

夏のシンデレラ。

二人、ー夜限りのシンデレラの物語を紡ぐ。

月明かりに照らされた小さな女の子はいつもより大人びて見えた。
シンデレラの物語はシンデレラがどうしたのかしか書かれていない。
名前も知らない美しい少女に出会った王子が何を思い、どんな恋をして、どんな風に彼女を手に入れる為に自身が行動したか何て書かれてはいない。
一度出会っただけの女性の為に、たった一つの手掛かりを元に国中を探し回るなんて、普通じゃない。
どれだけの思いを抱えていたんだろう。
どれだけ、その女性に心を奪われていたんだろう。
舞踏会の夜だって、王子はどんな風に迎えていたんだろう。
シンデレラに出会うまではつまらないとか、退屈だとか思っていたかもしれない。
そこに彼女が現れたんだ。
そして、恋をした。
どれだけ眩しくうつったんだろう。
どれだけ心を奪われたんだろう。
今の俺にはまだ早いのかもしれないけど、ちょっとはその気持ちが分かるような気がするよ。
だって俺は君に惹かれているから。
今だけでいいから、俺を君の王子様にさせてほしい。
今、君が見つめているのは俺一人。



ドーンという大きな音がして、空を見上げれば、鮮やかな色彩が空に飛び散る。

「コーン!花火だよ!」
「うん。きれいだね。」

本当に綺麗なのは君だけど。



二人で空を見上げる。
二人寄り添ったまま、花火を見ていた。

最後の花火が空に上がったら君は帰ってしまうんだね。

俺を一人残して去っていく君を俺は心で追い掛けるんだ。



君は夏のシンデレラ。



花火が終わり、彼女を世話になっているという旅館まで送り届けた。
まさか、小さな女の子を一人で帰すわけにはいかないし。

「おせーよっ!」
「あっ!ショーちゃん。」

大きな旅館の前で、彼女と同じ年くらいの男の子が待っていた。

「コーン!今日はありがとう!!」
「どう致しまして。」
「また、明日会える?」
「うん。また明日。」

明日が最後になるけどね。
彼女にはまだ言えなかった。

「何してんだよ!俺が一人で帰ったら怒られちまうだろ。」

随分と身勝手な彼女の王子様。
彼女をおいて別の子と遊びに行ってしまったくせに。
それでも、彼女にとっては彼だけが王子様なのだ。
俺じゃない。
俺はシンデレラの王子様にすらなれない。

だから、俺達の物語はここまで。
夢をありがとう。
俺のシンデレラ。



次の日、彼女と最後の別れをした。
彼女と別れ、両親の待つ滞在先へと歩く。
そこで気付いたキラリと光る何かがあった。
手にしてみるとそれには見覚えがあった。
夕べ、彼女がしていた髪飾りだ。



キラキラしたガラスの髪飾り。
彼女の元には対になる髪飾りが合って、その片割れを俺が今持っている。
まるであの物語みたいじゃないか。
そう、この髪飾りは、俺のシンデレラが落とした彼女へと繋がる唯一の物。



俺は、シンデレラに恋する王子になった。
いつか、これを君に返せる時がきたら、本当に君の王子様になれるのかもしれない。



◇◆◇◆◇



時は過ぎて、やっと彼女に辿り着いた。
君は忘れてしまったかもしれないね。
髪飾りの事なんて君はもう。
君があの一夜だけ、俺のシンデレラになった事なんて、君の記憶にはない事。
君はただ、妖精の王子と疑わない存在とワルツを踊っただけ。
でも、お願いだ。
思い出して。
あの夜の事を。

「君に返したいものがあるんだ。」



君は夏の夜のシンデレラ。



「コーン?」
「久遠だよ。キョーコちゃん。」



今度こそ、俺は君の王子になる。



「夏が来たら、行ってみようか。あの場所に。」
「………。」
「そしたら、また踊って頂けますか?」
「はい。喜んで。」



君は俺だけのシンデレラになる。

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好き……

やっと気がついた。
この気持ちは止まらないものだって。
貴方を好きだというこの思いは、もう止められない。
貴方の見る度に、貴方に見つめられる度に、しびれるような感覚が身体を支配する。
好きなの。
くやしいけれど、貴方が好きなの。
恋をする事に怯えていたはずなのに、今は、”貴方を好きだ”という感情以外のものがない。
人を思う気持ちなんて、忘れさってしまいたかったはずなのに、それが出来ない。
好きです。
もう貴方しか見えないくらいに、貴方が好き。



瞳を閉じれば、強く感じる貴方の香りと、唇から伝わる貴方の優しい温もり。
なんて甘いんだろう。
……遠くから、『カット!』と告げる声にはっとする。
私は泣いていた。
芝居さえ忘れて私は……。
「最上さん。そんなに嫌だった?ごめん。……フリにすればよかったね。ごめんね。泣かないで。」
優しい貴方。
違う。
違うの。
そんなんじゃない。
冬の風が唇に残る彼の温かさを奪っていく。
嫌。
嫌なの。
止まらない貴方への思い。
暑い感情。
”ときめき”なんて言葉では納まり切らない程に膨らんでしまった恋心。
涙が止まらないのは、そのせい。
貴方が好き。
好きなんです。
言葉にしたくて、出来なくて、私は狂ってしまいそう。
貴方の側にいたい。
離れたくない。
優しい貴方が私の肩を抱く。
「ごめんね。……キスシーン、無くして貰うように言ってみるよ。」
「……っ!?」
嫌。
嫌っ!
もっと貴方に触れたいのに。
演技で構わないから、貴方の側にいたい。
それは私のわがまま。
女優として失格だって分かっているけど。
「嫌!」
「最上さん?」
「出来ますからっ!だからっ!!」
「うん。分かった。次ぎは大丈夫だよ。君はちゃんと出来る。……メイク直しておいで。最上さん、笑ってくれる?俺はね、君の笑顔が好きなんだ。だから、笑って。ね?」
………やっぱり、貴方が好き。



仕事が終わって……敦賀さんが「一緒に帰ろう。」って言ってくれた。
嬉しい。
今日はまだ一緒にいれるんだ。
「敦賀さん。お夕食はどうするんですか?」
「君が作ってくれる?」
私の渇いた心に染み込んでいく貴方の優しい声と笑みを含んだ横顔。
餓えた心が満たされてゆく。
私はこの人に恋をした。
会えば嬉しくて、だけど別れる時は切なくなる。
会えないと寂しくて、逢いたくて堪らなくなる。
そんな気持ち、きっと貴方にはわからないでしょうね。



本気の恋をしたら、無傷なんかじゃいられない。
ショータローに恋して、待ち続けていた頃の私。
確かにあれも恋だったのだと思うけど、あの頃抱いていたものとは違う感情が存在している。
逢いたくて逢いたくて、しかたがない。
逢えば離れたくないと思ってしまう感情なんて、以前の私には存在していなかったもの。
「最上さん?着いたよ。………どうしたの?」
優しい貴方の声。
その声に心が壊れそうになる。



もうダメ。
耐え切れない。



私は彼にしがみついた。



「好き…。」
「えっ……もが…み…さん?」
「貴方が好きです。」



しばらくして、逞しい腕が私の身体を強く抱いた。
「ねぇ、これは俺の夢?俺の腕の中にいる君は幻?」
「幻なんかじゃ、ありませんよ。私は私です。」
「じゃあ、もう一度言って?」
強くなる腕の力。
幻なんかじゃない。
私は今、彼の腕の中にいる。
「お願い。言って?君が俺をどう思ってるのか言って。」
甘い声。
甘い誘惑。
私を離さない力強い腕。
手に入れたい。
この気持ちをもう一度告げたら、私のものになるの?
欲しい。
貴方の全てが欲しい。
もし、手に入れられるなら。
「敦賀さん。私は貴方が好きです。」
好きなんて言葉で納まりきらないくらいに貴方が好き。



「好きだ。」
「つる…がさん?」
「ずっと好きだった。」
「え……。」
「だけど、君には彼がいて……。あの時に俺の初恋は終わったんだと思ってた。……やっと俺を見てくれたね。キョーコちゃん。」
”キョーコちゃん”と言った彼の私を見つめる眼差しと優しい微笑みには覚えがあった。
「コ………ン?」
「そうだよ。やっと、手に入れた。俺のお姫様。」
優しい声と一緒に彼の唇が降りて来て、私は瞳を閉じた。
演技じゃない、プライベートなキス。
触れるだけの優しいキス。
角度を変えて啄むようなキスを繰り返した。
苦しくなって、唇を僅かに開けば、そこから彼が入り込んできて私を絡めとって行く。
「好きだ。」
キスの合間に紡がれる彼の言葉。



好き………。
誰よりも、貴方が……。



「好きです。」







歌詞妄想です。
曲は安全地帯の『好きさ』古い曲です。
大分前に、蓮さんで書いたんですが、キョコたんでもいけるなぁと思ったので書いてみました。

B'zも古い曲の方がなんか蓮キョ妄想しやすくて、最近は古いのばっかり聞いています。


君の中で踊りたいとか、不屈のLoversでも妄想したいです。


では、また。



月華



ANOTHER DAY

後……どれだけの日を過ごせば、君は俺を見てくれるんだろう。
辿り着いたその先で、君は俺に微笑んでくれるだろうか。
二人寄り添って、過ごせる日々はくるんだろうか?
白くの美しい衣を纏い、女神のように美しい君を今この腕に抱いて……そんな風に願っていた日々を懐かしく思う。


※※※※※




指輪を交わし、誓いのキスを交わし……、未来を共に歩く事を誓った。
俺は頬を染めて微笑む彼女を抱き上げて、たくさんの花びらが舞う中を歩いた。

「夢みたいです。」

彼女が囁く。

「夢じゃないよ。」

そう夢じゃない。
俺は君を手に入れた。


※※※※※



過ぎゆく時の中で、季節が移り変わる度に君は煌めいて、輝きを増して俺の胸に熱い感情を残していく。
君は「すれ違う度に不安を感じていた」と君は言うけれど、俺だって同じ想いだったよ。


※※※※※



「おめでとう!」
「幸せになっ!」

温かな声。
かつてのライバル達でさえ、俺達を温かく見守ってくれている。
彼女は「夢みたいだ」なんて言ったけど、…正直に言えば、俺だって、そう思った。
今、こうして君の温もりを感じていられるのが、心を満たす幸せが夢なんじゃないかってね。
彼女の憧れているメルヘンな世界が今の俺にも見えているから、余計に夢の世界のようだ。
ふわりと舞うベールが羽根に見えて……今にも空に舞い上がってしまえそうだ。
夢なら覚めないでほしい。
俺の側から離れないで。
少し強引だったかもしれない。
捕まえておきたくて、一緒に歩くはずだったヴァージンロードを彼女を抱き上げて歩いた。
腕に伝わる彼女の温もりとやわらかな重みが、夢ではないと知らしめる。
欲しくて欲しくて……たまらなかったもの。
やっと手に入れた俺の宝物。

「久遠。」

父と母が見守る中、俺と彼女は新しい一歩を踏み出した。
本当の自分さえ取り戻した。


※※※※※



都会から離れた清涼なる地で、空を見上げた。
俺の隣には妻になった最愛の彼女がいて、天上にに広がる星空を眺めた。
煌めく星々が見守る中で繋ぎあったこの手。
二度と離しはしない。
これからも、こうして生きてゆこう。
二人ずっと一緒に同じ夜空を見上げよう。
こうして、同じ空を見ていこう。
そこに同じ希望の星を一緒に見い出そう。

「どの星を見てるんですか?」
「きっと君と同じ星だよ。」

今なら、こんなにも感じているよ、”愛の絆”を。
お願いだから、俺だけの君でいて。
俺にとっての君がそうであるように、君が心から必要としてくれる男でありたいと願う。
君が愛するただ一人の人でありたいんだ。
君はただ一人の大切な人だから。

「ずっと一緒にいよう。」
「それは私の一番大切な人に聞いて下さい。その人がOKならいいですよ。」

それどこかで聞いた事があるような。

「……それ…誰?キョーコ!?」

そうだ、セツだ。
彼女が扮する雪花・ヒールが言ったんだ。
セツの”大切な人”は兄であるカインだったけれど、この場合……キョーコの”大切な人”って…誰だ??
琴南さん?…まさか父さん?しゃっ社長?
だるまやのご夫婦?……俺は、彼女の父親代わりのあの人にもう一度”彼女を下さい”って言いに行かなければならないのか?それで彼女が一生俺の側にいてくれるなら、やるけど……。
まさか、不破?
かなり焦る俺を前に彼女はふわりと笑む。

「わかりませんか?」
「………………。」
「私の目の前にいるんですけど。」
「えっ?俺っ!?」
「はい。貴方が許してくれるなら私はずっと側にいますよ。」

相変わらずびっくり箱みたいな君。
君にかかると心臓がいくつあっても足りないよ。
だけど、そんな君が愛しくて仕方がない。

「どうします?」
「聞きたい?」
「はい。」
「聞いたら最後だよ?」
「それでも聞きたいです。」
「じゃあ、耳を貸して。」

くすぐったそうな仕種を見せる彼女の耳元で囁く。

「俺の側にいなさい。ずっとね。」

未来なんて見えるもんじゃない。
この先、何があるかなんてわからないけれど、俺には思い描いた君との未来がある。
透き通る笑顔のままの君。
君を不安にさせる事があるかもしれない。
だけど信じてほしい。
君だけが愛しいから。


※※※※※



「コーン。」
「キョーコちゃん。」


※※※※※



幼き日の君との思い出。
運命の出会いだった。
なのに俺は君の手を離してしまった。
俺も君も子供だったから、仕方がなかったのだけど。
初めて出会ったあの頃にはもう戻れないけれど、これから先、君が側にいてくれるならそれでもいい。

今を大切にしよう。

君がもう二度と悲しみで涙を流さないよう、俺が君を守るから。
だから、俺だけの君でいて。
君ででしか満たされない俺の心。
君はただ一人の大切な人。
俺は君が愛するただ一人の男になりたい。
輝く幸運を導く輝ける星でありたい。
この愛がある限り、どんな事がおきても揺るがないよ。
流れゆく時の中で、君への愛は深く、大きくなる。

愛しい君に、この思いを囁き続けるよ。



「キョーコ。好きだよ。君を愛している。」



これから先もずっと君に愛の歌を囁き続ける。



明日も。
明後日も。
その次ぎの日も。
君だけを愛していく。



たった一人の君だけを……。








accessの『ANOTHER DAY』妄想です。

好きでぐるぐる聞いては妄想してました。

最初はウェディングまで考えてなかったけどぉ。

貴島君の恋愛相談室けっこう長くなってしまってただいま停滞中。
本誌の貴島君とは別人仕様。
私の理想の貴島君です。
あはは。

少しお待ち下さいませ。



ではまた。



月華


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駄文しか書けませんが、よろしくお願いします。

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